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転生したけど祝福は無かった

作者:たらば
最新エピソード掲載日:2026/03/04
この世界には、祝福がある。
神に選ばれた証。
右手に刻まれる、光の紋様。
炎を操る者。
風を纏う者。
鋼の肉体を持つ者。
祝福は力であり、価値だった。
生まれた日、刻印は浮かぶ。
強さに差はあれど、
“持っている”ことが当たり前。
祝福は、この世界の前提だ。
ただ一人を除いて。
王国の端に、剣の名家がある。
カルディウス家。
長男――サイラス。
若くして剣の才能を認められた少年。
銀の刻印が淡く光るたび、
周囲は未来を語った。
父もまた、かつて名を馳せた冒険者。
蒼い刻印を宿す実戦の男。
そして次男――レオン。
彼の右手には、何もなかった。
生まれた日も、空は静かだった。
一年。三年。七年。
刻印は現れない。
神官は言った。
「極めて珍しいが……不可能ではない。」
だがこの世界で、
祝福がないという事実は、
それだけで異質だった。
兄は光の中に立ち、
父は刻印と共に剣を振るう。
祝福と祝福がぶつかる音が庭に響く。
少年は、その光景を見て育った。
何度も右手を見た。
何もない、ただの手。
それでも。
少年は剣を振る。
誰よりも多く。
誰よりも長く。
並びたいと願ったからだ。
兄に。
祝福を持つ者たちに。
この世界に。
ある日。
少年は初めて思う。
祝福とは、なんだろう。
神とは、なんだろう。
その疑問は小さく、
まだ形を持たない。
だが確かに、
彼の中に芽生えた。
これは、
祝福を持たなかった少年が、
祝福を持つ世界で生きる物語。
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