Episode 51.私と彼女の楽しい女学院生活です。
女学院の屋上から降りていくと、校舎内はまだ騒がしい状態が続いておりました。
フィーナは気にする事なく私の手を引きながら、次の講義の場所を目指しておりました。
すると、先程…私をおもちゃにしようとしたシェザルネに対し『支配』魔法をかけた、お手洗いの近くまで来ました。
お手洗いの扉を中心に、物凄い人だかりになっておりました。
恐らく食堂の外にまで達して居た騒ぎの原因は…シェザルネ達にかけられている魔法が原因かもしれません。
「一体この騒ぎは何でしょう?お手洗いが、どうされたのです?」
フィーナはお手洗いの扉の外で中に向かい声をかけて居る教師に問いかけました。
「あ、フィーナ様!お手洗いの部屋の中にシェザルネ達が居るようなのですが、扉を開けてくれず困っておるのです。」
女学院のお手洗いは全学院生共通の食堂、小等部の棟、中等部の棟、高等部の棟にそれぞれ一部屋あり、お手洗いの中の個室も二十くらいあります。
ただ、例えば高等部なら高等部のお手洗いか、食堂のお手洗いしか使えないのです。
その為、騒ぎの原因は高等部のお手洗いが使えなかったから、食堂の入り口近くにあるお手洗いに高等部の学院生が集中したからでした。
私はあの時シェザルネ達に対し、お手洗いが綺麗になるまで出てくるなと命令して、お手洗いを後にして食堂に向かったのです。
ですが、まさかこんなにまで大問題になるとは思ってもみませんでした。
「シェザルネ?そんな事終わりにして出てきなさい?」
「アルシェさん?あなたが言ったところで無駄ですよ。」
――ガチャッ…
お手洗いの扉の鍵が開く音が聞こえました。
――ギィィィィ…
するとお手洗いの扉が開き、シェザルネと取り巻きの女生徒が出てきました。
「キャアアアア!!」
シェザルネ達を見た生徒が何人か悲鳴をあげました。
何故かと言えば、レーユがリスティスの元へ行った関係で私は個室の中で裸の状態でした。
その為、アーシェとフィーナの居る所まで行くには、制服が必要でしたので、『支配』魔法を使い、シェザルネ達から、上の制服、下の制服をそれぞれ拝借したのでした。
なので、シェザルネ達は一部下着姿になって居たのです。
「あれ?!私達は何をしてたの!?」
私が先程言った言葉は、支配魔法を解除する準備で、実際目を合わせると解除されるのです。
知らずのうちに扉から出た際、私と目が合ったようです。
シェザルネ達は教師達に連れて行かれました。
まぁ…彼女達により、乱暴されたりした結果、自主退学、不登校、自殺未遂等をした女生徒は少なくありません。
私もされかけたので、被害者と言えば被害者です。
シェザルネ達は反抗されない事を良いことに調子に乗って居たのだと思います。
これを機に心を入れ替えて更生して欲しいと思います。
――――
「ンッ…。」
「んっ…。はぁ…っ…。はぁ…。」
お昼後の講義が終わり…お手洗いにフィーナと行ったのですが、個室に入ろうとした時でした。
フィーナが私を押し込むように一緒に入ってきて、私は唇を柔らかい唇で塞がれました。
「(アルシェ…好き…。)」
「(ちょっと!!こんな所で…ダメでしょ?)」
私は目がトロンとしているフィーナの両肩を両手でそっと押し除けました。
「(レーユさんとリスティスさんみたいに…私もアルシェに愛されたいの…。ダメ…かな?)」
「(だ!か!ら!あの二人はね?大人…なの!分かる?)」
あれはフィーナには早すぎる、大人の世界の光景でした。
「(もう私達結婚できる歳なんだよ?だからね?大人だもん…!!)」
確かに、この世界では十六の歳を迎えれば、種族や性別等は関係なく婚姻出来るのです。
フィーナはそれを知っての事での…この会話なのだと思います。
「(じゃあ…フィーナはアヴィレネーナの姿の私も愛せる?)」
「(それは…。)」
今までグイグイきていたフィーナが、急に困ったような態度を見せました。
「(ほら?だからフィーナはまだ、大人になりきれて無いんじゃないの?)」
「(…っ。)」
言い返せない様子だったので、フィーナをそっと押して個室から追い出しました。
「うぅぅぅ…。」
私は漏れそうなのを必死で我慢しながら、フィーナを相手にしていた為、扉の外で泣くフィーナを取り敢えず置いておいて、とりあえず用を足しました。
用を足し終わっても、扉の外ではフィーナの泣き声は止むことはありませんでした。
――コンコン…コンコン…
恐らく扉の前に居るフィーナが、扉が引かれても危なく無いように、私は扉を叩いてみました。
「アルシェのバカ!!あの人の方が綺麗なんだよ?私がアルシェじゃなくて…あの人好きになったらどうするの?」
他にも女生徒が個室を使っている中でも構わず、フィーナは大声でそう言いました。
全く…フィーナはイマイチ私について、分かっているようで分かって居ないようです。
お手洗いを出たら、ちゃんと分かるように説明してあげるしか無いようです。
とは言っても、目の前で『変身』して『変身解除』までして見せて、私だと認識したと思っておりましたが、そうではなかったようです。
――ギィィィィ…
「え?!」
――バタンッ!!
私は扉をゆっくりと引くと、前に立って居たフィーナの腕を引っ張って個室に連れ込みました。
「んんんんーーー?!」
今度は私の方からフィーナの唇を塞ぎました。
「私から…こう、されたかったんでしょ?」
突然の事態に最初驚いた様子のフィーナでしたが、すぐに大人しくなりました。
「アルシェ…。好き…。」
「じゃあ、フィーナ?行こっか。『空間転移』!!」
――ビュンッ!
フィーナの返事を待つ事なく、私とフィーナの姿はお手洗いの個室から消えました。
――ギィィィィ…
個室の扉の鍵をかけておりませんでしたので、私達の消えた個室の扉は内側へと勝手に開きました。
――スタッ…
私達の降り立った先は…私の部屋の寝室でした。
「ちょっと…アルシェ…。私…まだ…。」
――ドンッ!!
「きゃああああ!!」
少し乱暴にフィーナをベッドの上に突き飛ばしました。
――ドサッ!!
「ほら…!聞こえるよね??リスティス叔母様の嬉しそうな声が。」
ベッドの上に突き飛ばしたフィーナに私は這い寄ると、耳元でそう囁きました。
「うん…。でも…レーユさんが相手だからでしょ…?私達…女の子同士だもん…。」
「そんな事心配してたの?ほら、フィーナ?見て??」
私は衣類を脱ぐと、フィーナに身体を見せました。
「アルシェ?!そ…それ…。どうしたの!?」
「これ?フィーナを楽しませる為に、ね?」
状況からも分かる通り、私は魔法で人間の男の”それ“を生やして、股の間にぶら下げておりました。
喜ぶかと思ったのですが、フィーナの表情は固く青褪めておりました。
「心の準備が…。アルシェ…。あの…。“それ”で…赤ちゃん出来ちゃわない…よね?」
「大丈夫だよ?リスティス叔母様みたいにフィーナもなれるからね?それに、赤ちゃん出来ちゃうからさ?まぁ、出来ても責任取るから安心してね?」
更にフィーナの表情は強張り、ベッドの手前にいたのですが、ズリズリと奥の方へ後退りしていきました。
「だ…ダメ!!こ…こここ…来ないで!!」
「大丈夫、大丈夫。ほら?リスティス叔母様の声聞いて?フィーナもああなれるから!ね?」
私はベッドの脇にいたのですが、そうフィーナに言いながらベッドの上に登りました。
「ダメええええ!!来ちゃダメええええ!!」
「へぇ…?嫌では無いんだね??」
フィーナは首を大きく横に振っておりました。




