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あくまでも裏の英雄はじめます。  作者: 茉莉鵶
Chapter 2.少女期編
13/52

Episode 13.平凡な兄は英雄の道へ、非凡な妹は淑女の道へです。


 月日が経つのは早いもので、今日で私も十一歳の誕生日を迎えるまでに育ってしまいました。


 そう言えば、五年くらい前のリスティス叔母様の出産の件ですが、無事元気な女の子が産まれまして、名前はアルリスと名付けられました。

 リーズランデ家らしい顔立ちで、普通の女児だと思われたのですが、生まれつき魔力量が多く『変身』魔法が使える子でした。

 そのアルリスも今は五歳と少し、あの頃の私と同じ年頃です。

 恐らく色々騒がしい毎日を、リーズランデ家の長女として過ごしている事でしょう。


 長女と強調したのには訳があって、実はあの三年後リスティス叔母様とユーレの間に第二子が産まれたのです。

 しかも、リーズランデ家では初となる男の子でした。

 恐らくアルリスはアーシェの呪いが解ける直前に着床していたから、アーシェそっくりな子が産まれたと推測されています。

 話は戻りまして、その男児にはアヴィルグと名付けられました。

 誰に似たのか、金髪、白い肌、真紅の目でした。

 シェンティことアーシェが、「私の大好きなアヴィレネーナ様に似てるからアヴィルグが良い」と言い出してしまい、それを聞いたリスティス叔母様は「憧れのアーシェ様に名付けて貰った」と大喜びで即決でした。

 この子は今二歳位になった頃でしょうか。


 私は今、英雄とは無縁の…全寮制の女学院に六歳より入れられてしまいました。

 今は小等部で淑女の教養を色々と…身につけさせられております。

 来年、中等部に上がるのですが…私と同じように英雄の末裔の女子も同じ学級におり、その子は…私の二人の兄達も通っていた英雄候補を育成する学院の中等部へ編入が決まっています。

 その事を、お母様にお伝えしたのですが…デルジェイム家の女なのだから、争い事には一切関わらないと言い伏せられてしまいました。


 因みに、私が寮生活をする女学院の名は、フィルネルス女学院と言いまして、七英雄の一人”癒し風“のフィルネルスが創立した由緒ある女学院ではあるのです。

 ですが、元々癒し手で争いを好まないフィルネルス=リーズランデが、兄の嫁のアーシェ=リーズランデに「回復役足りないからツガイの妹、来い!」と言う事で魔神との戦いに駆り出されただけの事だったのです。

 ですので、英雄とは全く無縁の淑女を養成する場となっております。

 まぁ…強いて言えば回復系の魔法やスキルは小等部で簡単な事は学べるので、癒し手の育成といえば育成かもしれません。

 恐らく、同じ学級の英雄の子孫の子の家系は前衛系なので、回復魔法欲しさに入れているのでは…とも考えられます。


 私が今一番編入したいと思っているのが、ウェイン・ミレィナ英雄学院です。

 兄達が通った英雄候補を育成する学院で、七英雄の一人”勇者“ウェイン=ウェインドラスト、“盾”のミレィナ=デルジェイムが創立しました。

 ミレィナは私の家の始祖アルディス=デルジェイムの姉で、魔神討伐後にウェインと結ばれました。

 ですので、デルジェイム家はミレィナの子孫と言うこともあり、本来なら難関とも言える入学試験があるのですが、それも無く容易に入学出来てしまっているのが現状です。

 ところが、アルディス以降デルジェイム家は英雄候補としては全くうだつが上がらず、何故こんな奴がこの学院に入れるんだ?と陰で言われている悲しい状態が続いているようです。


 アーシェの悪魔の血をひく(非公表ですが)リーズランデ家の女系は、ウェイン・ミレィナ英雄学院では輝かしい成果を収めており、デルジェイム家とは好対照なのです。

 お母様でさえ、学院ではトップクラスの魔法剣士見習いでした。

 やはり、悪魔の血の力と言うか…アーシェの血は凄いのだと思い知らされています。

 私にも少しアーシェの血が混じっていると思いたいのですが…ふと疑問が湧いてしまいました。

 アーシェの血の呪いがあるはずの、お母様は何故男児を二人も産めたのでしょうか?

 この件は、アーシェ当人に詳しく聞いてみないと、何だか頭の中がモヤモヤして、今夜は眠れないかもしれません。


 今日は講義が座学だけなので、話ばかり聞いていると、眠くなってきてしまいます。


 「アルシェ?アルシェ?寝ちゃダメだよ?」


 目を瞑って色々考え事をしていると、教室で私の隣によく座ってくる、シェルナ・リドゥレに左側から身体を揺すられました。


 「起きてるよー?シェルナ。ありがと。」


 「もー!!アルシェ。また考え事してたの??」


 私の物思いに耽る行動は学級の中では有名でした。


 「ダメだったかな?」


 今の私は、同性の女子から何故か人気があり、講義の際誰が両隣に座るかで、小競り合いが起きるくらいです。


 全寮制と言う事で、付きメイドを一名まで部屋に住まわせる事が許されており、学院の校舎外までの同行も許可されています。

 その為、シェンティは校舎内で私の横の奪い合いが起きているのを、付きメイドの間の情報として聞いているようで、講義終了後は校舎外で私を待ち構えている事が多いです。


 「アルシェ?今日さ…私の部屋来ない?」


 今度は右側に座っている、ミリーズ・レルモンズに誘われてしまいました。


 「ゴメンね?今日は大事な用事があるんだよ。」


 あいにくシェンティしか私は興味がないので、いつものように軽く流せたつもりでした。


 「ねぇ…今日、お誕生日なんでしょ?だから、皆んなでアルシェのこと祝おうかって…。」


 「なら…皆んなで、私の部屋…来てくれる?」


 今までこんなお誘いありませんでしたし、皆んなで私の誕生日祝ってくれるなんて…思ってもみませんでした。


 「でもさ、アルシェの付きメイドさん怖いんだよね…。大丈夫??」


 「ああ、シェンティの事だよね?彼女には言っておくから…安心して来て?」


 言っておけば皆んなが居る時は恐らく平静を装ってくれると思いますが…帰った後は嫉妬の悪魔になると思うので、可愛がってあげないといけません。



 ――――



 今日の講義が全て終わり、私は皆んなを招く為に部屋の片付けをしなければいけないので、足早に学級の教室を後にしました。


 「アルシェ様、お早いお帰りですね?」


 校舎の玄関の外でシェンティは私を待ち構えておりました。


 「シェンティ?これから、私の部屋に級友達が来るんだけど…良いかな?私の誕生日祝ってくれるって言うから…。」


 シェンティは私の手を取ると涙し始めました。


 「うぅっ…。私…嬉しいです…。アルシェ様にも…いいお友達いらしたのですね…。そうです!泣いていてはいけませんね!!さぁ、お部屋に戻って支度ですよ?」


 ――ビュンッ!!


 否応無しにシェンティは無詠唱の空間転移を使いました。


 「え?」


 ですが、シェンティの空間転移で着いたのは…リーズランデ家の広間だったのです。


 「どう言う事?叔母様の家だよ?ここ。」


 「いいえ?私の家です!!」


 確かに…シェンティことアーシェが長年眠りについていた家でしたが、今はリスティス叔母様が当主を務めています。


 「えっ!?」


 後ろの方から聞き慣れた声がしました。


 「アーシェ様、来る時は事前にお教えいただけませんと…。えと…隣にいらっしゃるのは…?」


 リスティス叔母様は私の事を分からない様子です。


 「わたし、おばさま、だいすき!!」


 当時の喋り口で、私は話してみることにしました。

 アルリスが産まれた時以来、私はずっと寮住まいの為、リーズランデ家はおろかデルジェイム家にすら一度も帰れておりませんでした。


 「その喋り方…!!アルシェ…様なのですか!?」


 「うん!!アルシェ!!きた!!」


 リスティス叔母様は駆け寄ると…私を思い切り抱きしめてくれました。


 「私の大好きな娘の…アルシェ?お帰りなさい。あなたの欲しがってた妹と、弟も待ってますよ?」


 この時のリスティスお母様のお顔は…本当に母親の顔をしていました。

――――

この話の主な登場人物

――――

名前 :アルシェ=デルジェイム

年齢 :11歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :フィルネルス女学院小等部

魔力量:101

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人、魔法騎士アルディスの末裔。

    七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    異世界転生者。

    元災厄レベルの悪魔。

――

名前 :アヴィレネーナ=ディズフィア

年齢 :不明(推定1000歳以上)

性別 :女

種族 :悪魔

職業 :不明

魔力量:測定不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :白

髪  :ツインテール(金色)

目  :真紅

その他:災厄の小悪魔。

    アルシェの異世界転生前の姿。

    アルシェの魔力量で容姿年齢が変化。

    アルシェの変身魔法で10分変身可能。

    次に変身可能になるまで5.5時間必要。

――――

名前 :リスティス=リーズランデ

年齢 :34歳

性別 :女

種族 :人間

職業 :リーズランデ家当主

魔力量:333

魔法 :中級魔法全般

スキル:剣士スキル全般

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェの末裔。

    元国の騎士団所属の魔法剣士。

    アルシェの叔母(母の妹)。

    グラマラス&スレンダー。

    アルリス、アヴィルグの母で未亡人。

――――

名前 :アーシェ=リーズランデ

年齢 :不明(推定500歳以上)

性別 :女

種族 :上級悪魔

職業 :賢者

魔力量:計測不能

魔法 :未知の魔法

スキル:未知のスキル

肌  :肌色(ブルベ系)

髪  :ロング(黒色)

目  :焦茶

その他:七英雄の一人“悪魔”のアーシェ。

    300年以上前、アヴィレネーナの

    元から突如、異世界転移してしまう。

    魔神討伐後、自ら呪いをかけ眠った。

    真名はアーシェンテア。

    アヴィレネーナの眷属で所有物。

    シェンティ=リーズランデとして、

    アルシェの付きメイドに。

――――

この話の登場人物

――――

名前 :シェルナ・リドゥレ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

――――

名前 :ミリーズ・レルモンズ

性別 :女

その他:アルシェの級友。

――――

この話の過去の登場人物

――――

名前 :フィルネルス=リーズランデ

性別 :女

その他:七英雄の一人”癒し風“のフィルネルス。

    アーシェの義妹。

    フィルネルス女学院創立者。

――――

名前 :ウェイン=ウェインドラスト

性別 :男

その他:七英雄の一人”勇者“ウェイン=ウェインドラスト。

    ミレィナの夫。

    ウェイン・ミレィナ英雄学院創立者。

――――

名前 :ミレィナ=デルジェイム

性別 :女

その他:七英雄の一人”盾“のミレィナ=デルジェイム。

    アルディスの姉。

    ウェインの妻。

    ウェイン・ミレィナ英雄学院創立者。

――――

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