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あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 3.成長期編
31/52

Episode 31.私の執事はあくまでも二位です。


 「へぇ…面白い真似してくれてるじゃないかい?お前さんも…お馬鹿さんだねぇ?」


 「何しやがる!!誰だお前!!」


 私は魔人の男の頭を掴んだ瞬間に『記憶読取』をしておりました。

 とりあえず、この人間を魔人にした末端までは辿り着けそうな感じがしましたが…かなり面倒くさい事態になりそうです。


 「これから輪廻の輪から外れる輩に教える義理もないね?」


 「離せよ!!『火焔』!!」


 ――フヴォォォォッ!!


 魔人の口から炎が噴き上がり、私は炎に包まれました。


 「いやああああああああんっ!!」


 「俺を怒らせたお前が悪いんだぜ??燃えちまえ!!」


 「なんだい…もう終わりかい?身体がポカポカしてきて丁度良い温度だったんだけどねぇ?」


 魔人を見ると、頭しか無いのですが…茫然自失の表情でした。


 「だからやめろって言っただろう…。お前みたいな半端者が叶うわけ無いんだよ!!魔界の序列三位の強さを誇った最古級悪魔と呼ばれるお方だぞ?」


 アヴァルウの補佐の上級悪魔が魔人に対し、そう言い放ちました。

 確かに…最古級悪魔は私含めて三人しか生き残っておりませんでしたが…あの日、私が死んだことで魔界の序列に変化が生じたのは確かだと思います。


 「アヴァルウ?後で聞きたい事があるから、ここに一人で来い。」


 私はアヴァルウに触れると、アヴァルウの記憶に対して指定場所を記憶として割り込ませました。


 「え…?!あ、え!?何ですかこれ!?」


 「そう言う事だ。頼んだぞ?」


 アヴァルウはあり得ない事が起きて混乱しているようですが、構わず話を続けました。


 「それでお前さん、言い残す事はあるのかい?」


 「ふざけるな!!生まれ変わって復讐してやるからな!!待ってろ?」


 私は人の話をこの魔人は全く聞いていないことにおかしくなり、大声で笑い出してしまいました。


 「何笑ってやが…」


 ――ス…


 「全く…話も聞けないご都合主義な輩だったねぇ?」


 ――ピロン!


 私の周りに居た…中級悪魔に下級悪魔、小鬼、太鬼は、呆気ない魔人の最期に絶句しておりました。


 「あの…クロヴィス様が久しぶりにアヴィレネーナ様と逢いたいと申されており…。」


 「いやぁ!!アヴィレちゃん怖い怖い…。折角の美人さんなんだから怖い顔しちゃダメ!!」


 アヴァルウは私に言いかけたのですが、私が返答をする暇もなく…陽気に割り込まれました。


 「クロヴィス!?」


 気づけば私の背後にはクロヴィスが居り…身体を撫で回されておりました。


 「これだよ…これこれ!!この触り心地、正しくアヴィレちゃん!!寂しかったんだよ?偽者に跡形も無く消されたって…。」


 徐々にですが…クロヴィスの私に対する接触行為は過激さを増してきておりました。


 「ゴメンなさい…クロヴィス。寂しい思いさせて…。」


 「謝る必要は無いよ?ボクは…また触れられて嬉しいんだ!!ボクが唯一心を許せるのはアヴィレちゃんだけだからさ?」


 クロヴィス=ディズフィアは序列二位の最古級悪魔です。

 髪は長く翆色、肌は透き通るように白く、目は蒼色で、中性的な容貌をしています。

 私が幼い頃…クロヴィスは五十歳を超えておりました。

 孤児だった私に…兄弟のように色々と世話をしてくれていたのがクロヴィスでした。

 実は、この頃のクロヴィスは自分の子供を産んでくれるツガイを探していたようで…大人の女へ成長した私は…一時期ではありますがクロヴィスのツガイとなり子供も二人授かりました。

 その子供達が大人へ成長すると、クロヴィスは子供達を連れて私の元を去りました。

 私は…名前しか無かったので、クロヴィスからディズフィアの苗字を貰ってから、別れてもそのまま使っておりました。


 「クロヴィス?あの時の子供達は元気に育った?」


 「おおおお!!アヴィレちゃん…あの頃のこと覚えていてくれたんだね?!嬉しいよ!!ボク達の…いや、あの子達の子孫は頑張って序列争いを生き抜いているよ??流石、序列二位と元三位の子供の子孫だからね?二人合わせて実質一位なだけあるよ!!」


 相変わらず高い熱量で来るので…私は少し引き気味です。


 ――クンクン…クンクンクンクン…


 ――「アヴィレちゃん…仮初の身体手に入れたのかい?」


 クロヴィスが私に触れて頭に直接話しかけて来ました。


 ――「クロヴィスは…嫌?」


 ――「ボク、キミのこと守らなくちゃ。」


 ――「え?」


 クロヴィスはそう言うと、私の背後に居たはずなのに…いつの間にか目の前に立っておりました。


 ――チュ…。


 急にクロヴィスは私を抱き寄せると…唇を塞がれてしまい、思わず目を閉じておりました…。

 クロヴィスと最後に口づけを交わしたのはいつだったでしょう…思い出せないくらい昔の話です。


 クロヴィスの唇が離れたので、私は目を開けると…そこは魔界ではなく、リスティスが引き摺り込まれそうになった当主の部屋の寝室でした。


 「さぁ…アルシェ様?戻りましたよ?」


 目の前には、中性的な色香のする執事姿をした人間がおりました。

 周りを見渡せば、シェンティ、ヴィルジェス、ユーレがベッドを取り囲んでおりました。


 「アルシェ様!!よくぞ…ご無事で!!」


 「空間転送の門が何をしても開かなくて…困っていたのです…。」


 ヴィルジェスとシェンティ二人で何とかしようとしていた形跡が色々と見受けられました。

 ユーレは睡眠魔法のかかったままのリスティスを取り込んで、二人のする事を見守っていたようです。


 「アルシェ…様…?その…目の前の…ヤバい魔力…放っている…お方は…?」


 シェンティが私達に向かいそう声をかけて来ました。

 私は口を“ク・ロ・ヴィ・ス”とシェンティに、して見せました。


 「ヒィィィィッ!!」


 流石のシェンティも縮み上がってしまい、こちらに顔を向けなくなりました。


 「ん!?この威圧的な魔力は…。何故、クロヴィスが…アルシェさんの側に居るんだ??」


 「あれれ??勇者くん?!キミさぁ…?女神に頼んで愛しの女の元に転生したんじゃなかったのー??」


 流石クロヴィス、転生した理由さえ知っていました。

 何故この二人に面識があるのか…私は理解できませんでした。


 「ああ、私は無事一目惚れした女の側に転生出来たぞ?」


 ヴィルジェスは、クロヴィスにそう言うと…私を指差しました。


 「おいおいおい…勇者くん、冗談キツいって!!アヴィレちゃんは、大昔はボクと夫婦で子供も二人いたんだよ??」


 「何だよ…その話、聞いてない…。」


 部屋の中が何か気まずい雰囲気になってしまいました。


 「まさか…あの時勇者くんが必死になってたのって…アヴィレちゃんに一目惚れしちゃってたからってこと?!」


 「まぁ…そうだが??何か問題なのか?」


 「ねぇ…?何で、二人とも…そんな仲が良さそうなの??ヤバい悪魔と、それを退治する勇者だよね??」


 勇者と最古級悪魔の間で…何故か板挟みになった私は、思い切って聞いてみました。


 「ゴメンよ?アヴィレちゃん?仲間外れにしてしまったみたいで寂しかったよね??ボクと勇者くんは、アヴィレちゃんを殺したあのゴミ含めて…人間界に蔓延る悪意を排除する同盟を一時的に組んだんだよ。」


 「そうなの?!クロヴィスが人間に肩入れするなんて…どうしちゃったの!?」


 クロヴィスは人間を毛嫌いしており、人間界には姿を現すことは殆どありませんでした。

 そのクロヴィスがよりにもよって…悪魔と双極を成す人間の勇者と手を組んだなんて…信じられませんでした。


 「いや?人間だからでは無いよ?アヴィレちゃんが命を犠牲にしてまで守った人間だからさ!!実際、二人で組んでみたら、意外と息が合ってしまってね?でもまさか…勇者くんがアヴィレちゃんのこと一目惚れしてたなんて…。ああ!!息が合うって事は似たもの同士って事だよね?好みが似てるから仕方ないか!!はははは!!」


 何故、こうなってしまったのか、私もよく分かりません。

 ただ今言えるのは、序列二位の悪魔が私の執事になったという事実だけです。

――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=リーズランデ

年齢 :15歳

性別 :女

種族 :人間もどき

職業 :フィルネルス女学院中等部

魔力量:909

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の主人。

    ヴィルジェスの許嫁。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :最古級悪魔

職業 :裏の英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル、カラミティデモネズ・シリーズ

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    魔界の序列元三位。

    クロヴィスは兄的存在にして元夫。

    苗字はその時貰ったのでそのまま使用。

    アルシェの魔力量で容姿・年齢が変化。

    露出の極めて多い際どい衣装を着用。

    変身魔法で10分変身可能(魔界では無限)。

    次に変身可能になるまで1.5時間必要。

――――

名前 :クロヴィス=ディズフィア

年齢 :不明(推定1050歳以上)

性別 :男

種族 :最古級悪魔

職業 :魔界の最高幹部

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :白

髪  :長髪(蒼色)

目  :碧色

その他:魔界の序列二位。

    アヴィレネーナの兄的存在にして元夫。

    アヴィレちゃんと呼ぶ唯一の存在。

    二人の間に二人の子供がいた。

    子供二人を連れて一度は出て行った。

    ヴィルジェスとは共に組み戦った仲。

    今は別れた事を後悔しているようで、

    クローズと言う名の執事に化け側に。

――――

名前 :リスティス=リーズランデ

年齢 :38歳

性別 :女

種族 :人間もどき

職業 :リーズランデ家当主

魔力量:369

魔法 :中級魔法全般

スキル:剣士スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    元国の騎士団所属の魔法剣士。

    アルシェの叔母。

    アルリス、アヴィルグの母。

――――

名前 :ユーレ=リーズランデ

年齢 :不明

性別 :無性?

種族 :中級スライム

職業 :リーズランデ家当主の夫

魔力量:不明

魔法 :不明

スキル:不明

肌  :水色

髪  :長髪のような形

目  :◉

その他:リスティスが名付け親の”名付き“。

    頭や髪や四肢のようなものがある。

    リスティスの婿養子。

    アルリスとアヴィルグの父親。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、異世界転移してきた。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

    アヴィレネーナの養子。

    アヴァルウの妹弟子。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の秘書。

――――

名前 :アヴィルグ=リーズランデ

年齢 :6歳

性別 :男

種族 :人間もどきとスライムとの混血

職業 :ウェイン・ミレィナ英雄学院

魔力量:360

魔法 :変身魔法、その他不明

スキル:不明

肌  :白

髪  :短髪(金色)

目  :真紅

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    リスティスとユーレの実子で長男。

    イチオの策略でリスティスに育児放棄された。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”に所属。

――

名前 :ヴィルジェス

年齢 :20歳

性別 :男

種族 :人間

職業 :別の世界の勇者、裏の英雄

魔力量:9999

魔法 :勇者専用魔法

スキル:勇者専用スキル、ブレイヴジャスティ・シリーズ

肌  :白

髪  :長髪(金色)

目  :蒼色

その他:勇者。

    アヴィルグの異世界転生前の姿。

    アヴィレネーナを捕らえ、

    首都に連行する最中に恋心が芽生えた。

    クロヴィスとは共に組み戦った仲。

    アヴィレネーナに再び出逢う為、

    女神に頼み込み同じ世界に転生した。

    アヴィルグが制限なく変身できる。

    アルシェの許嫁。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :アヴァルウ=ディズフィア

年齢 :不明

性別 :男

種族 :最上級魔人

職業 :魔界の地域責任者。

魔力量:不明

魔法 :不明

スキル:不明

肌  :褐色

髪  :長髪(赤色)

目  :緑色

その他:アヴィレネーナの最初の養子。

    アーシェの兄弟子。

    幼い頃、アヴィレネーナが拾った孤児。

    アルシェの世界に繋がる、

    魔界の地域の責任者。

――――

名前 :男の魔人

性別 :男

種族 :中級魔人

魔力量:3000

魔法 :火焔、その他不明

その他:詳細は不明だが、

    アヴィレネーナの身体を不用意に、

    触れようとして身体を吹き飛ばされ、

    悪態をつき消された。

――――

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