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12-1.危険信号(由良視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(由良(ゆら)視点)









 最悪な事態が起きた。


 つい先日もそう、(いつき)に報告したばかりなのに、さらに甚大な被害が起きたのだ。



「な……んですか、この血臭の凄まじさは!?」



 斎が、(みのり)と対面するのに、達川(たちかわ)笑也(えみや)の居住しているマンションに行っている間。


 警護は、遠方から水無(みなし)が担当しているので、由良は呪怨の根城を探していたのだが。


 街に出たら、警察が対処し切れないくらいの事態になっていたのだ。


 血溜まり。


 血溜まり。


 血の川になって広がって行っている。


 ()せかえるぐらい、錆びた鉄のような臭い。


 妖などの血の臭いには慣れたつもりでいた由良でも、人間はなかった。だから、この状況にはさすがに困惑した。


 だが、これらの仕業は『何』かは瞬時に理解出来た。



「……おそらくは、呪怨」



 遠くから、警察や報道陣が集まって来るが、あれは放っておいていい。どちらにしても、怪異に関係のない人間には解決策出来ないから。



「……そこまで。我ら……いいえ、あの穫と言う少女が憎いのですか」



 これがもし、斎だったら。


 いや、彼女は万乗(ばんじょう)の直系。


 幼い頃から言い聞かされてきた、万乗の呪いをひとりで抱えていたのだ。重責はずっと感じていたはず。きっと今も、穫に会っていてもその重荷を背負ったままだろう。


 だが、由良もだが水無とて、分家の自分達を拾ってくれた彼女を死なせたくはない。出来れば、誰も。


 けれど、それはもう遅かった。



「……気配をたどったところで、私ごときが始末など出来るはずが」



 ない、とビルの屋上で拳を握りしめるしか出来なかった。


 だが、何も出来ずに立ち止まっているわけにもいかない。このことを水無にもだが、斎にも伝えなくては。


 由良は、急ぐために霊力を解放させて脚を疾くする術を施した。


 おそらく、まだ呪怨は霊力を糧にすべく無差別に人間を喰らっているだろうが。


 斎達の元には、行っていないことを願いながら、ビルの窓を駆けた。

次回はまた明日〜

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