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あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 2.少女期編
17/52

Episode 17.これから私の誕生日会なのです。


 魔人によるフェルドルグの街への襲撃により…約二十名もの尊い命が奪われました。

 約と言っているのは人間と特定できた遺体の一部が…二十に点在していたからだけなのです。

 私が、死者の霊を呼べば特定出来ると思いますが、古の魔法なので今この世界で扱えるのは…禁忌を犯した死霊遣い等の所謂悪役…魔人だけなのです。


 魔人の情報収集をしていたらすっかり夕方になっていて、側に居たはずシェンティも先に帰ったようで、少し辺りを探したのですが居りませんでした。


 「先帰るなら言ってよ…。『空間転移』!!」


 ――ビュンッ!


 歩いて帰ると時間かかりそうなので、私も『空間転移』を使い寮の自分の部屋に戻る事にしたのです。


 ――スタッ!


 部屋に『空間転移』すると、シェンティが仁王立ちで待ち構えておりました。


 「シェンティ?先に帰るなら教えてよ…もう!探したんだから!!」


 シェンティに先手を打ちました。


 「はぁ…。アルシェ様…私、お声掛けしたのですよ?返事もされてました。」


 シェンティは深いため息の後、私に落ち着いた声でそう言いました。


 「シェンティ、ゴメン…。またやっちゃった…。」


 「仕方のないご主人様です。そう言えば…子孫達を家に送った時に、夜遅くなっても良いので、リーズランデの家に来て下さい。と伝えて下さいと言っておりました。」


 リスティス叔母様改めお母様の事です、アルリスやアヴィルグ交えて誕生日をお祝いしてくれるのかも知れません。


 「じゃあ、級友達の方は早めに終わらせよっか?」


 「アルシェ様?そう言う不義理な事はダメですよ?遅くなりそうなら、一緒に連れていってしまえば良いじゃないですか?」


 シェンティはそう言う義理堅い所も実はあります。

 アルリスとアヴィルグの事を考えると遅くても夜中になるまでには、リーズランデ家に行きたいです。


 ――リン!リンリン!!


 部屋の入り口の扉の呼び鈴の鳴る音が聞こえました。


 「来ちゃった!?シェンティどうしよう?」


 「もうっ!食堂ご覧下さい!!」


 ――ギィッ…


 私が転移して来た部屋は書斎兼勉強部屋だったので、言われた通り部屋の扉を開けてみました。


 「わぁ!?凄い!!これ…皆んなで用意してくれたの?」


 「はい。私が、アルシェ様の元から部屋に戻りましたら…子孫達が料理や配膳、お部屋の準備までやってくれていました。子孫達に感謝してくださいね?」


 シェンティが手伝わせたはずなのに、結局私が指示したような感じになってしまいました。


 「後で、リーズランデの家行った時にお礼言っておくよ。」


 「はい、是非そうして下さい。それより、級友をお外に待たせている様ですが宜しいのですか?」


 何か、シェンティは今日はご機嫌ななめのようで、私に何かにつけて当たってくる気がしました。

 私は急いで玄関の扉の鍵を開けました。


 ――ギィッ…


 扉を内側へ開けると、そこにはいつもの女子四人衆が立って待っていました。


 「待たせちゃって…皆んなゴメンね?どうぞ?」


 とりあえずこう言っておけば、この子達はどうにでもなります。


 「お、お邪魔します…。」


 シェルナが今日はやけに緊張した面持ちで、まず玄関の中に入って来ました。

 珍しく、髪も結ってあり可愛らしい他所行きと思われるドレスも着ています。


 「お邪魔しまーす!!」


 続いて…こちらも綺麗な色のドレスを着ており、一見して誰か分からなかったのですが、イオリスっぽい顔立ちの子が入って来ました。


 「あれ?イオリス…だよね??眼鏡はどうしたの?」


 「実は…あのレンズには度が入っていないの…。」


 私は思わず言葉を失いました…。

 しかもです、何故…私の誕生日会の日に…そんな告白をするのでしょうか…。


 「どう…かな?」


 この子達は…私の事が性的に好きなのは薄々気づいているのですが…まだ十一歳なのに大人びた考えなのだなと思いました。


 「もう!!イオリス?早く奥に行きなさいよー!!失礼しました…。お邪魔します。」


 イオリスを急かして扉から姿を見せたのは、ミリーズでした。

 ミリーズは制服のままでやって来たようですが、いつもより少し大人びた着こなしでした。


 「もう…はこっちの台詞!!いきなりもめないでよね?ミリーズ??」


 「はーい…。ごめんなさい。」


 少ししょぼくれながら奥の食堂へと進んで行きました。


 「全く…あなた達!!二人の英雄の子孫の部屋なのよ?少しで良いから礼儀正しくしなさいよ?ねぇ?アルシェはそう思うでしょ?」


 フィーナがなかなか良い事言ったのですが、もう誰も玄関には居ませんでした。


 「ありがとうね?フィーナ。実は、この後にリーズランデ家に呼ばれてるんだけど一緒にどうかな?」


 リスティスお母様に会いたがっていたので、フィーナには一番に声をかけてみました。


 「えっ!?夜分遅くなりますが…ご一緒にお伺いしても宜しいのですか?」


 「うん。フィーナは私の遠い親戚だし。逆にリーズランデ家に来た事なかったのがビックリだよ。」


 フィーナが遠慮しないような返事に心がけてみました。

 恐らく、ご両親は来た事があるんじゃないかなとは思います。


 「先代の当主代行のウッドヴェル様には、小さな頃お目にかかった事があるのですが、リスティス様には未だお目にかかった事がなく…。」


 ひいお祖父様にも会い、リーズランデ家にも来た事があると言う事でしたが、確かにリスティスお母様は、英雄学院から国の騎士団、その足でデルジェイム家でした。

 フィーナがリーズランデ家を訪れた幼少期には、リスティスお母様はデルジェイム家から殆ど出して貰えていなかった時期なので、見た事なくて当然かも知れません。


 「おほんっ!!」


 シェンティが咳払いをしました。


 「フィーナ?立ち話もあれだし、さぁ奥の食堂へ行こうか。」


 そう言って私とフィーナは、玄関の次にある食堂へと入りました。



 ――――



 「アルシェ離れて!!」


 「ずるい!!フィーナばっかり、アルシェの側に居て!!」


 フィーナ離れて歩きなさいよ!!」


 急かされたとは言え、フィーナと一緒に食堂に入ったのは失敗でした。

 フィーナを除く三人からの言葉の集中砲火がありました。


 ――パン!パンッ!


 「今日の主役がどなたかご存知でらっしゃいますか?お嬢様方。」


 シェンティが手を二回叩くと部屋が静まり返りました。

 級友界隈で、アルシェの付きメイドは怒ると悪魔みたいと噂が立っています。

 確かに悪魔という言葉に間違いはないと思います。

 シェンティは、七英雄の一人“悪魔”のアーシェ本人ですし、本物の悪魔なのですから。


 「それでは、只今からアルシェ様のお誕生日会を始めさせて頂きますね?」


 シェンティの仕切りで誕生日会が始まりました。


 「それでは、お手元のぶどうジュースの杯をお手に持ちいただいて宜しいですか?アルシェ様のお誕生日を祝して…『乾杯』!」


 食堂の食卓の上に人数分置かれた杯にぶどうジュースが注がれて置かれておりました。

 それを手に持ち天に掲げた後、杯に口をつけました。



 ――――



 最初はシェンティの介入でピリついた空気でしたが、いざ始まってしまうと…学級で昼食を摂る時のように和やかな空気で誕生日会は進んで行きました。


 「さて、それではアルシェ様のお誕生日の焼き卵菓子ご用意しました。燭台の蝋燭に火を灯していただけますか?」


 この世界では生まれた時に専用の燭台が用意され、燭台の蝋燭に火を灯し、今年もまた燭台の蝋燭が灯せたと祝うのです。


 「では…『火』!!」


 ――ポッ!


 私は魔法を使い右の指先から可愛らしい火を出して、蝋燭を灯しました。


 「わぁ!!アルシェ…そんな魔法使えたの?!」


 「これでも、偉大なアーシェ様の直系の子孫だからね?」


 シェンティの目の前で軽く褒めてみました。


 「おほんっ!!アルシェ様、お誕生日おめでとうございます!!」


 照れ隠しなのか、シェンティは誕生日会の進行を遂行させました。


 そして、その後四人から誕生日の贈り物を受け取り、私の十一歳の誕生日会は幕を下ろしました。


――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=デルジェイム

年齢 :11歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :フィルネルス女学院小等部

魔力量:251

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の主人。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :最古級悪魔

職業 :裏の英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル、カラミティデモネズ・シリーズ

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    アルシェの魔力量で容姿・年齢が変化。

    露出の極めて多い際どい衣装を着用。

    アルシェの変身魔法で10分変身可能。

    次に変身可能になるまで5時間必要。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :英雄

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、異世界転移してきた。

    魔神討伐後、自らの呪いで眠っていた。

    真名はアーシェンテア。

    “悪魔”のアーシェ時代、

    アヴィレネーナから盗んだ衣装を着用。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

    裏の英雄組織“アビスディストピア”の秘書。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :シェルナ・リドゥレ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

――――

名前 :ミリーズ・レルモンズ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

――――

名前 :フィーナ=フェルドルグ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

    七英雄の一人”癒し風“のフィルネルスの末裔。

    アーシェ、アルシェ、リスティスの縁戚。

――――

名前 :イオリス・ケルティリズ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

    分厚いレンズの眼鏡が特徴的。

――――

この話の過去の登場人物

――――

名前 :フィルネルス=リーズランデ

性別 :女

その他:七英雄の一人”癒し風“のフィルネルス。

    アーシェの義妹。

    フィルネルス女学院創立者。

――――

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