白柳サツ
私は白柳サツ。今は殺し屋をやっている。昔のことは忘れたことにした。だから自由に生きている。細い路地を向こうからターゲットがやって来る。人がいないことを確認した。
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「どうもご苦労。奴を殺してくれたね。」
私は無言で頭を下げた。
「ほら、報酬だ。また腕のいい君に頼もうと思うよ。もしも、殺したい人が増えたらね。」
私は封筒を受け取り、その家を出た。迎えの車がいて、それに乗り込んだ。
「報酬を見せな。」
サングラスをかけたゴツい男性が封筒を受け取ろうとする。私は彼に渡した。彼は封筒の中身を取り出して、枚数を数えてその一部を渡した。
「1、2、3、4万Jが今回の分け前ね。」
私はタバコを取り出し吸った。
「おい、車内ではやめろ。相方が禁煙中だからタバコの匂いが付いたままだとキレるんだ。」
私は窓を開け、タバコを投げ捨てた。車は発射し、本部へと向かった。本部についた後連絡があった所長室に行くことにした。何人か人とすれ違った。彼らもまた、殺し屋だ。殺気が感じられないが、うちには確実にターゲットを仕留める事への強い執念が潜んでいる。私は所長室へつき、ノックをし入った。
「こんにちは、ハバリギ所長。」
もう死体が機械の椅子に座っているような人物が私の方を見る。彼は口を開けずにただ虚ろな目を私に向けた。
「よくぞ来た。実はそなたに新しい仕事を頼もうと思ってな。」
ようやく死体の様な顔に表情が宿った。彼の頭に繋げられた配線から脳波が送られ、機械が話す。
「解体屋がターゲットだ。依頼主も解体屋。同業者のトラブルが原因だ。殺さずに動けないようにして、捕らえる事が今回の依頼だ。」
彼は一息ついた。
「今回の報酬は何割で?」
「フハハ…やはりそういうと思った。よかろう、今回は6割だ。」
私はガッツポーズをして、笑顔を全開にした。
「普段の活躍を見ての判断だ。お前には期待しているからな。」
「ありがとうございます。」
機械の椅子が動き彼は窓の外を見つめた。
「そうだ、後もう一つ。」
再び彼は私の方を見た。
「お前にパートナーを支給する。腕前はお前ほどだ。明日の依頼から合流となる。仲良くしな。」
私ははい、と言って一礼して部屋を出た。一体どんな奴か。普段人には興味は無いが、今回ばかりは楽しみだ。
殺し屋のビジネスは闇と共に広がる




