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31-4.生きている

お待たせ致しましたー






 *・*・*








 終わった。


 無事に終わったのだ。


 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)のことも何もかも。


 (いつき)の屋敷で、ひと晩泊まり、衣食を提供してもらってから。(みのり)は目覚めた直後、そう思うのだった。



「……生きてる」



 地獄に引きずり込まれたのに、穫はきちんと生きていた。エミらの活躍があったお陰もあるが、ちゃんと生きている事が実感出来て嬉しさもひとしおだ。


 とりあえず、今日はたまたま休日だからゆっくり休むように斎にも言われたため、二度寝しようとしたら……ベッドで寝ていたが掛け布団の方が重かった。そちらを見ると、凄いことになっていた。



「「「ぐー」」」

「「「ぴー」」」

「「「すー」」」



 エミに佐和(さわ)咲夜(さくや)羅衣鬼(らいき)。あと、穫の手をにぎりながら笑也(えみや)が隣で寝ていた。


 何故、と首を傾げる前に。昨夜、穫の身を案じて大き過ぎるクイーンベッドで寝ることになったのだ。まだ秋でも寒いのに、大半は掛け布団などがない。エミや咲夜達は必要ないかもしれないが。



「……これじゃあ」



 二度寝するのに寝れない。右手は笑也に恋人繋ぎされているので少し暑いくらい。だけど、不快には感じなかった。


 しかし、相変わらず笑也の寝顔は美しい。この人が自分の恋人だと、未だに自信が持てないくらいに。


 だけど、温かい手を握り返せば、ちょうど笑也が目を覚ましてくれた。



「……穫、ちゃん」



 起きた笑也の顔は、まるで泣きそうな笑顔だった。



「はい、笑也さん」

「帰って、いたんだね?」

「笑也さん達が迎えに来てくれたんですよ?」

「けど、さっきまで。……情けないけど、君が八岐大蛇に取り込まれる夢を見ていた」

「……もう、そんなことないです」

「うん、そうだね?」



 だから、生きてると実感したくて互いに顔を近づけようとした途端。



『ぷくくく……』



 後ろから女性の声が聞こえてきたので、思わず振り返った。



「エミさん!?」

『あ〜んら、残念。寝起きのキスシーン見れると思ったのに?』

「い、いいい、いつから??」

『あたしは神よ? 寝る必要はないから、ほとんどずっと起きてたわん?』

「ええええええええ!?」



 穫の大声に、咲夜や佐和達も跳ねる勢いで起きたが。


 穫の真っ赤な顔を見て、盛大に笑い出したのだった。

次回は土曜日〜

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