17-2.渡さない(笑也視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(笑也視点)
怖くなったって、不安になって当然だ。
彼女は、まだ今日成人したばかりのひとりの女性でしかない。
泣き疲れた様子で、笑也の腕の中で眠っている穫の髪を、少し撫でてやった。
まだ付き合って一ヶ月程度だが、笑也は穫を日々愛しく思っていた。
最初は、ただの依頼人で。
報酬のために、ハウスキーパーを提案して笑也の家のゴミ屋敷を片付けてくれる人材が出来ればと思っただけ。
断じて、一目惚れだとは思っていなかったのに。
結果的には、そうだったとわかった。日本の神の頂点であり、今笑也が降ろすことが出来る天照大神の言葉がなければ。
信じは、しなかった。
「……絶対に。絶対に、化け物なんかには穫ちゃんを渡さない」
唯一の伴侶とも思える相手が出来たのだ。
それに、ほとんど母である達川の現当主にも認めてもらっているのならば。
笑也は、穫を妻として迎えるつもりでいる。まだ穫は学生なので、もちろん卒業してからだが。
「……愛してるよ、穫」
まだなかなか呼び捨てが出来ないが、こう言う時は出来るのが少し悔しい。
だから、起きたら彼女にも提案してみよう。互いに呼び捨てしてみようと。
不安になっていても、今は何も出来ない。エミも、バーラウンジからまだ帰って来ていないし。
佐和の方も、巧が様子を見ているから大丈夫なはずだ。
とりあえず、穫の唇に軽くキスをしてから。
結界を部屋に張り、笑也も彼女の隣で寝ることにした。
次回はまた明日〜




