原稿用紙3枚の償い
キーンコーンカーンコーン
休み時間のチャイムがなった後、俺は席を離れるため立とうとすると、クラスメートの儚衣が声を掛けてきた。
「やぁ」
「何しに来た?」
「もちろん君に文句を言いにだよ」
「何か文句言われるようなことしたか?」
「あるよ!」
「はぁ、じゃあ言ってみろよ」
「なんであのとき来なかったんだよ。楽しみにしてたのに」
「別に、忙しかったから」
「後、なんであの子殴っちゃったんだよ。何があっても暴力はいけないよ」
「我慢できなかったんだよ」
「……そう。じゃあ最後に、何でこんな小説なんか書いてんだよ」
「……お前のことを忘れないためにだよ」
「君にはこれから楽しいことが沢山待ってるんだから、死んだ僕のことなんて忘れてよ」
「お前を助けられなかった俺にも責任がある。だから死ぬまでお前のことは忘れない」
「はぁ、君の頑固さも面倒くさいな」
「うるせぇ、死人が何言ってやがる」
「……僕と今まで一緒にいてくれて、ありがとう」
「俺もだよ」
儚衣は二週間前、自殺した。その原因は、アイツのことを虐めてた奴がいたからだ。だが、その虐めは陰湿なものであったため、遺書を読むまで俺も気付くことが出来なかった。俺はアイツのただ一人の友達だったのに。
俺はいじめてた奴も、俺自身も許すことが出来ずに、儚衣の葬式に行かず、次の日の学校で虐めてた奴を殴った。
それから俺は、せめてもの償いとして、一生忘れないと決めた。
そしてこの小説を読んでいる今でも、アイツのことを覚えている。
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