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14-3.親友とのこれから(佐和視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(佐和(さわ)視点)









 親友、と個人的に思っている友人の危機が去った。


 それはとても喜ばしいことだ。


 世間はなんやかんや、現代社会のジャック・ザ・リッパーが出たとかなんとか騒いではいるが。


 あれは、霧の中でとか、母親を恋しくてとか色々意見が飛び交う問題があった。


 その分、呪怨は血肉どころか骨まで、魂まで喰らい続けていたのだ。証拠が残るはずがない。


 魂については、呪怨の討伐後に月詠(つくよみ)黄泉路(よみじ)に導いて、蘇生は出来ないが輪廻転生の輪には加わらせたそうだ。たしかに、蘇生は禁忌と称される禁術なので、神でも容易に行えない。


 かつて、彼らの親神であった伊弉諾(いざなぎ)伊奘冉(いざなみ)のように。



「僕の役目も終わりかぁ」



 大学の入学式から、ずっと不穏だったひとりの少女。


 佐和なりに気になって、色々手を尽くしていたが。笑也(えみや)達が関わってから、わずか二週間程度で落ち着いてしまうとは。


 さすがは、稀代の最強イタコとも言われる達川(たちかわ)の一族であり、次期当主。


 (みのり)も穫ですごい人材だとわかった時は驚いたが。どちらにせよ、いいことだ。


 穫自身は、多額の負債を背負うことにはなったが笑也の自宅のハウスキーパーをすることで大事ない。基本的に術師は現代社会に生きるために、法外な報酬を得ようとするのが普通だ。


 だが、それは無理のないこと。アマチュア程度の佐和ならともかく、笑也は立派な術師。きちんと依頼をこなすには仕方がないことだ。とは言え、悪どい術師じゃないので、常識的な範囲で穫に負担がかからないようにしている。


 だから、穫をまだあのマンションの一室に住まわせているのだ。


 そして、そこまで報酬金の対策をされているのなら、佐和の出番もない。



「あ、佐和ちゃん」

「穫」



 休日なので、適当にぶらぶらしていたら、その穫に出会った。買い出しに出かけていたのか、咲夜(さくや)に人間に化けさせている羅衣鬼(らいき)もいた。



「散歩?」

「とりあえず、そんなところだ。のんびりしてただけだよ」

「そうなんだ? あのさ、あのさ?」

「うん?」

(いつき)さんともさっき会ったんだけど。水無(みなし)さんのことが好きかもしれないんだって」

「水無氏と?」

「そーそー」



 普通の女子らしいガールズトーク。


 そんな日が、佐和も出来るようになるとは思わず。


 なんだか、くすぐったい気持ちになった。



「ふむ。興味深い。だが、穫もそうだろう?」

「え?」

「達川氏のことさ?」

「な、なんで!?」

「信頼もだが、尊敬もしている。その心に偽り無しであれば、さ?」

「……そんな、バレバレ?」

「本人は多分気づいていないと思うさ?」

「ん〜……じゃあ、佐和ちゃんは?」

「僕?」

(たくみ)さんとは仲良いじゃない?」

「……さあね?」



 恋に恋する少女のように、自分もなるかはわからないが。


 とりあえず、今はまだ気づかない方がいい。


 そう思うことにして、佐和も夕飯にお呼ばれすることになったので、荷物持ちを手伝ったのだった。

次回はまた明日〜

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