ミレイの誤算②
「ね〜前世のサラってどんな子だったの?・・・貴女が最初に《排除》出来た程の子なんだよね?」
ミレイが1人のタイミングを見計らって、アミュはミレイに『ちょっと興味有るんだけど?風』を装い尋ねてきた。
さすがに、自分がボケて前世の家に行ってしまったとは言えないからだろうが・・・すでにミレイの耳にはその情報は入っている。
(ま〜前世でさんざん行き帰りした場所だからね〜無意識に行ったのかしら?)
もしくは何か狙いが有って、リガレンダル家に行った可能性もある。
そういうミレイも侍女長の部屋に入ろうとして、何度かアミュの母に苦情を言われている。
(・・・もしかしたらアミュのヤツ、今世はサラを自分に引き摺り込む気かしら?)
それはそれで、ミレイにしたら面倒な事に成りかねない。
(・・・でも、サラが前世と同じ性格ならば、サラがアミュの様な女に従うとは思えないけど・・・念は押しといた方が良いわね)
ミレイが、大卿に可愛がられ気に入られたのは・・・オシリスが亡くなった母への愛情と、自分の可愛いさだけではないのは分かっていた。
実はサラは、実父であったオシリスに、あまり懐かなかったという。
オシリスも、多少は妻娘に負い目を感じていたのか、距離を置いて接していた節は有ったので、ミレイのでっち上げた嘘をオシリスは信じ込み、サラを追い出す決意をしたのだ。
今考えてみると・・・オシリス大卿はサラ追い出したと言うよりは、それを理由にして《この家から解放してやった》と言う方が正しいかもしれない。
「サラを自分陣営に引き摺り込みたいのならば、私はお勧め出来ないわ!」
まず愛想が無いし、大人び過ぎて面白味が無かった。
何を考えてるのか分からない不気味さがあり、他人と仲良くなるタイプではない・・・とくに従うなんてありえない子なのだ。と説明する。
「・・・なるほどね〜攻略は面倒なヤツなのね・・・ところで、前世のサラのその後は、アンタも知らないのよね?」
その問いをアミュがすると、少し考える素振りを見せた後にミレイは「そうよ」と答えた。
(私も前世時、追い出した後にサラに《直接》に会った記憶は無いわね・・・)
アミュに言った通り、ミレイもサラを追い出した後は、彼女がどんな生活をしていたかは気にしなかったし知ろうとも思わなかった。
(私が処刑されるまでに、死んだという話は聞かないわね?)
さすがにオシリス大卿も、追い出したとはいえ実子だから気にはかけていただろう。
何かトラブル(例えば死とか)があれば、少なくても騒ぎ立てるだろう・・・
でも、時たま・・・悪事を成功して喜んでいる時に、妙な視線を感じる事が有ったのよね・・・
てっきり、サラもだがミレイに地に突き落された女性の嫉妬の視線だと気にしなかった。
恨まれる様な事をした自覚は、さすがにミレイにもある・・・ま〜反省する気はないが・・・
(今回は最大の敵に成りかねないから、注意は必要かもしれないわね)
自分陣営に、サラを引き摺り込みたくは無いが・・・経験上、彼女を敵には回したくないのだ。
(一応、対策は練っておくほうが良いかもね・・・)




