22-3.里芋でクリームコロッケ①
お待たせ致しましたー
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急遽、笑也の実家でご飯を作ることになり。珠緒から、お古の洋服を借りて調理することになった。
使用人のイネは調理場から出て行くかと思えば、興味あり気に穫の手を取った。
「まあまあ! 坊ちゃんの婚約者様はお料理もお得意なのですね!?」
「イネさん、まだ恋人なんだけど……」
「あら、坊ちゃん。奥様方にご紹介なさったのですから、イネはてっきり」
「それに、まだ二十歳の学生さんだよ?」
「まあ」
笑也の隣に立っていい。
初対面の人にも思われるのなら、嬉しくないわけがない。
使用人は他にもいるらしいが、今日は所用で出かけているのでイネしかいないそうだ。
だから、五人分プラスエミの分を作ることになり、エプロンをイネに借りてまずは材料の確認。いきなりの料理になったが、使える材料は結構あった。
「あの……皆さん、苦手な食べ物とかありますか?」
「いいえ?」
「ないですね」
「…………」
最後、明良だけ視線が泳いだ。と言う事は、この中に苦手な食べ物があるのだろう。
珠緒達には、苦笑いされていた。
「明良さん? 正直に言った方がいいわよ?」
「……うん」
「父さん、相変わらずダメ?」
「……うん。ほうれん草は、ダメ」
「となると」
そこまで苦手では、原型を失くすようにミキサーにかけても同じだろう。ならば、カニはあるかわからないからトウモロコシのクリームコロッケはと聞くと、明良は目を輝かせた。
「はい。トウモロコシの水煮缶でしたらこちらに」
「では、作っていきましょう」
ただ、里芋があったので里芋を使うことにした。
じゃがいもとか、無しで作るパターンもあるが、芋類を使ったクリームコロッケも美味しいのだ。里芋はよく洗ってオーブンでじっくりと火を通す。
タネに入れる具材を味付けしながら炒めていき、バッドなどに入れて粗熱を取る。
芋が焼けたら、やけどしないように皮を剥いてフォークで潰しておく。
「芋の粗熱を取る時に、炒めた具材を入れておくと早く冷めます」
「穫さん、牛乳やバターも使わないんだね?」
「里芋だと、乳製品を使わなくてもクリーミーに仕上がるんです。アレルギー持ちの人にもおすすめなので」
「なるほど」
明良好みのクリームコロッケではないかもしれないが、きっと美味しいと思っている。衣にも工夫したいところだが、そこじゃ普通の卵液にパン粉にすることにした。
丁寧に揚げている間に、イネがささっと作ってくれた副菜が出来上がっていく。さすがは、ベテランの使用人さんだ。
【あら〜〜? いい匂いじゃない??】
エミも待ち遠しいのだろう。
すぐに仕上げて、イネと一緒に盛り付けてからもさっきの部屋ではなくて、イネも一緒にと大広間に行くことになった。
次回は月曜日〜




