24-3.尾との関連
お待たせ致しましたー
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巧の反省時間もひとまず終わり、今度は全く違う八岐大蛇の尾についてだ。
エミがすぐにいなくなっているのもそこだからかもしれない、と。笑也がLIMEでその事について話し合おうと穫と佐和を自分の部屋に呼んだのだ。
「穫ちゃん、咲夜を顕現させてくれる?」
「はい? 咲夜をですか?」
「確認したい事があるんだ」
「わかりました」
穫が頷いたと同時に、咲夜が応答したのか穫の体を発光させてから出てきた。相変わらずの美少女に穫に合わせたような秋物のニットを着ている。出てきた途端に、穫が座っているソファの隣に腰掛けてきた。
「……私が関係していると言うのか? 達川の次期当主よ」
「可能性として。穫ちゃんを狙う理由は、呪怨のことも含めて君が関係していたからね? 穫ちゃん自身の万乗の血の問題もあるけど……君自身、十束剣として、彼女を宿主として選んだ基準を知りたい」
「……穫のためならば」
「話してくれるかな?」
笑也が頼むと、咲夜はひとつ頷いた。
「以前、大神の前で話した時と同じだが。私は万乗の人間だった友を失いたくがなかった故に……彼……昌遠の血に宿る事で命を繋ぎ止めた。だが、一度人間と血の盟約を交わせば……宿主が寿命を迎えても、次代に引き継がれる。善い者もいれば、悪しき者もいた。悪しき者の場合は顕現せずにただ宿る事で事なきを得たが……呪怨を生じさせる結果にはなってしまったんだ。だが、此度のような八岐大蛇が関与しているとは思えない」
昌遠、それが穫や斎達の先祖であり咲夜が助けた万乗の人間。
彼が生きていなければ、おそらく穫達は生まれていなかったはずだ。本来はいけないことだったかもしれないが、咲夜には改めて感謝せねばならない。
でなければ、子孫である穫はいなく、笑也とも出会えなかったからだ。
「となると。咲夜に直接関与するかどうかはわからないってとこかな?」
「……おそらく」
「だとしたら、あとは穫ちゃん単体が狙いか」
「わ、私ですか?」
「ふむ。穫の魂を引き離しかけたくらいだ。その可能性は高い」
佐和も口を出すと、穫はますますわからなくなった。
呪怨の事はともかくとして、過去に八岐大蛇から狙われるような事をしたのかと言われても。
呪怨からの呪いを受けていた時間が長過ぎて、覚えていないのがほとんどだ。羅衣鬼についてもたまたまな部分があり、穫の前に出てくれるまで思い出せもしなかった。
すると今度は、羅衣鬼が穫の影から出てきたのだ。
「羅衣鬼君?」
「……俺、知ってるかも」
「え?」
「違うかもだけど、俺……あの八岐大蛇の尾と穫が会ったの覚えてるんだ」
「詳しく話してくれるかい、羅衣鬼」
「おう」
少し話が長くなりそうなので、笑也と穫で全員分のインスタントで作るカフェオレを淹れ直してから切り出すことになった。
次回は日曜日〜




