不穏の予感
私は喫茶店でお茶を静かに飲んでいた。私も女だからこういう所でゆっくりしたい所もあるわ。コーヒーを啜り一息つく。
怪盗トロスパート…怪盗 怪盗 トロスパート トロスパート トロスパート 怪盗 怪盗 怪盗 怪
「あああ!!何で何奴も此奴も怪盗だトロスパートだ言ってんだァ!!ここはゲンベルト国だろぉ!?怪盗トロスパート何て国なんか聞いたことがねえよ!!それともあれか!?お前の名前は怪盗トロスパートかァァァ!!!!」
バッと起き上がった。夢か。窓の外を見ると昨日よりももっと混んでいるのが分かった。今日が私の今回のストレスの元凶が行動を起こす日か。今見た夢もあって外に出る気になれない。私はカーテンを思いっきり開けた。窓から見えるのはガラスで出来たオブジェクトが置いてある。そう、ここは博物館の真ん前の部屋なのだ。素晴らし過ぎる。邪魔ならいくらでも出来る。私は笑いながらカバンの中からスナイパーライフル、サブマシンガンを出した。リロードなんてしなくても引き金を引くといつでも弾が射出される素晴らしさ。私は自分の能力が大好きだ。恵まれすぎている。とりあえずどうしようか考えた。まず、奴について調べた。だいたい手口は掴めた。ただ、一つ気になるのは何故『深紅と漆黒の水晶』?あそこにはもっと高額のものもあるのだが。因みに私はアレの正体は知っている。とりあえずアレを盗まれるわけにはいかない気がした。嫌な予感がする。今までただの憂さ晴らしだったが、今この事を考えた時に一気に寒気がした。姉貴に頼るか。いや、それは…
私は少し考えた。結局、私は実質的には同じ奴を狙っているから手を組んでいるのと変わらない。そう片付けた。
サツが感じた嫌な予感。それはただの盗みか、それとも。次回へ続く




