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2-5.覚醒・金剛刀

お待たせ致しましたー

 熱い。


 熱い。


 熱い、熱い、熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い。


 熱い、焼けるように熱い。


 火事などに遭遇したことはないが、それくらい熱いと感じてしまうのだ。


 ただ、エミが(みのり)に術を施しただけなのに、内側が酷く熱い。


 だが、もがくことも出来ず、エミはまだ手を掴んだままだった。



「みのりん、聞いて? その力は君の力そのもの。無理矢理押さえ込もうとせずに、解放しちゃって」

「ど……やっ、て……」

「熱さから出たい、とか思って」

「ざ……つ、ですね」

「そー言うもんもん!」



 けれど、この熱さから解放されたいのも本当。


 出たい。


 出たい。


 出たい、ここから出たい。


 何が。


 何が。


 どこから、ここから。


 意識を浮上させようとすると、熱さが落ち着いってきたが、内側から何か出ようとしているのを感じた。



「な……こ、れ?」

「あらやだ? 産まれる?」

「ちょっ、どーゆーことや!? エミ!!」

「ま、見てて見てて〜?」



 何か、が出てくる。


 そう思うと、胸が熱い。


 引き抜きたい。そう思うと、エミから離れて穫は立ち上がり。


 心臓の前に手を添えた。



「……金剛(こんごう)刀。解放!」



 自然と口に出たその言葉と同時に。穫の心臓辺りから刀が出現して、穫は躊躇わずに抜いた。


 そして、いつのまにか集まって、須佐(すさ)月詠(つくよみ)が対処してくれていた悪霊の断片達に向かって構えた。刀の扱いだなんて知らないのに、その刀がまるで教えてくれるうようだった。



「!? それは……!」

「おやおや? 予想以上の開花ですね?」

「兄者、離れるぞ!?」

「ですね」



 須佐達が下がってくれてから、穫は軽く瞬きをしてから刀を断片達に向けて。まずは、大きく振りかぶった。



「我が血の盟約により、立ち去れ!ーーーー黄金(くがね)の封刃!!」



 呪文も口にして、大きく薙ぎ払うように素振りをしたら。悪霊達がどんどん小さくなっていくのに、エミがホイホイ言いながらコーヒーのスティックで仕上げをしていくのだった。




「やーるわね? みのりん? 結界師の家系なのに、あたしの配下のはずの金剛刀を所持してただなんて?」



 刀を下ろすと、穫は自分が何をしたのか刀と部屋の惨状を交互に見ながら慌て出した。



「え、え、え!? ななな、なんですかこれ!?」

「おーい、穫ちゃん? 君がやったんやで?」

「え、ええ?! (たくみ)さん、私が何を!?」

「落ち着け、穫。行方不明になっていた金剛刀の所持者がお前だったんだ」

「……こん、ごうとう?」

「今、穫が手にしている刀……正確には(つるぎ)のことです」



 月詠がちょいちょいと穫の肩を掴んで落ち着かせてくれると。穫の右手に、確かに少し不思議な形をした刀が握られていたのだった。



「これ……どこから?」

「穫の心臓部から」

「私、の心臓?」

「この目でしかと見た。姉者が、封印を解除したのと同時に。お前が自分で心臓に手を当てて引き抜いたんだ」

「ええええええ!?」

「なーるほど? 万乗(ばんじょう)の当主がみのりんを始末したがった理由がわかったわ? あたしの配下である金剛刀を我が物にすべく、呪怨に殺させようと……胸糞悪いわね?」



 そして、エミは髪の毛が逆立つくらい怒りを露わにして。それに乗じて、料理や家具が浮いて暴れそうになったので、全員で宥めるのだった。


 落ち着かせた後に、もう悪霊の断片達が来なくなってから少し冷めた料理を全員で平らげて。それから、ソファに置いたままにした金剛刀の解説が始まるのだった。

次回はまた明日〜

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