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エピローグ
道なきこの地上に、地平なき空のもとに
ぼくらの迷いこむ数々の理由
袋小路の壁に向かって僕らは何を祈るのだろうか
神を知らないこの身の上に
罪を知らない生命のわずかな灯火に
生命すら知ることのなくなったこの夢の続きに
出口のない地獄という名の楽園に
言葉は意味を持たなくとも
すがるべき未来も過去も持たぬものに
愛しきものを持てるのだろうか
言い換えよう。
誰かを大事にできるのか
誰かを求めようと思うのか
それがどんなに叶えられない夢であろうとも
過去は裁かれてはいない
裁いても意味を持たない
過ちは取り返せない
未来も肉体も何もなくても
それでも希望があるとしたなら
「……………………」
「……………………」
「君は…………あ………………とても……」
「う……………………あんたも」
暁の女神よ!
望みうる道を示せ
海綿囲いの牢獄のそとに
狂おしいこの想いを、求め合うその魂を
肉も骨も持たない無力な恋を残滓と呼ぶのであろうか。
絶望に希望はないのか。ならなぜに死者の存在を許すのか。
この答えを。ありえない希望を。
果てしない、果てしない絶望の果ての
回答を示せ
ぼくはアンリ
あたしはアンヌ




