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第11話

「ここが今日からティーさんの寝室ね」


レオさんに屋敷の中の案内と、私の寝室を見せてもらった。

中にはベッドに机、クローゼットが置いてある、立派な部屋だった。


「レオさん、ここを私が使ってもいいのですか?」


「いいよ、気に入ったみたいだね。俺はいまから仕事に行って来るよ。帰りはそうだな仕事の進み具合で変わるから、早いとお昼頃、遅いと夕方かな」


「はい、分かりました」


「今日はゆっくりしていて、お昼はキッチンに何でもある物を食べていいから、暇だったらティーさんの部屋から左に二つ隣の部屋が書庫になってる、余り面白い本はないかもしれないけど、退屈しのぎにはなるだろう」


書庫か後で覗いてみよう。


「俺は着替えたらすぐに出るよ」


一通りの説明をすると、レオさんは自分の部屋へと戻った。


今日からここが私のいる場所。

前の事を忘れることは出来ないかもしれないけど、新しい日々をここで過ごしたい。


レオさんの為にまずは美味しい料理を作りたい、洗濯やお掃除も頑張るぞ!


「ティーさん、行ってくるよ」


「レオさん!」


急いで玄関に向かい、仕事に向かう、半獣の姿になったレオを見送りした。


「レオさん気を付けて、行ってらっしゃいませ」

「うん、行ってくるよ。ティーさん帰りに色々要る物を買って帰るから、楽しみに待っててね」


そう言って仕事に向う、レオさんの後ろ姿は何故か、ウキウキと楽しそうに見えた。


☆☆☆


お昼を簡単に済ませてた私は、書庫で革張りの大きな椅子に体を埋め寝ていた。


書庫を覗きに言ったら、大きな革張りの椅子を見つけて座ったら、余りの座り心地ちの良さにスーッと眠った。


旅の途中は余り眠れなかった、リオン君の夢を見たり、寝る場所や環境が違って、夜中に何度も目が覚めた。


眠くても寝れないそんな日々が続いた。

でも、早く離れたくて、離れてしまいたくて、相乗り荷車に乗った。


相乗り荷車も人が混む時や少ない時、知らない人に囲まれて、緊張をしたのを覚えている。


お金が尽きて森の中で眠り、助けてくれたレオさんの温かい腕の中で、私は久し振りにグッスリと夢も見ずに眠れた。


そう、今日もレオさんが仕事を終え帰宅するまで、グッスリと革の椅子で眠った。


「すみませんレオさん。お出迎えもせず寝こけてしまって、ごめんなさい」


「いいよ、あの椅子気持ちいいだろう。俺も良くあそこで、本を読みながら昼寝をしているから大丈夫だよ」


レオさんは仕事終わりに私の買い物を済ませ、家に帰りキッチンのテーブルに荷物を置き、一発で私のいる場所を当てたみたい。


「ティーさんただいま」と書庫の扉を開け…私は目を覚まして驚き、寝ぼけて椅子から落ちた。


「でも、ごめん驚かせたね」


「大丈夫です、それよりもこの荷物は?」

「全部、ティーさんに買ってきた!」


荷物を開けながら、笑顔で答えるレオさんがいた。

袋から出してはテーブルに並べていく


「これがね、パジャマでこれが仕事着…これが普段着、歯ブラシにタオル、櫛に髪留め、化粧水に下着」


下着、それまでレオさんは買ってきたの?


「あっ、でもね。一つだけ言うとこれ全部は獣人用なんだ、人間の店に入るのはちょっとね、だから行きつけのお店で、おばちゃんに聞いて選んでもらったよ」


本当だどれもこれも、みんな尻尾の穴があいてる…私は手を伸ばしてそれを抱きしめた。


「嬉しいレオさん。ありがとうござます、大切に着ます」


「よかった、喜んでくれて…穴が気になるなら、針と糸を貸すから俺の古着で縫っちゃって、ティーさん縫うの得意だろ、この前見た時に花柄に縫ってあっ……あっ!」


レオさんがしまったと、慌てて口を押さえた。


花柄…に縫ってあった?

それは、私のパンツに縫ってあった、お花の形をした縫い目ですね!!


やっぱりあの時、レオさんに見られていた…あのヨレヨレの下着を…。


「ああ、ティーさんごめん」

「ううん、いいの」


恥ずかしい、気まずい、頬に耳が熱い。

あれ、レオさんの頬も赤い?


そうこの時2人は、私のパンツに縫ってあったお花の形の縫い目を、思い出していたに違いない。


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