表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/168

17-1.不安でいっぱい

お待たせ致しましたー






 *・*・*










 怖い。


 怖い怖い怖い怖い怖い。


 (みのり)は怖かった。


 呪怨の時だって、ずっと怖かったのに。


 今回は違う。


 下手すると、死にかけたのだ。


 自分の意思ではなく、相手。


 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)と言う化け物によって。



「あそこにいた時は、変な感じなんてしなかったのに……」



 けど、相手の意思で。穫は生命を失いかけた。


 エミと佐和(さわ)がいなければ、二度と笑也(えみや)の腕の中に戻って来れなかった。


 その奇跡に感謝こそするが、同時に酷い不安に襲われてしまった。


 また、八岐大蛇に連れて行かれたら、もう二度と戻って来れないかと思うと。


 怖くて怖くて。


 自室に戻ってから、穫は咲夜(さくや)羅衣鬼(らいき)に抱き締めてもらっていた。二人の霊力と神気を外側と内側、両方に浸透させるためだ。


 普段から、彼らの加護は受けているが、今日は異例中の異例。


 対策は出来ることはした方がいいと笑也に言われたので、自室に戻ってから小一時間実行していたのだ。


 だが、じっとしながらも考えてしまうのは不安について。


 終わってからも、穫は安心出来なかった。



「……穫」



 咲夜が動かない穫の肩をぽんっと叩いてきた。



「笑也のとこに行くといい」

「……咲夜?」

「私や羅衣鬼ではダメだ。穫の心を癒すことが出来るのは、笑也だけだ」

「そうだな! 俺もそう思う!」



 さあさあ、と二人に手を引かれ。


 携帯だけ持たされ、笑也の部屋の前に立つ時に羅衣鬼がインターホンを押してしまったので、笑也がすぐに出てきて。


 あとは頼んだ、とだけ二人はさっさと戻って行ってしまい。残ったのは、穫とまだぽかんとしている笑也だけになった。



「……どうしたの?」



 完全に二人だけが帰ってから、笑也は穫の顔を覗き込んできた。


 目が合うと、穫はなんだか縋りたい気持ちに駆られてしまい。



「笑也さん!」

「わ!?」



 笑也に抱きつき、堪えてた涙がこぼれてきて笑也のシャツを濡らした。


 笑也はもうフォーマルスタイルのスーツではなく普通の部屋着だったので、遠慮なく泣いてしまったのだ。それでも良くはないが。


 笑也は、穫が泣き出すと。穫の足に手を伸ばして抱き上げてくれた。


 玄関の扉を閉めて、穫を抱き上げたままリビングに向かい。


 ソファに腰掛ける時に、穫を膝の上に下ろした。



「…………ごめん、なさい。いきなり、泣き出して」

「……いいんだよ。怖い思いしたんだから、当然だ」



 そうして、穫の額に軽くキスをしてから。よしよし髪を優しく撫でてくれた。


 その気遣いに、また涙が溢れてきたが、穫はもう泣くだけ泣いて。


 泣き止んでからは、笑也といっぱいいっぱいキスをして。笑也に泊まるか、と言われたので素直に頷き。キス以上のことはせずに、笑也のベッドで一緒に共寝することになったのだった。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ