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あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 3.成長期編
28/52

Episode 28.勇者は意外と身近に居るものです。


 イチオが“俺達のメス豚”とリスティスに言っていた事が、私は気になってしまいました。

 本来なら、原因はある程度特定できたので、記憶を見るのはここまでで良かったのですが、もう少し記憶を追って見ることにしました。


 追って見て結果的にわかった事は…リスティスはイチオ以外にも…男を装った複数の魔人から…国の騎士団時代の“便器”のような扱われ方をしておりました。

 多い時で五体の魔人を一度に相手にする事もあったようです。


 更に、何処か…魔界のような場所で、リスティスを主役とする狂宴の宴が一週間繰り広げられ、朝から晩まで多くの魔人や魔物達の“便器”となっておりました。

 そのせいでリスティスの身体には、非常に多くの魔瘴気が取り込まれてしまい蓄積してしまっているようです。


 流石に…魔人や魔物相手に“便器”のような生活を四年も続けていれば、魔瘴気で精神が蝕まれてしまい、イチオの言葉しか受け付けなくなっているのかもしれません。


 唯一不幸中の幸いだったのは、シェンティとユーレが賭けをして、ユーレがリスティスの胎内に封印されていた事です。

 そのおかげでリスティスは、どんな事をされようとも魔人や魔物の子供を授かってしまうことは無かったのです。



 ――――



 私は、リスティスの記憶から見えた事実を、シェンティ、ユーレ、お父様、お母様に伝えました。

 また、魔界との出入り口が何処かに存在している事、想像しているよりも遥かに多く魔人がこの世界に蔓延っている事、この二点をお父様とシェンティとの共通認識としました。


 「アルシェ様?魔瘴気の除去なんて…一緒に魔神を倒した“勇者”ウェインが居ないと無理です…。」


 「私がアヴィレネーナになれば、魔瘴気の吸収くらい出来るんだけど…さっきお父様の前で変身しちゃって。」


 シェンティが私の言葉を聞くと、お父様をキッと睨みつけました。


 「おいおい…。怖いメイドだな?レスティアなんか言ってやってくれよ…。」


 そうお父様はお母様の肩をそっと寄せて言いました。

 シェンティがアーシェ本人と知らないのは、今ここに居るお父様だけでした。


 「あれ?お母様とお父様仲直りされたんですか?」


 「もう!!アルシェにはサプライズって…二人で言ったじゃない!!バカ!!バカ!!」


 お母様はそう言いながら、お父様の逞しく盛り上がった胸筋の辺りをポカポカと叩いておりました。


 「レスティアすまんすまん!!アルシェ?そういう訳で…私達はやり直す事にした。が!私はリーズランデの人間となるのでな?」


 「ほほう?我が軍門に下るのか?アルディスの子孫よ。」


 お父様がシェンティの方を向くと、その姿はアーシェの姿になっておりました。


 「“悪魔”のアーシェ様?!その格好…アヴィレネーナとそっくりでいらっしゃいますね。」


 「アヴィレネーナ様は私の師匠だからな?あと…この服はアヴィレネーナ様が寝ている間に盗んだのじゃが…」


 お父様の顔から血の気が引いていくのが目に見えて分かりました。


 「おい?アルディスの子孫?どうされたのじゃ?」


 まぁ…知らずとは言え…お父様は、アヴィレネーナの穴という穴まで調べ尽くした訳です。

 アーシェの師匠と言うことは…あの愚行がバレたら命が無いと分かったのでしょう。


 「お父様、大丈夫ですよ。大丈夫ですから。ね?」


 私はお父様の目を見ながら、あの事は気にしないでとの意味を込めて、二度繰り返して言い聞かせました。


 「アルシェ。なんて優しい子に育ったんだ…。私は嬉しく思う…。」


 お父様も理解してくれたようでした。


 「はっはっはっ!!私がシェンティとしてアルシェ様のお世話しているお陰だぞ?ありがたく思え??はっはっはっ!!」


 「ねぇ?ゆうしゃ、いないの?」


 話が脱線して来たところに、アヴィルグが冷静な一言を放ちました。


 「勇者はウェイン様以来、ウェインドラスト家から現れていないのだ。たまたまウェイン様に素質があっただけで、子孫は素質もないのに“勇者”の血脈だと偉そうに…。」


 お父様はそう言うと…悔しそうな表情を浮かべておりました。


 「ちょっとおてあらい!!アルシェおねえちゃん、着いて来て??」


 アヴィルグはそう言うと、私の手を強引に引くと当主の部屋から出て行きました。


 「アルシェおねえちゃん?そとでぼくとぐうぜんそうぐうしたかんじで!!」


 滅茶苦茶嘘くさいですが、そうするしかリスティスを戻す手立ては思い付きませんでした。

 私とアヴィルグは家を出て街道の方まで出て行きました。


 「『へんしん』!!」


 アヴィルグは一瞬にして眩い光に身体が覆われると、次の瞬間その光が身体に取り込まれ、ヴィルジェスが姿を現しました。


 ――ギュッ…


 「アルシェさん…?愛しています…。」


 ヴィルジェスは私をそっと抱きしめ…耳元で囁きました。

 本当にいい男過ぎてズルいです…。


 ヴィルジェスへの変身については、悪魔への変身では無いため、再度変身するまでの待機時間や変身可能時間は全く無いようです。

 ただし、魔力を使い過ぎて空になると変身が解除されるようなので、注意が必要です。


 今気づいたのですが、ヴィルディスお父様とヴィルジェスの名前が似ているのは…何か因縁があると面白いのですが。


 「暫くしたら、行きましょうか?」


 「アルシェさん。僕…先程、あなたのお父様を手にかけそうなくらい殺意が湧きまして…。僕ですら…触れた事が無いのに…。」


 ヴィルジェスは、お父様にアヴィレネーナが身体検査された時のことを悔しそうに話し、怒りで打ち震えています。


 「こ…今夜…ヴィルジェスに身体検査して貰おうかな!!ははは…。」


 「はいっ!!喜んで!!」


 これくらいしかヴィルジェスの怒りを鎮められないかなと思い…咄嗟に口走りましたが、言った後で激しい後悔の念に苛まれました。

 ま、まぁ…ヴィルジェスに喜んで貰えて…結果的には良かったですが…拒絶されなくて良かったです。


 「あと…一時間半くらいでしょうかね?再変身可能まで。」


 ヴィルジェスはもうアヴィレネーナと楽しむ事しか頭に無いようです。

 確かに…アヴィレネーナを追ってこの世界に転生して来たのですから…よっぽど私の事が好きなのでしょう。


 「じゃあ、行きましょうか?アルシェさん。」


 「はい!ヴィルジェスさん?いい演技しましょうね!」


 私はよそよそしい雰囲気を出しつつ、ヴィルジェスを家の方に案内して来ました。

 家の外ではシェンティが何故か待ち構えておりました。


 「アルシェ様?子孫とどこ…あぁ…そう言う事でしたか。私は黙っておりますので、後はお二人で頼みますね?」


 流石にシェンティはポロッと言ってしまう事が多いのですが、喋るのを自粛してくれると言ってくれたので、察しが良くて良かったです。


 「お父様!!お母様!!勇者様が!!勇者様が来てくれました!!」


 ヴィルジェスと家の中へ入ると大声を私は張り上げてアピールしました。


 「何だって!?勇者だと??」


 一番先にその言葉に飛びついたのはお父様でした。


 「うむ…。この纏われておる温かな光…正しく”勇者“でいらっしゃる。お名前は何と申される?」


 「ヴィルジェスと申します。農民の出自故、名字はございません。」


 「“勇者”様には生まれの出自など関係ないと教えられております。私はこの地域の自警団の団長ヴィルディス=リーズランデと申します。奇遇ですな?名前が似ておられる。」


 お父様とヴィルジェスは名乗り合いましたが、お父様はやはり名前が似ている事が気になったようでした。


 「街道を歩いていたところ、強烈な魔瘴気を感じ足を止めたところ、ヴィルディス殿のご令嬢に声を掛けられまして。」


 凄い出来過ぎているくらいに、ヴィルジェスの演技が光ります。

――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=リーズランデ

年齢 :15歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :フィルネルス女学院中等部

魔力量:609

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の主人。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :最古級悪魔

職業 :裏の英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル、カラミティデモネズ・シリーズ

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    アルシェの魔力量で容姿・年齢が変化。

    露出の極めて多い際どい衣装を着用。

    アルシェの変身魔法で10分変身可能。

    次に変身可能になるまで3時間必要。

――――

名前 :レスティア=リーズランデ

年齢 :43歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :アルシェの付きメイド

魔力量:330

魔法 :初級魔法全般

スキル:癒し手スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :セミロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    アルシェの母親。

――――

名前 :ヴィルディス=デルジェイム

年齢 :45歳

性別 :男

種族 :人間

職業 :自警団の団長

魔力量:999(人間の上限)

魔法 :中級魔法全般

スキル:魔法騎士スキル全般

肌  :白

髪  :短髪(金色)

目  :翡翠色

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    アルシェの父親。

    自警団に情婦が居たが別れた模様。

――――

名前 :リスティス=リーズランデ

年齢 :38歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :リーズランデ家当主

魔力量:369

魔法 :中級魔法全般

スキル:剣士スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    元国の騎士団所属の魔法剣士。

    アルシェの叔母(母の妹)。

    アルリス、アヴィルグの母だが、育児放棄中。

    ユーレが死んだとされた後、

    幼馴染のイチオと付き合い同棲し、

    心も身体も完全に堕とされ支配された。

――――

名前 :ユーレ=リーズランデ

年齢 :不明

性別 :無性?

種族 :中級スライム

職業 :リーズランデ家当主の夫

魔力量:不明

魔法 :不明

スキル:不明

肌  :水色

髪  :長髪のような形

目  :◉

その他:リスティスが名付け親の”名付き“。

    頭や髪や四肢のようなものがある。

    リスティスの婿養子。

    アルリスとアヴィルグの父親。

    アーシェによりリスティスの胎内に、

    封印され死んだ事にされていた。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、異世界転移してきた。

    魔神討伐後、自らの呪いで眠っていた。

    真名はアーシェンテア。

    “悪魔”のアーシェ時代、

    アヴィレネーナから盗んだ衣装を着用。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の秘書。

――――

名前 :アヴィルグ=リーズランデ

年齢 :6歳

性別 :男

種族 :人間(スライムとの混血)

職業 :ウェイン・ミレィナ英雄学院

魔力量:360

魔法 :変身魔法、その他不明

スキル:不明

肌  :白

髪  :短髪(金色)

目  :真紅

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    リスティスとユーレの実子で長男。

    イチオの策略でリスティスに育児放棄された。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”に所属。

――

名前 :ヴィルジェス

年齢 :20歳

性別 :男

種族 :人間

職業 :別の世界の勇者、裏の英雄

魔力量:9999

魔法 :勇者専用魔法

スキル:勇者専用スキル、ブレイヴジャスティ・シリーズ

肌  :白

髪  :長髪(金色)

目  :蒼色

その他:勇者。

    アヴィルグの異世界転生前の姿。

    アヴィレネーナを捕らえ、

    首都に連行する最中に恋心が芽生えた。

    アヴィレネーナに再び出逢う為、

    女神に頼み込み同じ世界に転生した。

    アヴィルグが制限なく変身できる。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :イチオ・サノ

年齢 :38歳

性別 :男

種族 :中級魔人

職業 :元アルディスの自警団の団員

魔力量:不明

魔法 :不明

スキル:不明

肌  :肌色(イエベ系)

髪  :短髪(黒色)

目  :茶色

その他:七英雄の一人”影“のユキタダの末裔。

    幼馴染のリスティスと付き合い同棲し、

    心も身体も完全に堕とし支配していた。

――――

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