18-3.神の攻撃無効化(エミ視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(エミ視点)
まったく、しぶとい化け物だ。
神代よりも、はるか昔から存在していた化け物の意思。
それを今倒そうとしているのに、囮役となっている弟の須佐の攻撃がまるで蚊に刺された程度。
まったく、ムカつく化け物だ。
「姉上、そんな怖い顔をなされないでください」
「……そうもなるわよ」
気に入りの穫をつけ狙うだけでなく。おそらく、金剛刀である咲夜も狙っている筈だ。
その先に何を望むかはわからないが、良い予感などしない。
だから、ここでもう一人の弟である月詠と共に、八岐大蛇の尾を退治するのみ。
そして、その力も貯まってきた。
「我らは神々の王」
「常世の王」
「すべてを統べ」
「すべてを凌駕せし神々」
「我らの力を知れ!!」
月詠は、黄泉路から生まれた風の刃を。
エミは、黄金に輝く矢を。
それぞれ構えて、こちらに背を向けている尾が人化した姿に向かって投げた。
だが。奴は気づいているはずなのに、避けなかった。
「……く、ふふふ!?」
受けたのに、笑っていた。
身体が裂けて。
血を噴き出し。
今にも崩れ落ちそうであっても。
尾は倒れなかった。
どころか、裂け口から再生していき、やがて元通りになったのだった。
「……何あいつ? ちょっと、月詠。あんたも協力して封印したでしょ!? どーなってんのよ」
「……いやはや。天の神々である我々の攻撃を無効にするどころか。吸収していますね?」
「感心してるバヤイじゃないでしょん!!」
面倒も面倒だ。
須佐はまだ標的にされているので、己の草薙剣で応戦しているとは言え。
ここは地獄。
正と負の気が入り乱れる箇所。
であるのを忘れていて、尾には好機の場所だったと理解したエミは。
もう一度、矢を構えて尾に向かって放ったのだった。
次回は水曜日〜




