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ミレイが〇〇された日②

(アミュの奴、裏切りやがって・・・)

ミレイと侍女は鍵付きの1部屋に放り込まる。

さすがにまだ《疑惑》だけでは、大卿嬢を牢屋に投獄は出来ない様だ。

おそらくは、ここは警部の建屋の1部屋なのだろう・・・出られはしないが生活はある程度は保証されているようだ。

「ミレイ様、どうしましょう?」

不安そうに取り巻きの侍女が、ミレイに話しかける。

「・・・彼女(アミュ)が私達を裏切ったならば、隠滅した証拠も警部に引き渡さているわ!」

王子との婚約で浮かれて決断が遅れた事に、ミレイは深く悔やんだ。

(もっと早く始末するべきだったわね・・・・しかし、何故にアミュが裏切った?)

アミュには、王子の弟の婚約者の地位を与えてやった筈だ・・・いや、初めからその約束で手を組んだ筈だったのだ。

(・・・まさか、私を引き摺り下ろして、自分がこの国の王妃になるつもりなのか?)

もしミレイが罪を問われれば、溺愛した彼女の為に裏工作を手伝った王子とて無関係とはいかない・・・

もしかしたら、次期王の座も弟に移るかもしれない。

(まさか最後の最後でこんな事になるとは・・・)

なんとか逃れる方法を考えなければならない・・・方法の一つとしては警部に潜ませた男(飼い犬)を使い、証拠隠滅とアミュの暗殺を頼むのがあるが・・・

(あの場に彼が現れなかった時点で、彼も罪を問われてると考えた方が良いわね)

そうなると、やる事は1つだ。

「アミュの罪を暴露してやりなさい・・・こうなれば道連れよ」

おそらく、自分の罪が投獄だけで済むような罪では無いのはミレイ自身が分かっている。

おそらくは処刑される事にもなるだろう・・・

「分かりました・・・外の者にそう指示いたします」

確かに監視はされているが、やりおうは幾らでもあるのだ。


「・・・残念ながら、その必要はないよ!」

そう言って部屋に入って来たのは、ミレイの婚約者のアレイン王子とその弟ブラウド王子だった。

「お前ら2人が共犯者である事は、すでに調べが付いているよ・・・」

弟のブラウドが、ミレイ達に証拠の書かれた書類を叩き付けた。

「王家を巻き込む犯罪をするとは・・・大犯罪者ミレイ大卿穣、アミュ嬢の2人には直刑を言い渡す」

その言葉に後ろに控えていた警部の者達が再びミレイを縛った。

(ちっ!私達に罪を全て背負わせるつもりなのね・・・さすがは王家)

おそらく、それが王子2人が決断した答えなのだろう・・ミレイ達を切り捨てれば王家のプライドは守られると。

(最後の最後でこんな結末とは・・・悔みきれないわ!)

「僕も甘かったよね〜君達みたいな女に騙されて・・・もう少しで悪事の片方を担がされる所だったよ」

そのアレイン王子の凶悪な笑みに、ミレイは自分の知らない彼を見た。

(コイツも私と同じく、本当の自分を偽って生きていた顔だ・・・)

おそらくは、初めからミレイの正体に気付いていたのかもしれない・・・だから、こんなにも急ピッチで事が進んだのかもしれない。

普通に考えたら、1年も満たない期間で何の反対も無く婚約まで進まないのかもしれない。

(もしかしたら、私達はハメられていたのか?)

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