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30-3.倒すために①

お待たせ致しましたー






 *・*・*










 固い。


 けれど、切れなくないわけではない。


 そう確信を得て、(みのり)咲夜(さくや)である十束(とつかの)(つるぎ)を振り下ろしては、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の尾の部分を切り裂いて行く。


 やはり、なんとも言い難い感触が剣越しに伝わってくるが、やらねばならない。


 言い方は悪いが、肉の塊での筋取りをする要領で何度も何度も尾の部分を切り裂いて行く。当然、生きているので揺れて切りにくくなるが、穫は何度も同じ箇所を切り裂いて行った。


 これを切ることで、消滅するかどうかはわからないが。穫だけでなく、エミ達や現実世界での影響を及ぼすかもしれないと思うと、これは倒さなくてはいけないから。


 真正面はエミに須佐(すさ)が頑張ってくれている。だから、穫も出来るだけのことをしよう。



【穫! 骨に到達する箇所だ。私が炎をまとうから少し熱くなるかもしれん】

「いいよ! 我慢するから!」

【応】



 承諾した直後、剣の刃の部分が青白く光って炎となって行く。たしかに熱さを感じるが、耐えられないわけではない。


 咲夜の言う通り、骨に当たった感触を得たが、叩いて行くにつれてそれは砕かれた。





【ギャァアアアアアアアアアアアアアア!!?】






 耳を塞ぎたくなるような、八岐大蛇の叫び声。


 堪らず、尾の部分から離れたらうねうねと動き出して行くのが正直言って気持ち悪かった。



(けど……でも)



 気持ち悪いと言っていられない。月詠(つくよみ)はまだ帰って来ないが、八岐大蛇の本体を消滅させたかどうか。


 それと、この戦いはいつまで続くか。穫は笑也(えみや)と現実世界で今まで通りに暮らせるのか。


 難しいとは思っても、この化け物を倒すしか方法はない。



【穫。あとひとつ試して欲しいことがある】

「何?」



 咲夜が語りかけてきたので、穫はすぐに返答をした。



【穫のズボンのポケット。そこにあるものをあの(オロチ)に振りかけて欲しい】

「ポケット??」



 言われたので後ろのポケットを探ってみると。笑也が万が一にと、常日頃持つようにと渡されたスティックシュガーの袋が二本入っていた。

次回はまた明日〜

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