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あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 2.少女期編
14/52

Episode 14.本当の母より叔母との絆は強いのです。


 シェンティのお節介焼きのお陰でリーズランデ家を訪れました。

 そこで私は約六年ぶりに、育ての親のリスティス叔母様改め、リスティスお母様に逢うことが出来たのです。


 「リスティスお母様!!」


 「なぁに?アルシェ。」


 そう言って私は抱き返したのですが…気づけば目線があまり変わらなくなっておりました。


 「そう言えば、ユーレとはあれからどうなのですか?」


 「ま…まぁ…色々あって…ね?」


 何か聞いてはいけない事を聞いてしまったようです。

 よく見れば、リスティスお母様の左手の薬指に…指輪が嵌められておりませんでした。


 「アルシェ様、お伝えするのを失念しておりました。最近、リスティスが拒んでいたのを良く思わず、他に女を作っていたので、消しておきました。」


 シェンティは一度暴走すると、アヴィレネーナ状態の私くらいでしか止める事は不可能です。

 まぁ…私でも、シェンティと同じ事をしたと思います。

 リスティスお母様を悲しませる輩は…万死に値します。


 「アーシェ様が最近、子供達の面倒を見に来て下さっていて本当に助かっております。ありがとうございます。」


 シェンティは…私が講義を受けている間、リスティスお母様の所に行っているとは…全く知りませんでした。


 「怒りに任せたとは言えな?子孫のツガイを消してしまったからの?せめてもの子孫への罪滅ぼしじゃ!!」


 「シェンティ…言ってよね?滅茶苦茶重要な事じゃないの…。リスティスお母様…なんて言えばいいか…。うちのシェンティが申し訳ございませんでした…。」


 こう言う時はとりあえず謝るしかない…そう咄嗟に私は思い頭を深く深く下げました。


 「アルシェ?良いんです。顔を上げて下さい。彼は、してはならない一線を越えてしまったのです。」


 私は恐る恐る顔を上げると、そこにはリスティスお母様のいつもの笑顔がそこにありました。


 「あー!!おかあさま!!アーシェさま!!だれ?!」


 後ろの方から、聞き覚えのある幼い子供の声が聞こえました。

 この声…私の幼少期の声にそっくりなので、振り返ってその姿を見てみることにしました。


 「へっ?!」


 アーシェの呪いの恐ろしさを目の当たりにしたのです。


 「おねえさん、だれ?」


 目の前で不思議そうに私の顔を見つめているのは、まさしく幼少期の私そのものでした。


 「アルリス?アルシェお姉ちゃんですよ?」


 リスティスお母様が、私の目の前に居る…幼少期の私そのものの女児に声をかけたのです。


 「あなた、アルリス?わたし、アルシェ!!」


 私は五歳女児風にアルリスに声をかけました。


 「うん!!アルシェおねえさま、あえた!!うれしい!!」


 そう言いながら近くまでアルリスは駆け寄って来ました。


 「リスティスお母様?アルリスは昔の私…そっくりですね。」


 「本当に…。私はいつもアルシェ様とご一緒でしたので、また零歳のアルシェ様に逢えて嬉しかったですけどね?」


 「アルシェおねえさま!!おたんじょうび!!おめでとう!!」


 リスティスお母様の本音が聞けた後での、アルリスからの嬉しい言葉でした。


 「シェンティ?そう言えば何故ここに来たの?」


 「あ…。」



 ――――



 辺りは静まり返り、シェンティによる長い沈黙が流れています。


 「アーシェさま?たべもの?」


 その沈黙を打ち破ってくれたのは、アルリスでした。


 「あ!!ありがとね?アルリス!偉い子だ。よしよし。」


 「シェンティ…?まさか…。」


 今日、私の寮の部屋でやる誕生日会の食事の用意は…リーズランデ家から調達すると言う事なのでしょうか…。


 「いいえ?そんな、食事を貰っていくなんて…無粋な事はいたしませんよ?この家のメイド達とリスティスを少しお借りしたいだけです。」


 「今日は何か催し物をされるご予定がおありなのですか?アーシェ様??」


 シェンティにしては大人な会話をしているので、私は驚きました。

 リーズランデ家の執事やメイドは、リーズランデ家の分家や親戚の子女が務めている為、アーシェが目覚めた事は周知されております。

 そもそも、アーシェを崇拝する一族故…アーシェの言う事は何よりの悦びらしいのです。


 「え!?いつの間に?!」


 気づけば、リーズランデ家の数居るメイドの中から五名がリスティスの後ろに並んでおりました。


 「さて、可愛い子孫ども!!行くぞ?」


 そう言うとシェンティは空間転送の門を無詠唱で目の前に出現させたのです。


 「あ…アーシェ様…こ…これは…?」


 「馬鹿者め!!見て分からぬか?これで我の指定した場所に一瞬で行けるのじゃ!はっはっはっ!!」


 メイドの一人が恐る恐るシェンティに質問したのですが、馬鹿者呼ばわりされた上、理解のできない事を言われて混乱してしまいました。


 「流石です!!“悪魔”のアーシェ様はされる規模の桁が違いますね!!」


 リスティスお母様はすかさず…シェンティをヨイショします。


 「そうであろう?そうであろう?はっはっはっ!!」


 部屋ではこんな活発な姿、一度も見せた事ありません。


 「シェンティ良かったね?皆んなホントは忙しいだろうから、早く行こっか?」


 「はい…。アルシェ様。」


 急にしおらしい姿を見せられても、直前までの姿を見ているので…全く困った悪魔です。



 ――――



 無事、メイド五人、リスティスお母様、シェンティ、私は空間転送の門を潜ると…私が六歳より寮生活をおくっている部屋に着きました。

 寮での私の住む部屋の間取りは2DKと割と恵まれているのかも知れません。


 「ここですか。お姉様がアルシェの為に奮発して借りているというお部屋は!!」


 「え!?リスティス!!それ…アルシェ様に言っちゃダメなんじゃないの?!」


 リスティスお母様が何か凄い爆弾発言を今したような気が…その発言に対し、リスティスお母様の従姉妹でメイド長のアルティナ叔母様が釘を刺したのです。


 「良いんです。お姉様はお金でしかアルシェに愛情表現が出来ないのですから。」


 私には愛情なんて無いと思っていましたが、お母様はお母様なりに何かしようとは思っているのは分かりました。

 私のこと本当に愛しているのであれば、こんなことにお金を使うのではなく…ウェイン・ミレィナ英雄学院に入れて欲しいのですが…。


 「おいおい…子孫ども!!無駄なおしゃべりは辞めて、買い物行かなくては何も始められんぞ?」


 今日、シェンティはやけに仕切っています。

 普段は、私にどうしましょう?と聞くばかりで自らの意志は薄い感じなのですが…。

 この様子を見ると、リーズランデ家に顔を出している時はこんな感じなのかも知れません。

 リスティスお母様やメイド達はシェンティに対し通常営業の振る舞いをしているからです。


 「では、皆さん参りましょうか?」


 リスティスお母様の号令と共に、私の部屋から出ようとしているのですが、ここの寮から出るには守衛のいる間を通過しないといけません。


 「ちょっと待って!!皆んな出てっちゃダメ!!私怒られちゃうから!!」


 その言葉にシェンティがハッと気づいたのか、しれっと何も言わずに空間転送の門を出しました。


 「さぁ、子孫ども!!我に続け!!」


 シェンティはご都合主義もいいものです。

 さっさと門を潜って行ってしまいました。


 「あれ?!リスティスお母様??アルリスがいる!!」


 全く気づかなかったのですが、しれっと私の部屋にアルリスが居たのです。


 「アルシェおねえちゃん!!おかあさま、いっしょ!!」


 リスティスお母様と一緒に居たいという事ですが…まぁ、私もリスティスお母様とは五年間ずっと一緒に過ごしたので気持ちはわからないでもないです。


 「アルシェお姉ちゃんと、一緒に行こっか?」


 「うんっ!!アルシェおねえちゃん、だいすき!!」


 ホントに、あの頃の私自身を見ているようで、不思議でした。

――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=デルジェイム

年齢 :11歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :フィルネルス女学院小等部

魔力量:101

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    元災厄レベルの悪魔。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :悪魔

職業 :不明

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    アルシェの魔力量で容姿年齢が変化。

    アルシェの変身魔法で10分変身可能。

    次に変身可能になるまで5.5時間必要。

――――

名前 :リスティス=リーズランデ

年齢 :34歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :リーズランデ家当主

魔力量:333

魔法 :中級魔法全般

スキル:剣士スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    元国の騎士団所属の魔法剣士。

    アルシェの叔母(母の妹)。

    グラマラス&スレンダー。

    アルリス、アヴィルグの母で未亡人。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :賢者

魔力量:計測不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、アヴィレネーナの

    元から突如、異世界転移してしまう。

    魔神討伐後、自ら呪いをかけ眠った。

    真名はアーシェンテア。

    アヴィレネーナの眷属で所有物。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

――――

名前 :アルリス=リーズランデ

年齢 :5歳

性別 :女

種族 :人間(スライムとの混血)

職業 :なし

魔力量:50

魔法 :変身魔法、その他不明

スキル:不明

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ボブ(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    リスティスの実子。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :シェルナ・リドゥレ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

――――

名前 :ミリーズ・レルモンズ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

――――

この話の過去の登場人物

――――

名前 :フィルネルス=リーズランデ

性別 :女

その他:七英雄の一人”癒し風“のフィルネルス。

    アーシェの義妹。

    フィルネルス女学院創立者。

――――

名前 :ウェイン=ウェインドラスト

性別 :男

その他:七英雄の一人”勇者“ウェイン=ウェインドラスト。

    ミレィナの夫。

    ウェイン・ミレィナ英雄学院創立者。

――――

名前 :ミレィナ=デルジェイム

性別 :女

その他:七英雄の一人”盾“のミレィナ=デルジェイム。

    アルディスの姉。

    ウェインの妻。

    ウェイン・ミレィナ英雄学院創立者。

――――

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