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あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 3.成長期編
29/52

Episode 29.叔母の失われた四年は大きいです。


 「かたじけない。私の妻の妹が魔人に魅入られた挙句、長い年月その身体を様々な魔人達に弄ばれておったのが分かりまして。こちらでは魔瘴気に対し、打つ手立てが無く、困っておった所でして…。」


 「その義妹様の所まで、ご案内頂けますか?」


 お父様は包み隠さずヴィルジェスに現状を伝えると、ヴィルジェスの言葉に応え、当主の部屋の寝室まで案内してくれました。


 「うっ…。凄い臭いの魔瘴気だ…。夥しい数の魔人、魔物と交わられておられたのだな…。」


 ヴィルジェスは演技ではない素の反応をしておりました。


 「イチオ様!!イチオ様!!今日も沢山お越し頂けるのですよね!!待ち遠しいです!!今日こそ孕みます!!孕みますから!!捨てないで下さい!!」

 

 リスティスは周りに私たちが居るのにも関わらず、恥ずかしげも無く、大声でそう叫んでおりました。


 今日もと言っている所から察するに、リスティスは何処かに毎日連れて行かれていたのでしょうか?

 それともここに転移の門をイチオが置いて行き来させていたのでしょうか?


 リスティスの記憶では、直前まで目隠しをされている事が殆どで、イチオがどうしていたかが全く把握できませんでした。


 「リスティス…。」


 リスティスが暴れないように…身体を包み込み羽交締めしているユーレが居た堪れません。


 「それでは、魔瘴気を払わさせいただきます。」


 ヴィルジェスも…実の母の惨状を目の当たりにして、本当は辛いと思うのですが、他人をしっかり演じておりました。


 「いでよ…我が友。」


 そうヴィルジェスが唱えると、光と共に一人の天使が舞い降りました。


 「この方を元に戻しておくれ?癒しの天使。」


 「はい。」


 ヴィルジェスが…天使を召喚できるなんて聞いておりませんでした。

 癒しの天使がリスティスに手を触れると、魔瘴気が取り払われ、表情も元の穏やかなリスティスに戻りました。


 「では、皆さま良い一日を。」


 そう言うと、癒しの天使は天に向かい消えてゆきました。


 「んっ…?!お、お義兄様にお姉様!?え…誰??」


 リスティスは目覚めると自分が置かれている状況を理解出来ずにおりました。

 私とシェンティはいつもの顔ぶれなので驚きはしませんでした。

 ヴィルジェスは誰扱いで正解なのですが、身体を羽交締めにしているユーレについてまだ気がついて居ませんでした。


 「そうだ…私、イチオに告白されて…。え、イチオは??あれ…身体…ユーレ?!ユーレ…。生きてたの…?」


 イチオとユーレの間でリスティスの心は揺れ動いているようですが、イチオをもし選んでもヴィルジェスに退治されているため…その後のユーレとのやり取りが微妙な感じになりそうです。


 「ああ!すまんかったな?子孫よ。ユーレは私との賭けでな?ユーレが居なくても平気かどうか賭けを無理矢理させたのだ。だからその間、子孫の胎内にユーレを封印しとったのだ。だからユーレが浮気したと言うのも…嘘だ。」


 「アーシェ様の馬鹿!!ユーレ?ゴメンね?私…ユーレ居なくて寂しくて…イチオに心揺らいじゃったの…。だから…私、ユーレとまた一緒に居たいの…ユーレ許してください!!」


 イチオの事は寂しさを紛らわそうとしていただけのようで、少しホッとしました。

 ですが、そのせいで…リスティスの身体は穢れに穢され尽くしてしまっております。

 リスティスの身体をよく見ると…爪痕が無数につけられているのが確認出来ます。


 「リスティス、ダイジョウブ。オレハ、リスティス、アイシテイルヨ?」


 「ユーレ?私も…愛しています。」


 リスティスはそう言うと、ふと自分の身体に目線をやったのです。


 「な…なに…?この…身体の傷…。」


 ユーレが動かないように覆っていたので分からなかったのですが、リスティスの身体には全身細かい引っ掻いたような傷がつけられておりました。

 恐らく…大事な部分は様々な魔人や魔物を受け入れていたので…“便器”時代の比ではない状態になっているのが容易に想像がつきます。


 「え…。えっ…?!嫌だ…!!何で…?何で…!!まさか…?!嫌だぁ…!!嫌ああああああああ!!」


 リスティスは…大事な部分を手で触れた直後に、取り乱し騒ぎ出しました。


 「私の大事な部分…どちらも壊れちゃってるよぉ…。もうこんな身体じゃ…ユーレに申し訳ないよぉ…。」


 そう言いながらリスティスは泣きじゃくっておりました。


 「リスティス?オレハ、カワラズアイシテイルヨ?」


 ユーレがリスティスの身体を優しく包み込みました。


 「リスティス叔母様?全ての真実を知りたい?」


 「アルシェ?全ての真実って何なの?」


 もう、面倒くさかったのでリスティスの頭に手を乗せました。


 「リスティス叔母様?イチオに告白されたあの日から、もう四年が経っているのですよ?どうですか?知りたくなりましたか?」


 「よ…四年?!え…。アルリス??アヴィルグ??」


 リスティスは当主の部屋の寝室をキョロキョロと見回して声をかけましたが、当然の事ながら二人の反応はありませんでした。


 「因みに、リスティス叔母様は…四年前イチオに言われて育児放棄したんですよ?部屋に居るはずが無いです。どうですか?四年の間の記憶、知りたいですか?」


 「え…。い…育児…放棄…。そんな…う…っ…。アルリス…アヴィルグ…。うぅぅっ…うわああああああああん…。」


 記憶が無いとはいえ…大事な子供達を育児放棄してしまい、家にも居ないと言う絶望感から、完全にリスティスは泣き崩れてしまいました。


 「この部屋、あの子達の物何一つ無いですよね?事の重大さ…身に沁みたでしょうか?当時アルリスは五歳、アヴィルグなんて二歳だったんですよ?」


 アルリスとアヴィルグの面倒は主に…始祖のシェンティことアーシェと、従姉妹のメイド達、そして姉のレスティアお母様が見てくれていました。


 「アルシェ…お願いだから…私に、その記憶見せて…下さい…。どれだけ私が馬鹿だったか…見せて欲しいの…。」


 「ユーレ?あなたもリスティス叔母様と一緒に見てあげて下さい。」


 「アルシェサマ、タノミマス。」


 私はリスティスとユーレの頭にそれぞれの手を置きました。


 「目を背けず最後まで見届けて下さいね?『記憶共有』!!」



 ――――



 私が『記憶共有』の後、『意識共有』を唱え二人で記憶を辿れるようにしました。

 そして、夫婦二人だけにしてあげた方が良いと皆の意見が一致して、当主の部屋の寝室を夫婦二人残して後にしました。


 「勇者様、妹の魔瘴気を取り払ってくださり、本当にありがとうございました。」


 お母様はヴィルジェスにそうお礼を言いながら、何か包んだ物を手渡しました。


 「本当に何とお礼したらいいか分からんの。恩に着る、勇者よ。」


 アーシェもヴィルジェスの正体を知りながら、白々しくそう言いました。


 「あの…厚意でさせていただいただけですので…頂けませんよ。」


 そう言いながらもヴィルジェスは私の方をチラチラと見る素振りをしました。


 「おお、勇者様は私共の娘の方が興味がおありですかな?娘のアルシェは、まだ十五で成人しておらんのです。もし、勇者様が…娘が成人するまでお待ちいただけるのであれば…勇者様に娘を貰って頂くのはどうですかな?」


 お父様はヴィルジェスの事を気に入った素振りを、当主の部屋に居る時からしていましたので…お父様にはやらました。


 「この美しい娘さんを…ですか?本当に…よろしいのです?娘さんのご意思もありますでしょうし…。」


 「娘は…この世界を救いし七英雄の内、二人の英雄の子孫同士の間に生まれた子供なのです。これも何かの縁…娘は勇者様の所に貰っていただくのが相応しいと思うのです。」


 お母様までお父様に同調してヴィルジェスにそう伝えたのでした。


――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=リーズランデ

年齢 :15歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :フィルネルス女学院中等部

魔力量:609

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の主人。

    ヴィルジェスの許嫁。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :最古級悪魔

職業 :裏の英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル、カラミティデモネズ・シリーズ

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    アルシェの魔力量で容姿・年齢が変化。

    露出の極めて多い際どい衣装を着用。

    アルシェの変身魔法で10分変身可能。

    次に変身可能になるまで3時間必要。

――――

名前 :レスティア=リーズランデ

年齢 :43歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :アルシェの付きメイド

魔力量:330

魔法 :初級魔法全般

スキル:癒し手スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :セミロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    アルシェの母親。

    ヴィルディスとよりを戻した。

――――

名前 :ヴィルディス=デルジェイム

年齢 :45歳

性別 :男

種族 :人間

職業 :自警団の団長

魔力量:999(人間の上限)

魔法 :中級魔法全般

スキル:魔法騎士スキル全般

肌  :白

髪  :短髪(金色)

目  :翡翠色

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    アルシェの父親。

    レスティアとよりを戻した。

――――

名前 :リスティス=リーズランデ

年齢 :38歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :リーズランデ家当主

魔力量:369

魔法 :中級魔法全般

スキル:剣士スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    元国の騎士団所属の魔法剣士。

    アルシェの叔母(母の妹)。

    アルリス、アヴィルグの母だが、育児放棄していた。

    ユーレが死んだとされた後、

    幼馴染のイチオと付き合い同棲し、

    心も身体も完全に堕とされ支配されていた。

――――

名前 :ユーレ=リーズランデ

年齢 :不明

性別 :無性?

種族 :中級スライム

職業 :リーズランデ家当主の夫

魔力量:不明

魔法 :不明

スキル:不明

肌  :水色

髪  :長髪のような形

目  :◉

その他:リスティスが名付け親の”名付き“。

    頭や髪や四肢のようなものがある。

    リスティスの婿養子。

    アルリスとアヴィルグの父親。

    アーシェによりリスティスの胎内に、

    封印され死んだ事にされていた。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、異世界転移してきた。

    魔神討伐後、自らの呪いで眠っていた。

    真名はアーシェンテア。

    “悪魔”のアーシェ時代、

    アヴィレネーナから盗んだ衣装を着用。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の秘書。

――――

名前 :アヴィルグ=リーズランデ

年齢 :6歳

性別 :男

種族 :人間(スライムとの混血)

職業 :ウェイン・ミレィナ英雄学院

魔力量:360

魔法 :変身魔法、その他不明

スキル:不明

肌  :白

髪  :短髪(金色)

目  :真紅

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    リスティスとユーレの実子で長男。

    イチオの策略でリスティスに育児放棄された。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”に所属。

――

名前 :ヴィルジェス

年齢 :20歳

性別 :男

種族 :人間

職業 :別の世界の勇者、裏の英雄

魔力量:9999

魔法 :勇者専用魔法

スキル:勇者専用スキル、ブレイヴジャスティ・シリーズ

肌  :白

髪  :長髪(金色)

目  :蒼色

その他:勇者。

    アヴィルグの異世界転生前の姿。

    アヴィレネーナを捕らえ、

    首都に連行する最中に恋心が芽生えた。

    アヴィレネーナに再び出逢う為、

    女神に頼み込み同じ世界に転生した。

    アヴィルグが制限なく変身できる。

    アルシェの許嫁。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :イチオ・サノ

年齢 :38歳

性別 :男

種族 :中級魔人

職業 :元アルディスの自警団の団員

魔力量:不明

魔法 :不明

スキル:不明

肌  :肌色(イエベ系)

髪  :短髪(黒色)

目  :茶色

その他:七英雄の一人”影“のユキタダの末裔。

    幼馴染のリスティスと付き合い同棲し、

    心も身体も完全に堕とし支配していた。

――――

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