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あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 2.少女期編
18/52

Episode 18.誕生日の夜は色々起きるものです。


 私の誕生日会も無事終わり、シェンティが片付けの為私の側を離れました。

 すかさず…級友四人が食堂から、私を玄関へ押し込みました。

 すると、私を押さえつけ…性的なアプローチをしてきたのです。


 「私達の…誰と今日、寝てくれるの??」


 かなり積極的なようですが、私にはシェンティも居りますし…間に合っています。


 「ちょ…ちょっと…。これから、私リスティス叔母様の家に呼ばれてるんだよ。皆んなも一緒に来る?」


 この状況をどうにかするには…これくらいしかありませんでした。


 「リスティス様って国の騎士団にいたんでしょ?しかも、アルシェにそっくりだよねー!!抱かれたい…。」


 何故かミリーズがリスティスお母様のこと知っていたのです。


 「私、本当の事知ってるよ?リスティス様、国の騎士団で“便器”だったの。折角、英雄学院で頑張ってたみたいけど、そんな未来って辛いよね。」


 イオリスはどこからその話を聞いたのでしょうか…。

 その場にいたイオリスと私を除く三人は、静かになってしまいました。


 「イオリスは…その話、どこで聞いたの?」


 「私のお母様からだよ?同期で“便器”仲間だったって…。だからね?お母様は私のこと英雄学院には…絶対入れないって。」


 イオリスには母親しか居ないことは聞いておりました。

 恐らくですが、イオリスの母親が“便器”時代に出来た子なのかも知れません。


 「多分…リスティス叔母様の過去のことは…騎士団に居た人以外は知らないから、今の話…ここに居る五人だけの秘密にしてくれないかな?お願い…。」


 私は…大好きなリスティス叔母様の過去の話を他にされるのが嫌だったので、四人の前で頭を下げました。


 「アルシェ…次第かな?」


 シェルナがそう口を開いたのには驚きました。

 ですが…話の流れ的には言って来ると思っていました。


 「アルシェが…私達の…私達だけの…アルシェになって欲しいの…。」


 そう言ってきたのは…イオリスでした。

 私を追い込むには…リスティス叔母様の過去は良い囮だったのかも知れません。


 「本当に誰にも言わない?約束する?」


 「アルシェを失いたくないもん!!言わない!!」


 言っておきますが…これが十一歳の女子学生の会話と思うと怖いです。

 相手の弱みに漬け込んで…堕としにかかってくるのですから。


 「おほん!!可憐な少女達?一線だけは越えちゃいけませんよ?」


 いつの間にかシェンティが扉越しに話を聞いていたようです。

 リスティスお母様の過去の件、シェンティには教えてなかったので…後で呼び出し食らいそうです。


 「じゃあ、言わないって…約束して?」


 そう言って私は、四人の唇へ順にそっと口づけしてあげました。


 「おほんっ!今からアルシェ様とリーズランデ家に同行されたい方は?」


 シェンティが私が最後の一人に口づけが終わるのを見届けて、そう問いかけました。

 手を挙げたのは、フィーナとイオリスだけでした。

 シェルナとミリーズは夜なので今回は遠慮しておくとの事で、部屋を出て行きました。


 「では、参りましょう。」


 そう言うとシェンティは、空間転送の門を玄関に出しました。


 「え!?これは…。」


 「知らないのですか?魔法の『空間転送』ですよ?」


 恐らくですが、この世界でこんな魔法を使えるのは…“悪魔”のアーシェくらいです。

 私は元の姿に変身すれば可能ですが、この身体では魔力量が足りず使えません。


 「いえ…。この魔法は…アーシェ様しか使えないと学院で教わりましたが…。」


 「私を誰だと思っているのですか?これでも…リーズランデ家の人間ですよ?」


 フィーナにそう言われ、シェンティは一瞬ヤバいと言う表情になりましたが、咄嗟にリーズランデ家の名前を出しました。


 「そうだったのですか!?失礼いたしました…。ご親戚だとは露知らずご無礼な態度を…。」


 シェンティは普段からメイドの帽子を被り、眼鏡をかけているのでリーズランデ家の人間とは分かりづらいかも知れません。


 「これならどうでしょうか?アーシェ様に似てると言われるのですが…。」


 そう言って、シェンティはメイドの帽子と眼鏡を外すと、私達に見せてきました。


 「…。」


 フィーナとイオリスはシェンティを見て思わず息を飲みました。


 「アーシェ様…ですね?」


 「アーシェ様です。」


 二人の口から出た言葉はその言葉でした。


 「私はシェンティ=リーズランデ。アルシェ様にお仕えするメイドです。」


 慌ててメイドの帽子と眼鏡を付け直し、そう返しました。


 「残念ながら、アーシェ様と全てが一致する末裔は…未だ一人も居ないはずなのです…。」


 フィーナがそう切り出しました。


 「すまんが、門を開けたままは危ないのだ。お前さん達、早く行ってくれんか?」


 シェンティは観念したように、いつものアーシェの口調になりました。


 「やっぱり!!アーシェ様なんですね!!」


 そう言いながら、フィーナが先に門を潜って行きました。


 「わ…私…アーシェ様…す…好きなんです。」


 イオリスもそんな事言いながら門の向こうへと行きました。


 「シェンティ?あの二人にバレたけど…どうするの?」


 「最悪は…記憶を弄るしか無いですよね…。消すのはマズいですよね?」


 危ない事をシェンティは、また言い始めました。

 ユーレの前例があるので本当に笑えません。


 「リスティスお母様と相談して決めようか?」


 シェンティの手を取って二人で門を進みました。



 ――――



 門を潜ると、ちょうどリーズランデ家の玄関前でした。

 先に門を潜ったフィーナとイオリスが、辺りをキョロキョロと見渡しながら私達が来るのを待っていました。

 流石に夜ですので、灯りのある玄関前以外辺りは一面暗闇でした。


 「フィーナとイオリス?色々な話は、家の中でしよう。」


 「そこにおるのは誰じゃ!!」


 私が話をしていると、シェンティが急に暗闇の方に向かって声を荒らげました。


 「バレちゃいましたか。スミマセン。」


 暗闇から花束を抱えフォーマルスーツで正装した、一人の男性が姿を現しました。


 「お?お前さん…“影”のユキタダ=サノに似ておるな?そして、リスティスにでも用があるのだろう?」


 「この凄まじい魔力にして…そのお顔立ち…。アーシェ様が甦られたとは本当だったのですね?申し遅れました…イチオ=サノと申します。ご明察の通りユキタダの子孫でございます。」


 “影”のユキタダと言えば、アーシェと同様に異世界から転移してきた別世界の暗殺者にして、七英雄の一人です。

 よく考えてみたら…最近、シェンティは魔力がダダ漏れなのかもしれません。

 シェンティが怖いと言われるのは、凄まじい魔力で覆われてるからだけなのでは…そう思い始めました。


 「ん?魔力だと!?こうか??」


 「はい、ごく普通の淑女にしか見えなくなりました。」


 やはり…それににしても、人間で魔力が見えるのは凄いことです。


 「流石じゃ!ユキタダの子孫に偽りは無いな。にして、リスティスとはどう言う間柄なのじゃ?」


 「リスティスとは家が近所で…幼馴染でございます。よく見れば…団長の娘さんですよね?」


 リスティスお母様の幼馴染が…求婚しに来たのでしょうか。

 しかも、この口ぶり…お父様の自警団の団員ぽい気がします。


 「はい。アルシェ=デルジェイムと申します。叔母のリスティスは五歳まで私の乳母をしておりました。」


 「団長から、うちの娘は悪魔憑きだから絶対相手にするな!と強く言われておりまして…。」


 私をお母様ではなく叔母様に育てさせており、極力家族との接触を避けさせられていたのは、そう言う理由だったと言う事を…今ここで知ったのでした。


――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=デルジェイム

年齢 :11歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :フィルネルス女学院小等部

魔力量:251

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の主人。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :最古級悪魔

職業 :裏の英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル、カラミティデモネズ・シリーズ

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    アルシェの魔力量で容姿・年齢が変化。

    露出の極めて多い際どい衣装を着用。

    アルシェの変身魔法で10分変身可能。

    次に変身可能になるまで5時間必要。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、異世界転移してきた。

    魔神討伐後、自らの呪いで眠っていた。

    真名はアーシェンテア。

    “悪魔”のアーシェ時代、

    アヴィレネーナから盗んだ衣装を着用。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の秘書。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :シェルナ・リドゥレ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

――――

名前 :ミリーズ・レルモンズ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

――――

名前 :フィーナ=フェルドルグ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

    七英雄の一人”癒し風“のフィルネルスの末裔。

――――

名前 :イオリス・ケルティリズ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

    分厚いレンズの眼鏡が特徴的。

――――

名前 :イチオ・サノ

性別 :男

その他:七英雄の一人”影“のユキタダの末裔。

    リスティスの幼馴染。

    地元アルディスの自警団の団員。

――――

この話の過去の登場人物

――――

名前 :フィルネルス=リーズランデ

性別 :女

その他:七英雄の一人”癒し風“のフィルネルス。

    アーシェの義妹。

    フィルネルス女学院創立者。

――――

名前 :ユキタダ=サノ

性別 :男

その他:七英雄の一人”影“のユキタダ。

    アーシェ同様、異世界転移者。

    独特な暗器を使い、

    暗殺や隠密、諜報活動を得意とした。

――――

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