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24-5.奇稲田姫(須佐視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(須佐(すさ)視点)









 姉神である天照大神(あまてらすおおみかみ)が来るまで、須佐は先に地獄を探索していた。


 己が先日消滅させたはずの、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の尾。


 それの魂の感知があったと、兄神である月読命(つくよみのみこと)へと閻魔(えんま)大王(だいおう)から知らせがあったそうだ。


 だから、月詠(つくよみ)がエミを呼びに行っている間に須佐が探しているのだ。



(……何処だ?)



 気配を探ってみるが、微か過ぎて神である須佐とて感知が難しい。


 宙に浮き、地獄全体を見渡してはいるが八岐大蛇の本体は阿鼻(あび)地獄に保管されている。大王の補佐官達が警備をしているとは言え油断は出来ない。


 かなり苦戦をした前回通りに、尾が復活するとは思えないのだ。



素戔嗚(すさのお)様……」



 探っている途中に、妻である奇稲田(くしなだ)姫がやってきたのだ。彼女は今でも須佐の妻であり、かけがえのない存在である。


 彼女が来たと言うことは、腰に携えている草薙(くさなぎの)(つるぎ)の事だろう。



「剣か?」

「はい。もしもの事があってはなりませぬ。わたくしの力をお使いください」

「頼む」

「はい」



 剣を抜いて、彼女の手の上に刃を置き、奇稲田姫はそっと目を閉じた。途端に、彼女の手から赤く光り出した。



「……我が力。我が神代の魂。宿れ宿れとこしえに。悪しき輩を打ち砕かん」



 カッ、と須佐達を取り囲む光がほとばしったがすぐに消えてしまい。赤い光が宿った剣が完成した。奇稲田姫の力が宿った剣だから、生半可な剣ではなくなっている。



「お前は屋敷に帰れ。巻き込み兼ねないからな?」

「はい。お気をつけて」



 大切な妻。


 子供達ももちろん大事だ。それぞれに妻や夫、子を持っているとは言えど。


 エミともはるか昔に契約で子を成したが、あれは別次元だ。お互いに交わったわけではない。


 須佐は奇稲田姫が帰還するのを見届けてから、阿鼻を中心にして地獄にいるはずの尾の魂を探すのを再開した。


 簡単に見つかるわけにはいかないが、八岐大蛇の復活は阻止しなくてはいけない。


 剣を手に持ったまま、須佐は飛んで行くのだった。


 そうして、阿鼻の領域の手前で見つけた。



「いたか!?」



 微かな、本当に微かな魂の反応。


 切り掛かろうとすると、誰かに肩を掴まれた。



「急ぎ過ぎよ、須佐?」

「……姉者」

「戦うのであれば、我らもいます」

「兄者」



 エミと月詠、二人が揃ったのであれば。天の神の頂点に立つ三神として、三人であの尾に向かって飛ぶことにしたのだった。

次回は土曜日〜

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