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第15話

 畑の草むしりを終えて次のレオさんの休みを待って、休みの日が来たらほうれん草の種を植えに朝早くに畑に来る予定だった。


隣で作業をするレオさんは私を見て


「ティーさんが珍しく朝寝坊するなんてね」


「う、ごめんなさいレオさんほうれん草の種蒔きが楽しみで、昨日の夜に中々寝つけなかったの」


 レオさんと一緒に畑にほうれん草の種を蒔きに行くと考えただけで嬉しくなり、昨日の夜は気持ちが高登ってベッドに早く入っても寝付けなかった。


 案の定寝坊をしてしまい起きた頃にはレオさんの朝ご飯が終わり、私の分の朝ご飯がテーブルに用意されていて、お昼のお弁当もバスケットに用意してあった。


「そうかほうれん草の種蒔きが楽しみだったのか、実はと言うと俺も楽しみにしていたよ、でもティーさん今日は帰ったら早く寝るようにね」


「はい、わかってます」


 畑に着いたら先にお昼を食べようとレオさんに言われて、2人で畑の隅の岩に腰を掛けバスケットからお弁当箱を出して開くと、お弁当の中身はレオさんの作ってくれた野菜たっぷりサンドイッチ。


 野菜がシャキシャキで余りにも美味しくて、朝ご飯を食べてまだそんなに立っていないのに、夢中で食べていた。

 隣に座ったレオさんにバスケットから水筒を出し紅茶をカップに入れてくれる。


「はいティーさん、サンドイッチはどう?」


「ありがとうレオさん、サンドイッチ美味しいです」


「そうか、それは良かった」


 美味しいサンドイッチに紅茶でお腹が膨れたら少し休んで作業を開始。


 レオさんが鍬で掘った溝に私は持って来たほうれん草のタネを蒔きレオさんが土を被せる。

 作業も順調に進み、ほうれん草のタネを半分くらい蒔いた所で声が聞こえて来た。


「あらーっこんにちはレオさんとティちゃん。今日も仲良く畑の仕事かい?」


「こんにちはおばちゃん。今日はレオさんとほうれん草のタネを撒きに来たんです」


「こんにちは、おばちゃん」


「はい、こんにちはレオさん」


ふうーっと自分の畑のいつもの石に腰を下ろして、休みながら私達を見てニコニコと微笑む。


「ほんとレオさんはいいお嫁さんをもらったわね。あんたいつも寂しそうだったから」


「おばちゃん!」


おばちゃんに言われてレオさんが慌ててるわ、いいお嫁さんかそうなれたらなぁ。


「さてと、レオさん始めますか?」


「そうだな、おばちゃんも草むしりをするなら腰に気を付けて、また俺が塗り薬を持ってくるから」


「そりゃ、ありがたいね」


それから作業をしながらおばちゃんの息子さんの話にお嫁さんの話を聞きいた。


作業も順調に進みタネを巻き終えた。


「ティーさんはここで休んでて」


 私に休憩をくれてレオさんはお隣のお手伝いに行った。おばちゃんが刈り取った草を一まとめにしている。


「助かるわレオさん、ありがとうね」


「気にしなくていいよ、おばちゃん」


 日も陰り種まきも終わったので帰ろうとすると、おばちゃんはレオさんに近寄りバンバンとレオさんの背中を叩く。


「レオさんはちゃんとティーちゃんを捕まえとくんだよ。この子はいい子だよ、こんなにいい子はいない」


「そんな私は…」


「おばちゃんティーさんがいい子なのはわかってるよ…ちゃんと大事にしてるから」


 レオさんの答えに「そうかい」と、おばちゃんは嬉しそうに笑うと畑仕事を終わらせ「またね」と村へ帰って行った。


「ティーさん俺達も家に帰ろう、今日の晩御飯何にする?」


「うーん。レオさんは何が食べたい?」


「なんでもいいなあ、そうだベーコンって残ってる?」


「ベーコンですか?まだ塊の半分くらいしか使ってないので残ってるよ」


 そう言ったらレオさんは腕組み


「うーん、パスタがまだ2人分残ってたからベーコンにほうれん草で…よし今日の晩は俺がほうれん草とベーコンでクリームパスタを作ろう」


「やった!私はお手伝いをしますね」


 その日の晩御飯は美味しいレオさん特製のほうれん草とベーコンのクリームパスタでした。


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