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あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 3.成長期編
22/52

Episode 22.叔母のせいで一族崩壊の危機です。


 男にうつつを抜かし過ぎて育児放棄気味のリスティスに代わり、アルリスとアヴィルグと遊んであげた日々もいい思い出です。

 私が、リスティスの養子になる旨を伝えに行ったあの日からもう、四年の月日が経ちました。

 結局あの日は、夜になっても出てこず…私も二人と遊び疲れたので、ひいお祖父様に伝えて家に帰りました。


 今では私も十五歳になり、来年の春に中等部を卒業して高等部へ進学します。

 あれから、魔人の活動は殆ど見られず、現れたとしても下級の魔人でした。


 レスティアお母様はと言うと、お父様と離縁しリーズランデ家…と言いますか寮の部屋にシェンティと共に、私の身の世話をしております。

 中等部以上になると付きメイドを二名まで増やせるという事で、レスティアお母様からの強い志願もあり…メイドとして側に置くことになりました。


 リスティスという敬称を略した呼称にしたのには理由があります。


 まず一つ目は、リーズランデ家にレスティアお母様が戻ったのを機に、私はレスティアお母様の長女として戸籍を戻したのです。


 「アルシェ姉様(ねぇさま)!!何ボケーっとしてるんですか?」


 そうでした。

 私の部屋にはあと一人、小等部の下級生も同居しておりました。


 「ああ…アルリス。朝くらいそっとしてて…。」


 「レスティア母様(かあさま)酷くないですか??」


 早朝も早朝…空が白んできたくらいです…。

 おちおち一人で物思いに耽る事もままなりません。


 「じゃあ私がアルリスの相手してあげますねー?」


 そう言って、お母様はアルリスの話し相手を始めてくれました。

 最近は色々あって…私も色んな意味で疲れたのです。



 ――――



 話の腰が折れてしまいましたが、二つ目については少し話が長くなります。


 リスティスは男に流されやすいのか、リーズランデ家の様子がつい最近までおかしくなっていました。


 まず、今年六歳になったアヴィルグがウェイン・ミレィナ英雄学院へ入学する事になったのですが、通常は家からの通学となるのですが、寮に入れようとしていました。

 それに関連して、リスティスはここ四年近くアヴィルグの面倒を見ようとしませんでした。


 原因は…私の誕生日にリスティスに告白した、幼馴染のイチオでした。

 イチオの手練手管で、リスティスは身も心も染められてしまい、言いなりになっておりました。

 いつの間にか、リーズランデ家に居座り自警団のお勤めにも行かなくなりました。


 リーズランデ家は…未だアーシェを慕う方々からのお布施や寄付、ひいお祖父様が確立させた貿易業で金銭面は賄われております。

 働かなくていいなんて事は決してありません。


 勘違い男がリスティスを利用して…居座っていたせいで、リーズランデ家の風通しが悪くなりつつありました。



 ――――



 私はアヴィルグの様子を伺いにシェンティとリーズランデ家を訪れました。

 流石にシェンティが訪れたとあって、使用人達が出迎えてくれたのですが、数が減っておりました。

 しかも…いつも直ぐに出迎えてくれるひいお祖父様や、お祖父様、お祖母様の姿が、家のどこにもありませんでした。

 シェンティが執事に聞くと、リスティスと折り合いがつかず普段避暑地に使っている、別宅に半分の使用人を連れて出てしまったそうでした。


 ――ドガアアアアアアアアンッ!!

 ――ガラガラガラガラ…。


 当主の部屋の扉が施錠されていた為、シェンティが一瞬にして外の扉ごと執務室を吹き飛ばしました。


 「リステイイイイイイイイス!!出てこい!!」


 普段、多少の問題でも笑って見過ごすくらいになっていたシェンティが昔のように粗暴に声を張り上げました。


 ――シュンッ!!


 こちらに何か刃物のような物が飛んで来て、私の腕をかすめたのです。


 「いたっ…。」


 「アルシェ様!!血が…。」


 腕から鮮血が滴り落ちてきています。

 すると、誰かが後ろから私に駆け寄ってきました。


 「アルシェおねえちゃん…だいじょぶ?うできれてるよ…?」


 声の主はアヴィルグでした。

 どこかで一人で遊んでいたのでしょう。

 一つ間違えばアヴィルグにも当たっていた所でした。


 「そうだ、アヴィルグ?お姉ちゃんが良いもの見せてあげるからね?よーく見てて?」


 「アルシェ様…私が…。」


 私はシェンティに首を横に大きく振りました。

 アビスディストピアの主人たるもの、非武装の客人に刃物を当てる輩は言語道断、ましてや英雄の末裔とは聞いて呆れます。

 正に、リーズランデ家に蔓延る悪を成敗する、いい大義名分が立ちました。


 「『変身』!!」


 私の身体が一瞬闇に包まれました。


 「アルシェおねえちゃん?」


 次の瞬間、闇は身体に取り込まれると…アヴィルグとシェンティの目の前に再び姿を現しました。


 「さいやくのこあくま?!」


 アヴィルグが何故か私の二つ名を叫んだのです。

 この世界で、この姿の私をその二つ名の悪魔だと知っているのは、アーシェくらいのはずです。


 「お前さん…私の事知ってんのかい?」


 「うん…。しってる。」


 とりあえず、詳しい話は事が片付いた後で聞こうと思いました。


 「アヴィルグは偉い子だから、アーシェとあっち行ってな?」


 「うん!!アヴィレネーナがんばれ!!」


 アーシェに連れられて去り際に確かにそうアヴィルグは言ったのです。

 絶対に…私と出会った事のある人物なんだと確信しました。


 「イチオ!!あなたを、我ら…アビスディストピアの名の下に…成敗します!!」


 私は声高らかに当主の部屋の寝室に向かい宣言しました。


 ――ブゥンッ!!


 「遅い。」


 ――スッ!


 瞬間移動したイチオが声を出さず、暗器で攻撃してきましたが…私も瞬間移動しましたが速度が違い過ぎました。


 「カラミティデモネズ・フリィィィィズ!!」


 ――カキッ!!


 私は魔法『深淵の冷気』を腕全体に纏わせて、イチオを殴りました。

 深淵から吹く冷気を受けたイチオは、一瞬にして細胞までカチコチに冷凍されました。


 「さて。」


 ――スッ!


 「こい。」


 ――スッ!


 「アヴィルグに…謝って下さい。」


 ――ドサッ!!


 私は、瞬間移動すると、寝室のベッドの上で裸で横たわっていた、リスティスを掴み、瞬間移動してアヴィルグの前に落としました。

 丁度アーシェは私と入れ替わりで、冷凍されたイチオをリーズランデ家の外へ放り捨てに空間転移した所でした。


 「あ…あなたは誰ですか!!私はリーズランデ家の当主ですよ!!無礼です!!イチオ様?どこにいらっしゃるのですか??」


 リスティスが私に向かって最初は凄んで居ましたが、直ぐに男の名前を呼ぶ姿が…物凄く滑稽でとても哀れでした。

 以前のような私と一緒に暮らしていた頃の…リスティス叔母様の威厳は微塵も感じられませんでした。


 ――ビュンッ!!


 「あらあら?子孫じゃないかい?みっともない格好してんじゃないよ!!」


 シェンティが私達の前に瞬間移動してきました。


 「アーシェ様!!私とイチオ様に対して…無礼な者が!!」


 私に向かい、リスティスが意気揚々と指をさしました。


 「お前。誰に向かって指さしてるか分かってるんだろうね?このお方は、私の師匠の”災厄の小悪魔“アヴィレネーナ様だぞ?私が数人いても敵わん相手だからね?」


 悪魔の魔力はリーズランデの家の者なら分かるはず…と思いましたが、イチオに不意打ちされたので魔力を解放するのをすっかり忘れていました。


 「ひ…ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」


 私が魔力を解放すると、額から一対の悪魔の角が生え、背中には漆黒の翼が生えました。

 翼は今までの変身時には無かった兆候でした。

 このまま成長すれば、尻尾も生えるかもしれません。


 「障壁…張り忘れてたので…今、家全体囲みました!!」


 その時でした。

 何かの咆哮がイチオをアーシェが捨てた外から聞こえました。

――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=リーズランデ

年齢 :15歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :フィルネルス女学院中等部

魔力量:309

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の主人。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :最古級悪魔

職業 :裏の英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル、カラミティデモネズ・シリーズ

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    アルシェの魔力量で容姿・年齢が変化。

    露出の極めて多い際どい衣装を着用。

    アルシェの変身魔法で10分変身可能。

    次に変身可能になるまで4.5時間必要。

――――

名前 :レスティア=リーズランデ

年齢 :43歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :アルシェの付きメイド

魔力量:330

魔法 :初級魔法全般

スキル:癒し手スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :セミロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    アルシェ含む三児の母。

――――

名前 :リスティス=リーズランデ

年齢 :38歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :リーズランデ家当主

魔力量:369

魔法 :中級魔法全般

スキル:剣士スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    元国の騎士団所属の魔法剣士。

    アルシェの叔母(母の妹)。

    アルリス、アヴィルグの母で未亡人。

    幼馴染のイチオと恋仲。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、異世界転移してきた。

    魔神討伐後、自らの呪いで眠っていた。

    真名はアーシェンテア。

    “悪魔”のアーシェ時代、

    アヴィレネーナから盗んだ衣装を着用。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の秘書。

――――

名前 :アルリス=リーズランデ

年齢 :9歳

性別 :女

種族 :人間(スライムとの混血)

職業 :フィルネルス女学院小等部

魔力量:90

魔法 :変身魔法、その他不明

スキル:不明

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ボブ(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    リスティスの実子。

――――

名前 :アヴィルグ=リーズランデ

年齢 :6歳

性別 :男

種族 :人間(スライムとの混血)

職業 :ウェイン・ミレィナ英雄学院

魔力量:60

魔法 :変身魔法、その他不明

スキル:不明

肌  :白

髪  :短髪(金色)

目  :真紅

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    リスティスの実子。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :イチオ・サノ

性別 :男

その他:七英雄の一人”影“のユキタダの末裔。

    リスティスの幼馴染で恋仲。

    地元アルディスの自警団の団員。

――――

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