29-3.退治する方法
お待たせ致しましたー
咲夜達はどうしてしまったのだろうか。
羅衣鬼もだが、咲夜も息切れていた。そして、息が落ち着いてから二人に声をかければ羅衣鬼もだが咲夜にも力強いハグをされたのだ。
「穫〜〜!!」
「無事で……良かった」
「ど、どうしたの二人とも……?」
「我らは、異空間で呪怨と戦っていた」
「へ?」
「マジ??」
あの呪怨は、消滅したはずではと思っていたが。エミはそうじゃないと首を横に振った。
「……大神のおっしゃる通り。あの呪怨はおそらくこの地獄にて、罰を受けていたはず。それを八岐大蛇の尾が取り込んだ。そして……私と羅衣鬼を始末するために差し向けたが」
「咲夜は十束だもの? あたしの配下だった奴の剣がそうそう簡単にやられるわけないわん?」
「……ええ。色々邪魔をされましたが、なんとか」
「咲夜、切れてたもんなー?」
「姉者達!? 和んでいないで手伝ってくれ!?」
忘れかけていた。
今はたったひとりで、須佐が八岐大蛇と対峙していることに。エミは『はいはい』とため息を吐いてから、笑也を内側に宿したまま須佐の方に向かって飛んで行った。
「やるわよー!? みのりんは咲夜が落ち着いてから、こっちに来て!!」
「は、はい!!」
神とは言え、たった二人で。
あの巨大な化け物に、立ち向かえるのは凄いと思う。穫とて、数ヶ月前に呪怨と立ち向かった時は頑張ったと思ったが。
規模が、違う。
巨大過ぎるのだ。頭部もよく見えないくらいに、そびえ立つと言う表現が似合うほど巨大で。
あの人間のような姿が、もう思い出せないくらいに、巨大過ぎて圧倒されてしまう。これと約束をしたのだろうか。
これを、倒せるのだろうか。
未熟な穫では全然わからない。
(けど、倒さなきゃ……)
穫が狙われるだけでなく、もっと大変なことになるかもしれないから。
それはどうしたって避けたかった。
「…………よし、穫。行こう」
息が整ってきた咲夜が、穫の前に立ち上がった。
「……大丈夫?」
「ああ。素戔嗚尊様が、草薙を所持していても……いにしえの方法なきにして、あの巨躯を簡単に倒せるとは思えない」
「方法?」
「強い酒で頭部を弱らせて、切った方法だ。聞いたことはないか?」
「うーん……多分?」
なんとなくでしか覚えていないが。
たしかに、正気でいるあの蛇の化け物にその方法が効くとは思えない。すると、羅衣鬼がポンと手を叩いた。
「んじゃ、俺が雷酒を浴びせてやる!!」
「雷のお酒??」
「酒気を含ませた雷の攻撃だ。やってくる!」
「気をつけてね!!」
エミが守護鬼にさせたとは言え、色々出来るんだなと思うが。彼らの手助けになるのなら、穫も助けたい。
咲夜が剣となって、穫の手に収まってから、穫も羅衣鬼の後を追うようにしてエミ達のところに走った。
次回はまた明日〜




