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5-6.冷凍餃子でタッカルビ③

お待たせ致しましたー






 *・*・*







 蓋を開ければ、湯気の中に顔を隠したキムチとチーズの沼。


 焼いて煮込んだ冷凍餃子はほとんど見えないが、きっと絶対美味しいはず。


 夏なのに、鍋料理はどうかと思ったが。待ちきれないエミの様子にそれは杞憂だったとすぐわかった。


 小鬼も入れて、全員によそい。咲夜(さくや)もだが小鬼まで箸を使えるのは少し不思議だったが。とりあえず、(たくみ)(みのり)の分も器に入れてから、いただきますをした。


 熱いので、全員息を吹き付けてから口に入れた。



「おい、っし!」

「こらええなあ? 酒すすむわ!」

「あーん、巧〜! あたしも飲むぅうう!」

「そう思って色々持ってきたわ」

「……酒」

「咲夜も飲むか?」

「!」



 飲み物を持参するとは言っていたが、やはり酒も入っていたか。エミに缶ビールを渡そうとしていた巧の両隣に、いつ来たのか須佐(すさ)月詠(つくよみ)が座ったのだった。



「お? お前ら」

「……美味なる気配がして」

「あと酒もある予感がしたもので」

「あんら? 来たのねー?」

「ええ」

「応」



 二人がソファに腰かけると、咲夜と小鬼が即座にひざまずいた。



「……咲夜と名乗ることになりました」

「……守護鬼、予定の者です」

「ほう?」

「良い名をもらったな?」



 咲夜の方に顔を向けた須佐は、満更でない表情になっていた。



「ほらほら! まだあるけど。熱々が美味しいからあんた達も食べたらん?」

「是非」

「ありがたく」

「お椀持ってきますねー?」



 器を持ってきた頃には、既に二神とも酒をガバガバ飲んでいたが。穫には、ノンアルサワーなどが用意されてたのでそちらをいただくことにした。



「姉上と笑也(えみや)の好みとは言え、野菜が多いのは嬉しいですねえ?」

「体力をつけるには、野菜がいいので」

「良い心がけです。私もそれには賛成ですから」



 そして、上品な箸遣いで月詠ははふはふ言いながら餃子タッカルビを口に入れてくれた。



「……まい、美味い! 酒も欲しくなる!」



 対する須佐は熱いのが平気なのか、バクバクと食べていた。


 いきなり二人増えても、大所帯は大所帯なので。


 小鬼も咲夜もよく食べて、あっという間に鍋の中が空っぽに。ただし、量は少ないがスープがいくらか残ったので、ここはひとつ。



「量はひとりにつきほんの少しですが。キムチ雑炊かリゾットにしましょうか?」

「リゾットがいい!」

「異議なし!」

「いいですねえ?」

「お前らほんまチーズ好きやんな?」



 というわけで、咲夜と小鬼にも手伝ってもらうことにしてリゾット作りに取り掛かることにした。



「穫ー! 俺何すればいい?」

「小鬼君には、レンジ待機」

「れんじ?」

「この箱みたいな機械」



 まずはスープに合わせたレトルトの米のフィルムを少し剥がして。


 レンジに入れて規定分数回して待つだけ。


 小鬼にはそれを見ていてもらう。


 穫は咲夜に鍋の中のスープをひとつの鍋に集めてもらい。


 穫が火をつけて、味見をしながら沸騰させるのだった。

次回はまた明日〜

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