Episode 32.変わる環境もあれば変わらない思いもあるようです。
この数日の間で私を取り巻く環境が目まぐるしく変化してしまい、頭の中で情報の整理が追いついていません。
まず、お父様とお母様が復縁なされ、お父様はリーズランデ家に婿入りされました。
次に、リーズランデ家当主のリスティス叔母様とユーレも復縁なされました。
リーズランデ家から私とクロヴィスが帰る際に、クロヴィスの力で…リスティス叔母様の傷ついた身体を綺麗にして貰いました。
育児放棄されていた、アルリスは寮生活を辞め、アヴィルグも親類から世話される生活も終わり、リーズランデ家でリスティス叔母様とユーレの愛を受けながら、女学院、英雄候補学院共に通うことになりました。
その影響により、寮の私の部屋にいたお母様はお父様の元へ、シェンティことアーシェもリーズランデ家に戻ることになりました。
今私の部屋には…元旦那で序列二位の最古級悪魔のクロヴィスが人間の執事クローズとして居ります。
「アルシェ様?あのリーズランデ家当主のリスティスという女ですが、身体を綺麗にした時思考が見えたのですが…かなりの好き物でしたよ?」
「え!?リスティス叔母様が…?!」
「はい。困ったことに、悪魔や魔物と楽しむのが相当好きかと。」
まさかとは思いましたが…ユーレとの件もあるので、あながち間違いではなさそうです。
「そういえば、何故魔界にリスティス叔母様は引き摺り込まれたの?」
「はい。一度でも、魔界との空間転送の門をその身に紐付けられてしまうと、魔界側でその門を破壊しない限り、いつでも引き摺り込まれてしまうのです。」
クロヴィスの言葉に一抹の不安が私の頭を過りました。
「ねぇ?その門って、こっちに来る時破壊してきた?」
「ああ!!まだでしたね!!そうだ、リスティスという女は純粋な人間では無く…悪魔の血が混じってますよね?身体に悪魔特有のスキルが発現しておりましたよ?」
「リーズランデ家は、今の私もヴィルジェスも含めて…アーシェンテアの子孫なの。」
クロヴィスはそれを聞いてお腹を抱えて笑い始めました。
「あははははははははっ!!アヴィレちゃん…冗談キツいって!!」
笑いすぎて素のクロヴィスが出てしまい、執事のクローズから逸脱したので、私はキッと睨みつけました。
「ん…その話本当…なの!?アーシェって言えば、アヴィレちゃんに付き纏ってたあの雑種の弟子でしょ??」
クローズとしての振る舞いを一時的に辞めたのか、クロヴィスとして話を始めたようでした。
「三百年くらい前にね?あの子と一緒に寝てたんだけど…朝起きたら居なくなっていて。何年も探し回ったんだけど…全く見つからなくて。」
魔界と言うのは、アーシェくらいの上級悪魔であったとしても、急に居なくなっても騒ぎにもならない場所でした。
「じゃあ、今のアルシェちゃんの身体は…アヴィレちゃんの血じゃなくてアーシェの血が流れてるんだね?」
私はクロヴィスの質問に対して頷きました。
「ボクは、アヴィレちゃんの中身が好きだからね?身体は悪魔だって人間だってどうでも良いのさ!!だから、こうしてボクはキミのそばに居るんだから。」
流石に…クロヴィスとは、大昔愛し合って二人も子供を作った間柄なので…そう言われると照れてしまいます。
「まだ私は…色々したい事あるから、クロヴィスもヴィルジェスもそうなんだけど、ゆっくり見守って欲しいです。」
「分かっているさ!!昔だってボクは、アヴィレちゃんが大人になるまで、手を出さずに見守ってたよね?!」
「あの時、私に床に転がった物拾わせてる間に…クロヴィス、後ろから奪ってきたよね??無知な私が馬鹿だったけどね?」
懐かしい記憶が蘇りました。
あれは、もう千年近く前の…私にとっての大事件でした。
「他の悪魔に…キミを奪われたくなかったから…。あの頃のボクはまだ…五十年位しか生きていない売り出し中の悪魔だったから。今なら、焦らずともじっくり待てるしね?」
あの頃のクロヴィスの想いが聞けたのと同時に、締めは序列二位まで上り詰めた悪魔の余裕の一言でした。
「話、逸れちゃったんだけど…リスティス叔母様に紐付けられてる魔界側の門壊しに行かない?」
話の本題はそこだったのですが、お互い久しぶりに逢ったので、かなり話が逸脱してしまいました。
「では、参りましょうか?魔界なら…愛おしいアヴィレちゃんの姿を見放題ですから!!」
――スッ…
私はクロヴィスにそっと抱かれると、寮の部屋から何処かに空間転移しました。
――スタッ…
「着いたよ?アヴィレちゃん?」
クロヴィスにそう言われ目を開けると…目の前には魔界の景色が広がっておりました。
魔界は光の届かぬ場所ですが、所々で雷鳴が轟いており、闇火や鬼火も所々に浮いておりそれなりに明るいのです。
まぁ…魔界の生き物は夜目がきくので、暗くても全く問題はありません。
「ありがとう…って?!え!?いつの間に!!」
魔界に着いた途端に私の姿は、アヴィレネーナの姿に変身した状態になっており、ビックリしてしまいました。
「ボクが…アヴィレちゃんに逢いたくてたまらなくて、無理矢理『変身』させてしまったのさ?ゴメンよ?」
「もうっ!!」
私が怒っているもにも悪びれず、クロヴィスは私に向かって満面の笑みを浮かべておりました。
「ねぇ…?それで、リスティス叔母様に紐付けられてる空間転送の門はどこにあるの?」
「恐らく、こっちに…。ん?何か声がしませんか?」
そう言うとクロヴィスは、私と自分自身に対して『透過』魔法をかけたのです。
「これで他からはボク達の事は見えなくなったので、声のする方へ行ってみましょう。」
そう言われ、クロヴィスと手を繋ぎ向かってみる事にしました。
「わあ…お楽しみ中でしたね。」
声の主はリスティス叔母様で…この時は悪魔三人と地面の上で野生味溢れ本能的なお楽しみの真っ最中でした。
他にもたくさんの悪魔や魔物が行列を作って順番待ちをしておりました。
「この姿が元来のあの女なのでしょう。こんな場所ではあれですから、“リズの部屋”と言う小屋でも建てさせておきますか?」
そう言うとクロヴィスは配下の悪魔を呼び出すと、すぐさま近くの空き地に簡単な小屋を建てさせると、そこに門を移動させておりました。
「あの女が帰る際、ここで店を始めろと伝えておけ?タダで連中を楽しませていると何れ自分が損をするからとも伝えろ。いいな?」
クロヴィスは配下の悪魔にそう伝えておりました。
「久しぶりに…アヴィレちゃん、ボクの城に来ないかい?」
「え?私、もうクロヴィスのツガイでは無いんだよ?新しいツガイだって居るんでしょ??」
クロヴィスとは、二人の子供を連れて私の元を去ったあの日から…極力接触は避けてきました。
あれから、子供達はどう育てられたのか等色々気にはなりましたが、色々な子を拾っては弟子として育ててを繰り返しておりましたので、長い年月を生きていると気になる気持ちも子供達への想いも薄れていきました。
「あの後、一人の気になる子が出来たのだけど…結局、長続きしなくてね?その時、気付いたんだよ…アヴィレちゃんとずっと居れば良かったってさ?」
「勝手に私の事捨てて出て行ってくせに、その言い種ないと思うけど…。」
クロヴィスの表情はこの上ないくらいに落ち込んでおりました。
「本当に…あの時はすまないと思ってるんだ…。アヴィレネーナ、申し訳ない事をした。この通りだ…許して欲しい…。」
「今後のクロヴィスの行い次第で、許すかどうか決めても良いかな?」
私の言葉に子供のように嬉しそうな笑みを浮かべたクロヴィスを見て、内心苛立ちを隠せませんでした。
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この話の主な登場人物
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名前 :アルシェ=リーズランデ
年齢 :15歳
性別 :女
種族 :人間もどき
職業 :フィルネルス女学院中等部
魔力量:909
魔法 :未知の魔法
スキル:未知のスキル
肌 :肌色(ブルベ系)
髪 :ロング(黒色)
目 :焦茶
その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。
七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。
異世界転生者。
裏の英雄組織“アビスディストピア”の主人。
ヴィルジェスの許嫁。
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名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア
年齢 :不明(推定1000歳以上)
性別 :女
種族 :最古級悪魔
職業 :裏の英雄
魔力量:測定不能
魔法 :未知の魔法
スキル:未知のスキル、カラミティデモネズ・シリーズ
肌 :白
髪 :ツインテール(金色)
目 :真紅
その他:災厄の小悪魔。
アルシェの異世界転生前の姿。
魔界の序列元三位。
クロヴィスは兄的存在にして元夫。
苗字はその時貰ったのでそのまま使用。
アルシェの魔力量で容姿・年齢が変化。
露出の極めて多い際どい衣装を着用。
変身魔法で10分変身可能(魔界では無限)。
次に変身可能になるまで1.5時間必要。
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名前 :クロヴィス=ディズフィア
年齢 :不明(推定1050歳以上)
性別 :男
種族 :最古級悪魔
職業 :魔界の最高幹部
魔力量:測定不能
魔法 :未知の魔法
スキル:未知のスキル
肌 :白
髪 :長髪(蒼色)
目 :碧色
その他:魔界の序列二位。
アヴィレネーナの兄的存在にして元夫。
アヴィレちゃんと呼ぶ唯一の存在。
二人の間に二人の子供がいた。
子供二人を連れて一度は出て行った。
ヴィルジェスとは共に組み戦った仲。
今は別れた事を後悔しているようで、
クローズと言う名の執事に化け側に。
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名前 :レスティア=リーズランデ
年齢 :43歳
性別 :女
種族 :人間もどき
職業 :主婦
魔力量:330
魔法 :初級魔法全般
スキル:癒し手スキル全般
肌 :肌色(ブルベ系)
髪 :セミロング(黒色)
目 :焦茶
その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。
アルシェの母親。
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名前 :ヴィルディス=リーズランデ
年齢 :45歳
性別 :男
種族 :人間
職業 :自警団の団長
魔力量:999
魔法 :中級魔法全般
スキル:魔法騎士スキル全般
肌 :白
髪 :短髪(金色)
目 :翡翠色
その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。
アルシェの父親。
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名前 :リスティス=リーズランデ
年齢 :38歳
性別 :女
種族 :人間もどき
職業 :リーズランデ家当主
魔力量:369
魔法 :中級魔法全般
スキル:剣士スキル全般
肌 :肌色(ブルベ系)
髪 :ロング(黒色)
目 :焦茶
その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。
元国の騎士団所属の魔法剣士。
アルシェの叔母。
アルリス、アヴィルグの母。
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名前 :ユーレ=リーズランデ
年齢 :不明
性別 :無性?
種族 :中級スライム
職業 :リーズランデ家当主の夫
魔力量:不明
魔法 :不明
スキル:不明
肌 :水色
髪 :長髪のような形
目 :◉
その他:リスティスが名付け親の”名付き“。
頭や髪や四肢のようなものがある。
リスティスの婿養子。
アルリスとアヴィルグの父親。
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名前 :アーシェ=リーズランデ
年齢 :不明(推定500歳以上)
性別 :女
種族 :上級悪魔
職業 :英雄
魔力量:測定不能
魔法 :未知の魔法
スキル:未知のスキル
肌 :肌色(ブルベ系)
髪 :ロング(黒色)
目 :焦茶
その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。
300年以上前、異世界転移してきた。
アヴィレネーナの養子。
アヴァルウの妹弟子。
裏の英雄組織“アビスディストピア”の秘書。
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名前 :アルリス=リーズランデ
年齢 :9歳
性別 :女
種族 :人間もどきとスライムとの混血
職業 :フィルネルス女学院小等部
魔力量:90
魔法 :変身魔法、その他不明
スキル:不明
肌 :肌色(ブルベ系)
髪 :ボブ(黒色)
目 :焦茶
その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。
リスティスとユーレの実子で長女。
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名前 :アヴィルグ=リーズランデ
年齢 :6歳
性別 :男
種族 :人間もどきとスライムとの混血
職業 :ウェイン・ミレィナ英雄学院
魔力量:360
魔法 :変身魔法、その他不明
スキル:不明
肌 :白
髪 :短髪(金色)
目 :真紅
その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。
リスティスとユーレの実子で長男。
裏の英雄組織“アビスディストピア”に所属。
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名前 :ヴィルジェス
年齢 :20歳
性別 :男
種族 :人間
職業 :別の世界の勇者、裏の英雄
魔力量:9999
魔法 :勇者専用魔法
スキル:勇者専用スキル、ブレイヴジャスティ・シリーズ
肌 :白
髪 :長髪(金色)
目 :蒼色
その他:勇者。
アヴィルグの異世界転生前の姿。
アヴィレネーナを捕らえ、
首都に連行する最中に恋心が芽生えた。
クロヴィスとは共に組み戦った仲。
アヴィレネーナに再び出逢う為、
女神に頼み込み同じ世界に転生した。
アヴィルグが制限なく変身できる。
アルシェの許嫁。
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この話の登場人物
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名前 :アヴァルウ=ディズフィア
年齢 :不明
性別 :男
種族 :最上級魔人
職業 :魔界の地域責任者。
魔力量:不明
魔法 :不明
スキル:不明
肌 :褐色
髪 :長髪(赤色)
目 :緑色
その他:アヴィレネーナの最初の養子。
アーシェの兄弟子。
幼い頃、アヴィレネーナが拾った孤児。
アルシェの世界に繋がる、魔界の地域の責任者。
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