ある日、世界は繋がった。
━━━━━━ある日、世界は繋がった━━━━━━
1
「おーい、笠原。メシ行こうぜ」
「俺はいい。別の奴と行ってきな」
「ちぇ、つれねぇな」
はぁ……。
どうしてそんなにテンションが高いんだか。
連日のテストとその勉強で頭がガンガンする。
やはり勉強なんて疲れた身体に鞭打ってまでするようなものじゃない。
体調崩したら元も子もないからな。
「さてと…帰るか」
サラリーマンではないが、ここ最近は午後半休が増えてきた。
豪い訳ではない。面倒なのだ。
これが通用すれば世間は崩壊の一途を辿るだろう。
「すんません先生、豪いんで帰ります」
「あなたねぇ…今月もう18回目よ?気持ちは解らないでもないけど、単位取っとかないと留年させられるわよ?」
「いいです。その時は中退しますから」
「…あなたには何言っても無駄そうね。いいわ。さようなら」
「ありがとうございます」
俺の家庭環境はあまり潤っていない。
小さい頃に事故で母親を亡くし、親父とは2年間口を利いていない。
親父が嫌いな訳ではない。話す機会が無いだけだ。
それでも、親父は最低限高校にかかる費用は負担してくれている。
いっそ、このまま中退してやろうか。
そんな事を考えながら靴箱に手を伸ばし━━━
ヒラリ…
━━━て蓋を開けると、一通の封筒らしきものが滑り落ちた。
…誰だ?
悪戯か?
そして、
「一枚のカード……」
裏面に独特な絵が描かれた、奇妙なカード。
おそらく、これが本命だろう。
他にも、封筒の中には、
・手紙
・四角い形をした箱
が入っていた。
何だ?
2
手紙を読み終えた俺は、家路とは別の方向へ歩みを進めていた。
理由は明確。暇つぶしになりそうだったからだ。
段々と人気が無くなってくる。
そして、完全に一人になった。
この場所まで来たら、いい頃だろうか。
俺は箱を地面に置いた━━━。