33-1.穏やかな終わり
お待たせ致しましたー
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大学生として過ごす日々は変わらない。
笑也の自宅のハウスキーパーも相変わらず。
呪怨や八岐大蛇との事件が無ければ、関わることのなかった事件達。
けど、その中で大切だと思える笑也との出会いがあった。万乗の本家、達川の本家とも。
ある意味別次元で、ある意味日常となった世界。
そこに、笑也がいる。
巧や佐和も。
神々はエミ達も。
場合によっては出会うことのなかった、彼らとの。
穏やかな関係をこれからも過ごしたい。
宿ることになった、咲夜に羅衣鬼も皆一緒にいたい。
未来永劫とは言えないが、彼らとの生活も大切にしたい。斎の結婚式に参加してから、穫は特にそう思っていた。
「今晩は何にするつもりだ、穫?」
大学もバイトも終わり、マンションに帰る前に咲夜と買い出しに行くのもいつも通り。最近は、咲夜もバイトをすると穫のバイト先である本屋の書店員として働いている。大学では羅衣鬼に、それ以外では咲夜とちゃんと分担しているのだ。
呪怨達のような脅威はもうなくとも、穫はまだまだ狙われやすい。その対策だそうだ。
その生活も続いて一年。
穫の大学卒業まであと一年。
その先をどうすればいいのか、穫は悩んでいた。
「そうね? ラザニヤとチキンステーキ……あとサラダとかだわ。今日は須佐さん達も一緒だから」
「あのぱすた、か。穫の手製にするのか?」
「明日は休みだし、それくらいしないとね?」
「手伝うぞ」
この穏やかな時間を、あとどれだけ過ごせるのか。
焦りはするが、終わりは見えているのだと自覚はした。
次回はまた明日〜




