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しもつけそう。  作者: 白菜
第一話 隣の住民はドジを拗らせている
7/61

さりげないクンカクンカと締まらないワンシーン

 あの後、乙女は丘夏とゲームをやり続け、あっという間に時刻は十二時を回っていた。




「丘夏。次……あ」


 次のゲームを始めようとしたところで乙女は微動だにしない丘夏に気がつく。

 丘夏は寝息を立て、コントローラーを握ったまま寝落ちしていた。

 勉強で疲れていたのだろうか。それとも遅くまで起きているのに慣れていないのだろうか。

 多分、両方なのだろう。


「……むー。夜はまだまだ続くのに」


 遊び足りない、と乙女は不満を漏らす。

 しかしいくら何でも寝ている丘夏を起こす事はマズイ。

 諦めて、乙女は持ってるコントローラーを床に置いた。

 満足しきってはないが、ある程度遊んだ乙女は立ち上がり、背筋を伸ばす。

 それからはたと丘夏を見る。

 ……寝ている。完全に寝ている。

 熟睡している、と言ってもいいだろう。


「……ん!」


 ニヤリ、と口元を釣り上げた乙女。

 この笑みは悪い笑みだと自分でも分かった。

 こっそりと丘夏に近づいた乙女は、まず丘夏の頬を人差し指でつんつんと突いた。

 起きない。無反応だ。

 起きてれば小言をぐちぐちと言ったり、乙女の事をからかったりするというのに寝てしまえば静かなものだ。

 日頃の仕返しだ、と乙女は丘夏の額に軽くデコピンした。


「これに懲りたら、小言やからかいは禁止」


 べぇー、と舌を出す。

 少し、すっきりした。

 丘夏と出会ったのは二ヶ月前。

 元々、波長は合っていたのかもしれない。

 会って、喋って、遊んでいたら、いつ間にか惚れていた。

 勿論これは今は乙女の一方通行だ。

 だから友人のような関係を築いているのも仕方がないといえば仕方がない。

 そういう関係は嫌いじゃないし、例のドジのせいで友達の少ない乙女にとっては喜ばしい事だ。

 けれど乙女も女の子だ。もっとこう……友人とは違う、何かそういう関係があるのではないかと思わなくはない。

 思い切って告白すればいいのだろうか。それともさりげなく好意を示してみるのがいいのだろうか。

 考えながら乙女はほぼ無意識に丘夏の頭を撫でていた。


「……寝顔、可愛い」


 自分で言っておきながら乙女は顔を赤面させ、手で覆い隠した。

 この状況でキス、だとか抱きつく、なんて選択肢が出てくるなんてそこまで自分は破廉恥だっただろうか。

 いや、意中の相手が無防備でいるのを前にして、何も思わない方が異常だろう。

 そう言い訳して、乙女はブンブンと首を振った。


「……帰ろっと」


 この場にはとてもじゃないがいられない。

 慌てて乙女はその場で立ち上がった。

 結局、乙女は頭を撫でる以外に何もしなかった。

 そういえば、と乙女は思う。

 あのままだと丘夏は風邪を引いてしまうのではないか。

 確か毛布は押入れにあったはずだ。

 一応、漁らせてもらいますと一声かけ、乙女は丘夏の部屋の押し入れから毛布を一枚取り出した。

 クンカクンカと匂いを堪能した後、そのままその毛布を丘夏にかけてやる。

 これで、よし。

 最後に丘夏の安らかな寝顔を確認し、乙女は電気を消す。




「おやしゅみ、丘夏」




 思い切り噛んだ。

 キャラプロフィール①


 名前 那須野なすの 乙女おとめ

 性別 女

 年齢 16歳

 誕生日 4月8日

 血液型 A型

 身長 155cm

 好きなもの ゲーム(格ゲー)・苺・丘夏

 嫌いなもの・苦手 勉強・苗字で呼ばれる事

 特徴 ドジ・初めて会った人の性別が見分けがつかない

 趣味・特技 機械じみたコントローラー操作

 休日の過ごし方 丘夏と遊ぶ

 将来の夢 嫁に行くこと

 座右の銘 嫌いはものは嫌いだと言えばいい




 下野荘の部屋


101:?

102:?

103:?

104:?

105:?

201:?

202:?

203:那須野 乙女

204:鴻野山 丘夏

205:?


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