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アミュが〇〇された日①

(ようやく、念願のブラウド様と婚約出来たわ)

ミレイの婚約の儀が終われば、次は自分達だ。

アミュは実は第1王子アレインの弱点を知っていた。

彼は生まれ付き虚弱体質なのだ・・・だからミレイに彼を譲ったのだ。

アレインは王位に就いても少しの間で死去する・・・そうなれば弟であるブラウドが、その王位に就く事になるだろうということも。

(どうせあの子は私を《利用》してると考えてるんだろうけど・・・実は逆なのよ)

アミュは不適に笑った。

今頃はミレイは、控室で有頂天になっている頃だろうか・・・

(もしかしたら・・・これを期に私を消しにかかるかもしれないわね・・・先手を打っておいた方が良いかしら?)

ミレイが隠滅させた筈の書類は、密かにアミュは切り札にする為に集めている。

もちろん、自分アミュの関わった部分は改ざんしてある。

(最後に笑うのは私なのよ!)

アミュがミレイと出会ったのは、ミレイが正式なオシリス大卿の娘と発表されたあの集会であった。

オシリス大卿の様子から、彼女が愛人の娘ではないかとは薄々気が付いていた。

だが、それは後妻の連れ子だった自分と似た境遇だったからこそ仲良くなれた。

もちろん、その話はミレイにした事は無い。

ミレイもその真相をアミュに話した事は無い。

(ま〜約束は守ってくれたんだ・・・命までは取らない処遇にしてやろう)

そう考えていた時だった。


「アミュ嬢・・・悪いのですがご同行をお願いいたします・・・」

そう言って部屋に入って来たのは警部の人間だった。

(・・・まさか、ミレイに先手を取られたの?)

そんな筈はない筈だ・・・ミレイの周囲にはアミュの息の掛かった者を配置している。

何か有れば、すぐに連絡が来る筈だ。

「・・・誰の命令ですか?」

そうアミュが警部の男に尋ねると、男は書類を目の前に出した。

「ブラウド王子です・・・署まで来て話を聞かせて貰えませんか」

そこには、アミュが自分が改ざんした前の本来の証拠が記されていた。

(何故にブラウド王子がこの事を知ってるの?・・・誰かが彼にチクったのかしら?)

思い当たるのはやはりミレイだけだ・・・だが、これは本人ミレイにしても致命傷になる証拠はずだ。

それを彼女ミレイが出すとは考えにくい。

まずは言い逃れをするにも、ブラウド王子が関わっているなら従う方が良いだろう・・・

「では、次にミレイ大卿嬢の元に参りましょうか?ご同行してくださいますよね?」

その警部の男の言葉に、アミュは驚いた。

まるで始めから、アミュを捕らえてその足でミレイを捕らえる?流れの様だ。

(私達がお互いを庇い合うだなんて考えているとは思えない・・・自信暗鬼にさせ決別させる狙いが?)

その時にポロリとも真実を話させるのが、こいつらの狙いなのだろうか・・・

「・・・ブラウド王子は全てを知っております・・・下手に逆らうのは身を滅ぼすと思われますよ」

どちらにしても、アミュ達がしてきた事は投獄されてお終いではないだろう・・・捕まれば命は無い。

(こうなれば、彼女ミレイの驚愕する姿を見るのも良いかもね。)

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