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あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 2.少女期編
19/52

Episode 19.叔母様の赤裸々な告白に涙するのです。


 デルジェイム家の中では、今も尚…私は悪魔憑きとして扱われているのでしょうか。


 「イチオさん、初めてその話知りました。でも、ありがとうございます。」


 「えっ…!?マズい事言ってしまったでしょうか…?」


 私だけが、英雄学院に入れてもらえないのもそれ故なのかも知れません。


 「そんなの酷くないですか?アルシェは自覚あったのかな?」


 珍しくフィーナの言葉は熱を帯びています。


 「ううん。女だから…家での扱いが低いのかと思ってた。悪魔憑きかぁ…アーシェの血を引く家系の女を嫁に貰えば、女だって産まれるの分かってるだろうにさ?」


 家の中では蔑ろにしておいて、友好にしたい家に私を嫁がせるつもりなのでしょう。

 だから私は、早くあの家から出て行きたいのです…。


 「アルシェ様?我がリーズランデ家の養子になれば、そんな問題解決ですよ?」


 私の気持ちを汲んでなのか、最もらしい事をシェンティが言いました。


 「お話の途中でゴメンね?そろそろ…中入らない?」


 収拾のつかないこの場に、イオリスが割り込んできてくれました。


 「確かにそうだよね!ありがとうね?イオリス。」


 ――リーン!リーン!


 私は玄関の扉にある呼び鈴を鳴らしました。


 「どちら様でしょうか?」


 「アルシェです。」


 先程一緒に買い物に行ったメイドの一人の方の声でした。


 「鍵を開けますね?お入りください!」


 ――ガチャッ!ガチャッ!


 鍵の開く音がしました。


 ――ギィィィィッ!


 「どうぞ?あら!お連れの方もご一緒でしたのね?」


 「はい。級友二人と、外で偶然鉢合わせしました、リスティスお母様の幼馴染の方です。」


 対応しているメイドの方が、イチオさんを見るなり微笑み始めました。


 「イチオ、そんな格好して。リスティスに逢いに来たの?」


 「おう。凄く久しぶりに…リスティスに逢いに来た。」


 目の前で、メイドの方とイチオさんが凄く親しげに話しています。


 「イチオさん?メイドさんとはお知り合い?」


 「はい。リスティスとアイフィスと僕は幼馴染なのです。リスティスとアイフィスは従姉妹同士で…」


 イチオさんがそう言いかけた時でした。


 「アルシェ?お帰りなさい!あら?お友達もご一緒に…え!?イーリス?!」


 リスティスお母様が玄関のホールが騒がしかったからか、何事か見に出てきたようなのですが、急に驚きの声をあげたのです。


 「リスティス様、お初にお目にかかります。イーリス・ケルティリズの娘イオリスと申します。」


 「イーリスの娘さんなのですね…あまりに似ていてびっくりしました…。お母様はお元気にされておりますか?」


 私とフィーナは…この流れはヤバいと思わず目を見合わせました。


 「国の騎士団の”便器“から解放されて今は穏やかに過ごしておられます。リスティス様も”便器“から解放されて如何お過ごしですか?」


 「…。」


 イオリスの言葉に…リスティスお母様は言葉を失い、俯いてしまいました。


 「リスティス…?”便器“って…あなた!!まさか??」


 メイドのアイフィスさんが、俯いて何も喋ろうともしないリスティスお母様を問い正しました。


 「子供以外…食堂へ皆さんを集めて頂けますか…。」


 リスティスお母様が重い口を開きました。



 ――――



 私達三人、イチオさん、親類の執事・メイド達、ひいお祖父様、祖父様、祖母様、が食堂に集められました。

 アルリスとアヴィルグは、親類でないメイドさんが面倒を見る事になりました。


 「皆さんに…言っておかなければならない事があります…。」


 リスティスお母様が、リーズランデ家に居る親類に対して話を始めました。


 「私が、国の騎士団に所属していたのは皆、ご存知だと思います。ですが、騎士団に赴いた際に告げられたのは“便器”としての入隊だったのです。所属の小隊に配属され、休日以外は就寝時間以外“便器”としての任務を遂行するのです。戦地にも小隊に同行し、“便器”として任務を遂行しました。装備は剣と盾と靴が与えられており、いつでもどこでも任務を遂行出来るよう心がけておりました。」


 リスティスお母様は淡々と他人事のような虚な目で話をしておりました。

 リスティスお母様が国の騎士団時代に置かれていた、“便器”と言うあまりにも酷い境遇に…涙する人も出始めていました。


 「私は心を強く持ち…国の騎士団に所属させて頂いているという気持ちだけを胸に、くる日もくる日も“便器”として任務を遂行し続けておりました。その日々の中で、同時期に”便器“として入隊した名家の女子達が、一人また一人と名誉除隊していったのです。一人名誉除隊されると新たにまた一人入隊してくるのです。私の居た小隊だけは、私が除隊するまでの約五年の間、”便器“の入隊者はありませんでした。」


 名誉除隊とは恐らく…“便器”の任務で起きうる妊娠が関係するのでしょう。

 リスティスお母様は、騎士団に居る時にユーレと出逢えた事で、一時的にユーレの一部が体内に居たおかげで妊娠しない身体になっていました。

 そのため、私の乳母になる為に辞める際、名誉除隊にはならず除隊となったのだと思います。


 「今まで、”便器“であった事を、正直に言えず申し訳ございませんでした。」


 リスティスお母様は、虚な目のまま皆の前でそう言って締め括りました。


 「リスティス!!」


 イチオさんの声が食堂に響きました。


 「イチオ…なのですか?」


 「僕と、友人関係を終わりにして欲しい!!」


 この状況でリスティスお母様を追い込みかねない事を、イチオさんは言い出しました。


 「え…。どうして…?」


 「いい加減…僕のことを友人ではなく、一人の男として見て欲しいんだ!!リスティス!!君の事が好きだ!!」


 そう言って、リスティスお母様の前にイチオさんは瞬間移動すると、花束を差し出しました。

 結構…イチオさんはロマンチストなお方だっただけのようです。

 異世界からの転移者の子孫という事なので、考え方が違うのでしょうね。


 「イチオ?私…五年も使い込まれた“便器”なんだよ…?しかも、魔物とも…」


 「しっ…。僕はリスティスが好きだ。幼い頃からずっと好きだ。だからリスティス…これからはキミの側で共に歩きたいのだ。だから、付き合って欲しい。そして、僕を見極めてくれ。」


 イチオさんはリスティスお母様の唇に指を当てました。

 リスティスお母様のことを昔から想っていたのかが、イチオさんのその言葉から伝わって来ました。


 リスティスお母様は、英雄候補になる事が夢だったので、イチオさんは友人としてしか見ていなかったのでしょう。

 今は、リスティスお母様は…女として母として生き始めているので、今しかない思ったのかも知れません。


 食堂に居る皆んな…リスティスお母様の返事を固唾を飲んで見守っています。


 「宜しくお願いします…。」


 ――パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ


 リスティスお母様の返事の後、食堂がわっと湧きました。


 ――チュッ


 リスティスお母様がイチオさんの唇を唇で塞ぐと…二人は暫くそのまま口付けし合っておりました。



 ――――



 その場で、ひいお祖父様からリスティスお母様の騎士団での“便器”の件は、口外しない誓約書を一人ずつ書かされる事になりました。


 いつの間にか、リスティスお母様とイチオさんの姿が居なくなっていたので、二人の気分が盛り上がってしまって、楽しまれに行かれたんだと察しました。


 気づけば、フィーナとイオリスの興味は、シェンティことアーシェに移っていました。


 「アーシェ様!!明日から毎日お部屋お伺いします!!」


 「何をイオリスは言ってるのですか?私が伺うのですよ??」


 今日は何をしにリーズランデ家に呼ばれたのか、よく分からなくなってきてしまいました。

 とりあえず、リスティスお母様が戻られて来るまで、待つ事に決めました。


――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=デルジェイム

年齢 :11歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :フィルネルス女学院小等部

魔力量:251

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の主人。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :最古級悪魔

職業 :裏の英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル、カラミティデモネズ・シリーズ

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    アルシェの魔力量で容姿・年齢が変化。

    露出の極めて多い際どい衣装を着用。

    アルシェの変身魔法で10分変身可能。

    次に変身可能になるまで5時間必要。

――――

名前 :リスティス=リーズランデ

年齢 :34歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :リーズランデ家当主

魔力量:333

魔法 :中級魔法全般

スキル:剣士スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    元国の騎士団所属の魔法剣士。

    アルシェの叔母(母の妹)。

    グラマラス&スレンダー。

    アルリス、アヴィルグの母で未亡人。

    幼馴染のイチオと恋仲。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、異世界転移してきた。

    魔神討伐後、自らの呪いで眠っていた。

    真名はアーシェンテア。

    “悪魔”のアーシェ時代、

    アヴィレネーナから盗んだ衣装を着用。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の秘書。

――――

名前 :アルリス=リーズランデ

年齢 :5歳

性別 :女

種族 :人間(スライムとの混血)

職業 :なし

魔力量:50

魔法 :変身魔法、その他不明

スキル:不明

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ボブ(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    リスティスの実子。

――――

名前 :アヴィルグ=リーズランデ

年齢 :2歳

性別 :男

種族 :人間(スライムとの混血)

職業 :なし

魔力量:不明

魔法 :変身魔法、その他不明

スキル:不明

肌  :白

髪  :短髪(金色)

目  :真紅

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    リスティスの実子。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :フィーナ=フェルドルグ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

    七英雄の一人”癒し風“のフィルネルスの末裔。

――――

名前 :イオリス・ケルティリズ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

    分厚いレンズの眼鏡が特徴的。

――――

名前 :イチオ・サノ

性別 :男

その他:七英雄の一人”影“のユキタダの末裔。

    リスティスの幼馴染で恋仲。

    地元アルディスの自警団の団員。

――――

この話の過去の登場人物

――――

名前 :フィルネルス=リーズランデ

性別 :女

その他:七英雄の一人”癒し風“のフィルネルス。

    アーシェの義妹。

    フィルネルス女学院創立者。

――――

名前 :ユキタダ=サノ

性別 :男

その他:七英雄の一人”影“のユキタダ。

    アーシェ同様、異世界転移者。

    独特な暗器を使い、

    暗殺や隠密、諜報活動を得意とした。

――――

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