表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 3.成長期編
27/52

Episode 27.父と娘の二人だけの秘密です。


 自警団の団長の職は、デルジェイム家の次期当主候補が歴任しております。

 その背景もあり、私のお父様であるヴィルディス=デルジェイムが任されておりました。

 ですが、代替りをなかなかされず、団長の在任歴も私と同じくらいになってきていました。


 「アルシェ?何故そこまでイチオの件に拘るのだ?」


 ――カチャッ


 私は…お父様の居る自警団の執務室の扉の鍵を掛けました。


 「お父様は…良いもの見たく無いですか?」


 「おい!!アルシェ?お前がいくらレスティアに似ているからとは言え…。いや…似過ぎだ…お前を見ていると若い頃のレスティアと話しているようで…胸が苦しくなるのだ。」


 確か…お母様の話ではお父様とは、魔神を退治した日である七英雄の感謝祭に主催側として連れ出された幼少期に二人は出逢い、地域が離れているので会えるのは感謝祭の時のみだったにもかかわらず、成長するに従い心惹かれ合い…恋に落ちたそうです。


 「お父様?見ててくださいね?『変身』!!」


 いつものように私を闇が覆いました。


 「アルシェ?大丈夫か??」


 ――スッ…


 心配したお父様は手で私を覆った闇を払い除けようとしてくれたようなのですが、手は闇を通り抜けてしまったとアヴィルグに後で教えられました。


 「アルシェ!!」


 次の瞬間闇が私の身体に取り込まれました。


 「ダメだダメだダメだ!!」


 お父様がそう慌てふためく声が聞こえました。


 お父様の目の前…私が居た場所に…アヴィレネーナが姿を現しました。

 誰か来ても面倒なので、周りからは一切見えない・聞こえない障壁をこの部屋だけに張りました。


 「あ…。」


 お父様はアヴィレネーナの姿に思わず息を飲みました。


 「我の名はアヴィレネーナ。お前さんが会いたがってた女だよ?ほら、どうだい?触れてごらんよ?」


 「私の自慢の娘をどこにやった!!」


 お父様はとても怖い表情で私を睨みつけておりました。


 「おじさま?アルシェおねえちゃんだよ?」


 アヴィルグがやっと声を発しましたが、良い援護射撃でした。


 「アルシェな訳が…。危険な物を隠してないか身体検査するからな?抵抗するなよ?今すぐ、おまえを逆賊認定も出来るのだからな?」


 ――ムギュッ!!ムギュッ!!


 そう言いながらお父様は私の…アヴィレネーナの身体を上から下まで隅々まで入念にまさぐってきたのでした。


 「よし!怪しいものはどこにも隠してなさそうだ。それにしても…聞いていた話より美人だが…その出立、痴女過ぎるんじゃないか?」


 「ヴィルディスお父様の馬鹿…。」


 私は顔を真っ赤にしてポツリと呟きました。

 お父様に穴という穴まで調べられてしまい…通常からこんな身体検査をしているのかと疑問が湧くくらいでした。


 「な!?何故…私の名前を…。まさか…本当にアルシェ…なのか…?」


 私はお父様に身体の色々な場所を…入念にまさぐらた上で見られてしまったので…恥ずかしさを通り越して涙まで出てきました。


 「私は…嫁入り前の娘に…なんて事をしてしまったんだ…。」


 お父様の表情が青褪めて行くのがわかりました。


 「お父様?この責任とって頂けますでしょうか?」



 ――――



 お父様に私の過去の話をしました。

 親しい家族の中で私の過去を知らないのは、ヴィルディスお父様、リスティス叔母様、アルリスのみでした。


 「それにしても…その身体、魔性が過ぎるぞ?娘でなければ…あの後罪を着せると脅して言い負かせ、味見でもしようかと思っていた。」


 「酷いです…。まぁ、お母様の言われていた通りで、お父様は女好きと言うことは…分かりました。」


 身体検査に時間がかかり過ぎてしまい、私の魔力は尽きそうでした。


 「レスティア…言いたい事言いおって。」


 「お父様?次は…味見させてあげますね?」


 自らの意思で変身を解除することにしました。


 ――フゥッ…


 するとアヴィレネーナの身体から大量の闇が解き放たれるとフゥッと消えてゆき、アルシェの身体に戻りました。


 「お父様?秘密ですよ?」


 「本当にあれは…」


 お父様の唇に指を当てると、私は首を横に振りながらシッと言いました。


 「ところでお父様?イチオさんが任務中に行方不明になった場所教えて頂けますか?」


 「アルシェは魔人の痕跡を探しているのだな?」


 私は手をパチパチと叩き嬉しそうな顔をしました。


 「そうなのか…。ならば、明日でも良いか?今日は少し用が出来たのだ。」


 「お父様?私の手を。アヴィルグも、いいかな?」


 お父様とアヴィルグの手をしっかりと私は握りました。


 「『空間転移』!!」


 「なに!?」


 ――ビュンッ!


 お父様の驚いた声と共に空間転移しました。


 ――スタッ!


 「アルシェ…。これは…夢か?」


 「いいえ?お父様、これは夢ではございませんよ?」


 私達が空間転移で現れたのは、リーズランデ家の玄関前でした。


 ――ギィィィィッ…


 「アルシェ!お帰りなさい?」


 私の声が聞こえたのか玄関の扉が開いて、玄関の内側から声と共に誰か出て来ようとしておりました。


 「レスティア…?レスティア!!」


 その声に即反応したのは他の誰でもない、お父様でした。


 「え?!ヴィルディス!?一体…何で!?」


 居るはずもないお父様の姿に、お母様は驚きの声をあげました。


 「お母様もお父様も二人とも寂しそうだったから。お父様には何も言わずに連れてきちゃった!」


 「レスティア…実は話したいことがあるのだ…」


 私に続いてお父様がお母様に話し始めました。

 もしかして、少し用が出来たとは…お母様の所に会いに行こうとしていたのでしょうか?


 「アヴィルグ?ユーレお父さんの居る場所に行こっか?」


 私達が居ては邪魔になると思い、その場を後にして家の中に入りました。


 「イチオ様ああああ!!」


 当主の部屋に居ると思われるリスティスのイチオを呼ぶ叫び声が、玄関の中にまで聞こえてきておりました。

 ユーレ、シェンティ、レスティアお母様の三名にリスティスの治療を任せてお父様の元へ向かいました。

 この感じだと、リスティスがイチオから受けたと思しき洗脳はまだ解けていないようです。


 「アルシェ様!!お帰りなさい。リスティスがおかしくなったままで元に戻らなくて…。」


 シェンティが迎えてくれたのですが、苦戦している様子でした。


 「少し…リスティスに『記憶読取』するしかないみたいね。」


 「はい…力及ばず申し訳ございません。今、当主の部屋の寝室にて、ユーレがリスティスの身体を取り込み…ベッドの上にて暴れないように羽交締めしております。」


 私はアヴィルグを連れて、寝室までやってきました。


 「リスティス!!メヲサマシテクレ!!」


 ユーレがリスティスに必死に呼びかけていました。


 「イチオ様!!今日もこの卑しいメス豚に…施しを!!お情けを!!」


 リスティスは、普段見せたことのない欲情した表情で、イチオを求め続けておりました。


 「ユーレ?今、辛いだろうけど私がリスティスの事、何とかするから…待っててね?『記憶読取』!!」


 ユーレを励ましながら…私はリスティスの頭に手を置き唱えました。

 四年前の私の誕生日から現在までの記憶を読み取る事にしました。

 私の頭の中に…リスティスの記憶が流れ込んで来ました。



 ――――



 四年前のあの日、告白を受けた後に皆んなが誓約書を書かいている中、イチオと共に当主の部屋の寝室に篭りました。

 そこで、知らずのうちに口移しで何やら薬を飲まされていたのを確認出来ました。

 更に、ベッドの上で二人が楽しんでいる最中に、例の針のようなものを気付かぬうちに刺されておりました。


 「お前は俺達のメス豚だ。俺からの命令は絶対だ。いいな。」


 薬が効いてくると、イチオからそう言われたのです。


 「はい、イチオ様!!」


 リスティスは嬉しそうに頷きそう言うと微笑みました。




――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=リーズランデ

年齢 :15歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :フィルネルス女学院中等部

魔力量:609

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の主人。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :最古級悪魔

職業 :裏の英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル、カラミティデモネズ・シリーズ

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    アルシェの魔力量で容姿・年齢が変化。

    露出の極めて多い際どい衣装を着用。

    アルシェの変身魔法で10分変身可能。

    次に変身可能になるまで3時間必要。

――――

名前 :レスティア=リーズランデ

年齢 :43歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :アルシェの付きメイド

魔力量:330

魔法 :初級魔法全般

スキル:癒し手スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :セミロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    アルシェの母親。

――――

名前 :ヴィルディス=デルジェイム

年齢 :45歳

性別 :男

種族 :人間

職業 :自警団の団長

魔力量:999(人間の上限)

魔法 :中級魔法全般

スキル:魔法騎士スキル全般

肌  :白

髪  :短髪(金色)

目  :翡翠色

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    アルシェの父親。

    自警団に情婦が居たが別れた模様。

――――

名前 :リスティス=リーズランデ

年齢 :38歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :リーズランデ家当主

魔力量:369

魔法 :中級魔法全般

スキル:剣士スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    元国の騎士団所属の魔法剣士。

    アルシェの叔母(母の妹)。

    アルリス、アヴィルグの母だが、育児放棄中。

    ユーレが死んだとされた後、

    幼馴染のイチオと付き合い同棲し、

    心も身体も完全に堕とされ支配された。

――――

名前 :ユーレ=リーズランデ

年齢 :不明

性別 :無性?

種族 :中級スライム

職業 :リーズランデ家当主の夫

魔力量:不明

魔法 :不明

スキル:不明

肌  :水色

髪  :長髪のような形

目  :◉

その他:リスティスが名付け親の”名付き“。

    頭や髪や四肢のようなものがある。

    リスティスの婿養子。

    アルリスとアヴィルグの父親。

    アーシェによりリスティスの胎内に、

    封印され死んだ事にされていた。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、異世界転移してきた。

    魔神討伐後、自らの呪いで眠っていた。

    真名はアーシェンテア。

    “悪魔”のアーシェ時代、

    アヴィレネーナから盗んだ衣装を着用。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の秘書。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :イチオ・サノ

年齢 :38歳

性別 :男

種族 :中級魔人

職業 :元アルディスの自警団の団員

魔力量:不明

魔法 :不明

スキル:不明

肌  :肌色(イエベ系)

髪  :短髪(黒色)

目  :茶色

その他:七英雄の一人”影“のユキタダの末裔。

    幼馴染のリスティスと付き合い同棲し、

    心も身体も完全に堕とし支配していた。

――――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ