26-4.掴まれる
お待たせ致しましたー
*・*・*
穫が緊張しまくっていると、斎は柔らかく微笑んでくれた。
「そこまで緊張しなくても大丈夫よ? 達川さん、穫さんの霊力については如何でしたか?」
「そうですね。僕以上……そして、あなた以上ですね? 咲夜が宿っているお陰もありますが、潜在能力がもともと高いからでしょう」
「なるほど。霊力には問題無し。……穫さん、こちらに」
部屋の中央には、笑也が霊力測定にと使ったのとはまるで違う大きな布が敷かれていた。
そこの中央にひとりで座るように言われたので、咲夜と羅衣鬼には離れてもらう。布の中央、星が描かれている場所に座ると、ピリピリした静電気に似た感覚を得た。
途端、赤い光が穫を包み込んだ。
「斎さん!? これは……!?」
「いいえ!? こんなことになるとは!! いったい何が!?」
どうやら、予想通りの事態ではないらしい。
穫はすぐに布の上から離れようとしたが、足が縫い付けられたかのように動けなくなってしまったのだ。
「な……なに!?」
動けないがもがいていると、穫の右足下の布の中から、何かの手が出てきた。青白くて、血色の悪い。だが綺麗な手が穫の足を探すと、足首を力強く掴んできたのだ。
「みーつけたー?」
少し高めの男の子の声だ。
誰だかわからない、だが嫌な予感しかしない。笑也に向かって手を伸ばしても、足を掴む手が布の中に引きずり込もうとしていた。
「笑也さん!?」
「穫ちゃん!!」
笑也も手を伸ばしてくれたが、引きずり込まれる手の力が強くなると同時に。
穫の意識がそこで、ぷつりと途切れてしまったのだった。
次回はまた明日〜




