表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
師匠★無双〜俺がパワーレベリングされた訳〜  作者: 名明伸夫
第1部〜王都へ〜
3/18

episode01【旅の始まり】

 その日の夕刻──


 俺達は村から続く街道を歩きながら、ロエルの旅の目的について話をしていた。

 どうやらロエルは“王都リュクスヘイム”とやらに友人が居るらしく、今回の旅の目的はその友人に会いに行くことだったらしい。


 とは言え、この広いロンデロン大陸を旅する上で徒歩移動というのは、あまりにも無謀バカとしか思えなかった。


「なぁ、ロエル」


「何ですか?」


 そんな俺の気を知ってか知らずか、ロエルは呑気に遠くの風景を眺めながら応えた。


「そのリュクスヘイムって所はこのまま歩いて行ける場所なのか?」


「まさか。歩いて王都まで行ったらそれだけで三ヶ月はかかりますよ」


「さ、三ヶ月ぅ?!」

 ロエルの口から語られた衝撃的な事実に、思わず腰が抜けそうになる。


「じゃあどうするんだよ! この街道だって馬車どころか、さっきから俺たち以外に人っ子ひとり通りゃしないじゃねえか!」


「なあに、心配は要りませんよウィル。もうそろそろですから……」


「そろそろって何が?」


「まあまあ、それは着いてからのお楽しみにしておきましょう」

 ロエルは不敵な笑みを浮かべると、鼻歌を歌いながら足取りも軽やかに歩き出した。


 果たして本当にこの人について来て良かったのだろうか……

 そんな一抹の不安を抱えながら俺はロエルの後について歩いた。



  ✳︎  ✳︎  ✳︎



 そして、それからおよそ一時間程歩き、陽も落ち始めた頃。


「おや、どうやら見えて来ましたね」


 そう言ってロエルは道端に建てられた粗末な立て札を指差した。

 近付いて見ると、そこにはお世辞にも綺麗とは呼べない字で


【旅人、商人歓迎! この先モカの村⇒】


 と書かれていた。



「陽も落ちて来ましたし、今日はこの村で泊まることにしましょう。もしかしたら、馬も借りられるかもしれませんしね」


 そう言うとロエルは俺の返事も待たずにさっさと村の方角へと歩いて行ってしまった。


「ちょっ、ロエル!」


 俺は半ばロエルの勝手さに呆れつつも、歩き続けた疲労感からようやく寝床で寝られることに安堵していた。





 この時までは……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ