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あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 2.少女期編
15/52

Episode 15.今夜は楽しい誕生日会の予定なのです。


 私はアルリスの手を引きながら、シェンティが出現させた空間転送の門を潜り抜けました。


 「アルシェおねえさま?ひと、いっぱい!!」


 「凄い人だよね。アルリスしっかり手を握っててね?」


 門を潜り抜けた先は、私の通う学院付近にある商店街の少し奥に入った場所でした。


 「では、子孫達!買うものは伝えたからな?後は宜しく頼んだ!!」


 シェンティを追って、私より先に門を潜って行った、リスティスお母様とメイド五人は、シェンティから買うものの指示を既にされた後のようでした。


 「シェンティ?私と、アルリスはどうしたら良いかな?」


 「可愛い子孫とアルシェ様は、私と一緒にいらして下さい。」


 そうシェンティに言われ、私はアルリスの手を握ってシェンティの後をついて歩き始めました。


 「アルシェ?!」


 「えっ?!こ…子供!?」


 「いやああああ!!」


 前の方から、級友達の悲鳴にも似た声が聞こえました。

 シェルナとミリーズ、そしてフィーナ=フェルドルグでした。

 フィーナはフィルネルス=リーズランデの末裔なので、アルシェの血ではない…本来のリーズランデ家の血を受け継ぐ者となります。


 「いやいやいや!!この子は、私の従姉妹だから!!」


 私は、彼女達の誤解を解こうと必死でした。


 「とか言って…隠し子ですよね…?」


 ボソッと私の耳元で囁くもう一人の声が聞こえました。

 こちらも級友のイオリス・ケルティリズでした。

 イオリスは分厚いレンズの眼鏡がとても特徴的です。


 恐らくこの四人が今日、私の家に来るのだと思います。


 「アルシェ様のご級友の方々、申し訳ございません。只今、リーズランデ家のご当主様達と用事の最中ですので、失礼させていただきます。」


 体良く、リーズランデ家の名前を出す辺り、本当にシェンティはちゃっかりしています。


 「リスティス様がこの商店街にいらしてるのですか?」


 シェンティは重大なミスを冒しました。

 そう、自分の夫の妹で、共に魔神と戦ったフィルネルスの子孫であるフィーナがいる事に…そう言われてから気がつきました。


 「はい、いらっしゃいます。少し、ご紹介させて頂きますと…アルシェ様のお隣にいらっしゃるのが、リスティス様のご息女様のアルリス様でございます。」


 シェンティがそう伝えると、フィーナは驚いたような表情を浮かべました。


 「失礼いたしました。次期当主アルリス様とご一緒だったとは露知らず。後ほど、お部屋へ皆んなでお伺いさせて頂きます。では、ご機嫌よう。」


 フィーナがそう言うと、四人は深々と頭を下げて寮の方向へ向かって歩いて行きました。


 「シェンティ?フィーナが居るの気付かなかった?」


 「はい…気づかなかったです。彼女は、私のツガイの妹フィルネルスの子孫ですものね…。リーズランデ家に連なるフェルドルグ家…。」


 シェンティが肩を落として落ち込んでしまいました。


 「アルシェおねえさま!いじめ、だめ!!」


 アルリスにはシェンティを私がいじめているように見えたのでしょう。

 シェンティの前にアルリスが立ち塞がりました。


 「アルリス?我は大丈夫だ!!ありがとうな?」


 シェンティにそう言われ…アルリスはキョトンとした表情になりました。


 「さて、さっきの所に戻ろっか?」


 こんな事してる間に、リスティスお母様達は用を済ませていそうなので、門から現れた場所まで戻る事にしました。



 ――――



 「アルシェおねえさま、だいすき!!」


 アルリスにさっきから数歩進む毎に大好きと言われています。

 門から出て来た、路地に商店街の大通りから入ろうかと思った時の事でした。


 「皆んな!!逃げろ!!魔人だ!!」


 男性達のそんな声が聞こえて来たのです。

 路地の向こうには…既にリスティスお母様達が、シェンティに頼まれた物を持って待っているのが見えました。


 「シェンティ?私、行ってくるから、アルリス達を部屋まで送って来てくれる?そしたら、戻って来て手伝って?出来るかな?」


 「はい!子孫どもを送って来たら、戻って来ます!!」


 そう言って私はアルリスをシェンティに預けると、駆け出しました。


 「『変身』!!」


 一瞬私は闇に包まれると、“災厄の小悪魔”アヴィレネーナの姿に変身しました。

 今の私の魔力量では相変わらず、変身状態を維持できるのは十分が限界です。


 ――ドガンッ!!ドガンッ!!ドガンッ!!


 商店街の大通りの近くの広場で大きな衝撃音が数回聞こえて来ましたので、私は音のした方向へ瞬間移動してみることにしました。


 ――シュンッ!!


 私が瞬間移動して姿を現した時には…時既に遅く、見るも無惨な光景が広がっておりました。

 この広場には噴水やフィルネルスの銅像、噴水を囲むようにベンチや綺麗な花々が植えられた花壇等がありました。


 それが今や…跡形もなく巨大な何かが衝突したような深い窪みだけが三つ出来ており、巻き込まれたと思われる住人の身体の一部と夥しい量の血液が各所に点在しておりました。


 さっき聞こえた声の主と思われる、この商店街の守護を担当する騎士が上半身だけのボロボロの姿で…倒れておりました。


 「お…お嬢さん…。私に構うな…逃げろ…。」


 「お前さん、もういいぞ?今、治してやるから…喋るなよ?」


 ――ピチョン…。


 私が手を騎士に翳すと、天から雫が騎士に一滴落ちました。

 すると、上半身だけでボロボロの姿だった騎士の身体が元通りになりました。


 「こ…これは一体?!しかも、そのお姿…我らが主アーシェ様に似ておられるが…。」


 「我が名は、アヴィレネーナ。アーシェは我が眷属じゃ。」


 アーシェの名がすぐに出ると言うことは、アーシェの信仰者と考えた方が良さそうです。


 「アーシェ様が其方の眷属ですって?!悪いご冗談を…。」


 ついつい転生前の口調が出てしまい、只でさえ怪しい格好なのに…更に怪しい感じになってしまっています。

 口調については、改善の余地ありそうです。


 「お…騎士様を襲った魔人はどこに居ますか?」


 「それが、急に声がしたと思ったら、姿を見る間も無く、隕石召喚をされてしまいました。気付けば、あの有様でしたので…正直どこに居たのかも分からず仕舞いですので…。」


 この世界で隕石召喚をするとなると、相当な手練れの魔人という事になります。


 「お?まだ生き残っておる下等生物がおったのか?」


 私達の遥か上空から声が聞こえてきました。

 ふと見上げると、この世界では悪者の事を何でも魔人と呼ぶのでしょうか?どこからどう見てもその姿、下級悪魔でした。


 「アヴィレネーナ殿、恐らく彼奴の仕業です!声が…恐らく同じ者の声です。」


 「私!!今、アナタに対して怒ってます!!本気、出させて貰いますね?」


 私は遥か上空に居り、人間に対し見下した態度を取るあの下級悪魔が許せませんでした。


 「はははは!!下等生物風情が何をほざくか!!」


 私はリスティスお母様に”悪魔“みたいだと言われてから、悪魔のオーラを戦闘時以外は封印して、今まで育って来ました。

 ”災厄の小悪魔“と呼ばれていた時のオーラを纏わせても良いのですが、それでは面白く無いので終始オーラを出さずに戦い、最後に決める時だけオーラを解放することに今決めました。

 なんかその方が、陰のある謎の英雄って感じで格好いいかなって…思いました。


 「騎士さん、危ないので広場に近づかないで下さいね?」


 「えっ?アヴィレネーナさん?お一人では危ないです!!自分も一緒に戦い…」


 ――ポンッ…。


 私は話の途中だった騎士さんにそっと触れ、広場外に空間転送させてあげました。


 「さて、このアヴィレネーナと勝負しませんか?下級悪魔さん??」

――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=デルジェイム

年齢 :11歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :フィルネルス女学院小等部

魔力量:101

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    元災厄レベルの悪魔。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :悪魔

職業 :不明

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    アルシェの魔力量で容姿年齢が変化。

    アルシェの変身魔法で10分変身可能。

    次に変身可能になるまで5.5時間必要。

――――

名前 :リスティス=リーズランデ

年齢 :34歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :リーズランデ家当主

魔力量:333

魔法 :中級魔法全般

スキル:剣士スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    元国の騎士団所属の魔法剣士。

    アルシェの叔母(母の妹)。

    グラマラス&スレンダー。

    アルリス、アヴィルグの母で未亡人。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :賢者

魔力量:計測不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、アヴィレネーナの

    元から突如、異世界転移してしまう。

    魔神討伐後、自ら呪いをかけ眠った。

    真名はアーシェンテア。

    アヴィレネーナの眷属で所有物。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

――――

名前 :アルリス=リーズランデ

年齢 :5歳

性別 :女

種族 :人間(スライムとの混血)

職業 :なし

魔力量:50

魔法 :変身魔法、その他不明

スキル:不明

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ボブ(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    リスティスの実子。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :シェルナ・リドゥレ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

――――

名前 :ミリーズ・レルモンズ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

――――

名前 :フィーナ=フェルドルグ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

    七英雄の一人”癒し風“のフィルネルスの末裔。

――――

名前 :イオリス・ケルティリズ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

    分厚いレンズの眼鏡が特徴的。

――――

この話の過去の登場人物

――――

名前 :フィルネルス=リーズランデ

性別 :女

その他:七英雄の一人”癒し風“のフィルネルス。

    アーシェの義妹。

    フィルネルス女学院創立者。

――――

名前 :ウェイン=ウェインドラスト

性別 :男

その他:七英雄の一人”勇者“ウェイン=ウェインドラスト。

    ミレィナの夫。

    ウェイン・ミレィナ英雄学院創立者。

――――

名前 :ミレィナ=デルジェイム

性別 :女

その他:七英雄の一人”盾“のミレィナ=デルジェイム。

    アルディスの姉。

    ウェインの妻。

    ウェイン・ミレィナ英雄学院創立者。

――――

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