気になるリスト
ジャニーズの会見で指名NGの記者リストがあったとして、大変話題になっている。
ところで、自分にはもっと中身が気になるリストがある。
それについて話をしよう。
と、その前に、まず現代ビジネスの2022年8月2日付の『「テレビ、新聞、雑誌…マスコミが「統一教会の報道を避けてきた」恐るべき実態』から引用しよう。
-引用開始-
2006年、ある情報番組の出演で、一般ニュースにコメントする仕事の際、制作サイドから「これらを口にするときは内容に気をつけてほしい」と渡されたリストがあった。そこには広告代理店の電通、創価学会、朝鮮総連、ディズニー、ジャニーズ、食品環境ホルモン、コンビニ弁当など、多数のワードが並び、そこに統一教会もあった。
-引用終了-
興味がある方は、「テレビ、新聞、雑誌…マスコミが「統一教会の報道を避けてきた」でGoogle検索すると検索トップにあがってくる。もし、報道機関がこのようなNGリストを実際に運用しているとなると、ジャニーズよりさらに大きな問題だと思う。
そして、この記事を見て気付くのは、このテレビ局ではリストを作成して明示的に関係者に圧力をかけていたという点である。言い換えると、テレビ局にとって不利益な情報に対しては触れないように、文書をもって情報統制をかけているということである。
もし、自分がテレビ出演しており次も出演の依頼が欲しいと思うのなら、リストに示された事項について余計な詮索はしないであろう。
情報番組で何人かの芸人さんがジャニー喜多川の悪事の話を噂程度は知ってはいたものの、それ以上のことは知らなかったと語っていたが、それも当然だと思う。このような圧力が加わっている状況で例えば知人のジャニーズ所属のタレントに対して芸人さんが「本当のところはどうなん?」などと詮索して廻ったりしたら、次の仕事なんてなくなるだろう。実質的に詮索するなと圧力が加えられている状況であるので、芸人さんが噂程度しか知り得なかったというのは、ある意味納得できる話である。芸人さんなんかはそれで仕方がないものの、ジャーナリストがこのような圧力があったからといって、それに従いましたというのは、ジャーナリストとしてそれいいのか?という気がする。
次の点は、これは「忖度」という言葉では済まないのではないかという点である。
テレビ局はジャニーズから圧力を加えられて、それに屈したのか、迎合したのかわからないが、明確に便宜を図っている。
忖度の意味は「立場が上の人の意向を推測し、盲目的にそれに沿うように行動する」なので、テレビ局のやったことは忖度などというレベルではないだろうと感じる。
さらに次の点は、上記の記事には「・・・コンビニ弁当など、多数のワードが・・・」となっている点である。
一体、このリストには他にどのようなワードがならんでいたのか?
つまり、このリストに掲載された事物に関することについては、報道されていないなにかがあるということだろう。
全てのワードを知って、それを考慮したうえで、テレビから情報収集するならより正しい情報を得ることができる。
一方で全く知らずにテレビを見るならば、報道する側に都合の良い偏った情報しか知ることができない。
是非、テレビ局に聞きたいのは以下の3点である。
1.このようなリストがあるのか?
2.そのリストに並んだワードを開示してほしい
3.そのワード(例えばコンビニ弁当)について、報道しなかった事項はあるのか?
国民に「知る権利」があるというなら、さほど不当な望みではないと思う。
実際問題、一個人が聞いてみたところで、まず返事は返ってこないとは思うが、実に気になる話である。
ジャニーズにおける再発防止よりも、メディアにおける「統一教会」や「ジャニーズ」のような問題をどのように再発防止するかのほうが、日本としてはよほど大きな問題だと思うのである。
以上