20-3.ほうれん草のクリームコロッケ①
だんだんインスタント食品使わない……
*・*・*
いつもは冷凍食品を使うが、今日は時間もあるので手作りのクリームコロッケを作ることにした。
笑也、佐和、咲夜に羅衣鬼。人数がいるのでタネを冷やす時間を除けば、手早く出来るだろう。
まずは、タネ作りだ。
「実家の食堂で作ってるクリームコロッケを作ります!」
「「「おお!?」」」
「楽しみだね?」
笑也の家の冷凍庫にはもちろんクリームコロッケはあったが、今日はやめておく。
佐和には牛乳パックを、上一面の部分をハサミで切ってもらう。
笑也にはほうれん草を湯がいてもらい。
咲夜には、湯がいたほうれん草を水で冷まして絞り、包丁でざく切りにしてもらう。
「この間見つけたミキサーに、羅衣鬼君。牛乳を目盛りに合わせて入れて?」
「ほーい」
次に、咲夜が用意してくれたほうれん草を入れて撹拌させていく。
このミキサーは笑也の家の物置部屋を掃除していた時に見つけたのだ。きちんと洗って煮沸消毒もしたから大丈夫である。
「穫、ほうれん草のクリームコロッケなのにペースト状にさせるのかい?」
「うちではそうだね? ほうれん草の食感が苦手って子供のお客さんがいたから、お父さんが頑張って考えたの」
「ほう?」
穫の場合、ほとんど苦手な食材がないので父親達から頻繁に味見係にさせられたのが少し懐かしい。
完全に牛乳がほうれん草の色になるまで撹拌出来たら、次に小麦粉。
その次は、少々力仕事なので笑也にお願いすることにした。
「穫ちゃん、バター溶けたよ?」
「はい。じゃ、これを入れていきます」
青年姿になるようにお願いした羅衣鬼に、ミキサーの取っ手を支えてもらい。笑也が見てくれていた深めのフライパンにゆっくりと注いでいく。
「うーん。これをホワイトソースよりも硬めになるまで煮詰めるのかな?」
「はい。さすがです!」
「穫ちゃんほど料理は出来ないけどね?」
そうは言っても、インスタント食品の研究家だからこそわかるのだろう。
煮詰め具合もわかっているのなら、笑也に面倒を見てもらうのを頼んでいる間にスープやパンかご飯にするか佐和達と考えることにした。
そして出来上がったタネの素に軽く味付けをしてから。
「佐和ちゃんが用意してくれた、牛乳パックの型に入れて」
乾かないようにクッキングシートを表面に張り。粗熱が取れてから冷凍庫に入れようと決めていると。咲夜がくいくいと服の裾を引っ張ってきた。
「冷やすのだろう?」
「うん、そうだけど?」
「完全に凍らせなければいいのなら、私がやろう」
「へ?」
「はは。十束剣が瞬間冷凍装置って」
「美味なる食事を食べたいがためだ」
「なるほど」
と言うわけで、二時間必要だったのを。咲夜が本当に瞬間冷凍してくれたのでさっさと終わってしまったのだった。
「これを俵型にして」
佐和がスープを作っている横で、穫と笑也がタネを丸めていく。咲夜達には力加減の関係でうまく作れそうにないので。
衣をつけて、高温の油で二分くらい揚げれば。
「出来上がりです!」
「「「「おお!?」」」」
味見をしたいところだが、ご飯が炊ける時間も目前だったので。笑也には巧を呼んでもらい、穫達でテーブルに食事をセッティングしていると。
【つっかれた〜〜〜〜!!!!】
【ですね……】
【応……】
昨日ぶりに会うエミ達が。
物凄く疲れた表情でソファの上に雪崩込んできたのだ。
次回は火曜日〜




