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しもつけそう。  作者: 白菜
第三話 丘夏君によるお料理教室
24/61

ホットケーキを焼く前のドロドロしたやつは何て名前なんだろう?

 ホットケーキの作り方は非常に簡単だ。

 用意するのは卵、牛乳、ホットケーキミックス。

 端折って言ってしまえばこれらを混ぜて焼くだけ、という小学生でも出来る料理手順だ。勿論、これはホットケーキミックスを使った場合で、使わない場合はもう少し手間がかかる。まぁ、その場合も混ぜて焼くという事には変わらないのだが。




 というわけで料理手順その①。

 ボウルに卵と牛乳を入れ、混ぜる。


「乙女ちゃん、もう少し力入れないと殻は割れないよ?」

「こ、こう……?」

「なんで拳で叩き割ったの⁉︎ 中身が飛び出ちゃってるよ⁉︎」

「もう一回……えいっ」

「握りつぶすのも駄目だよ⁉︎ 殻までボウルに……!」

「……卵の殻にはカルシウムが多く含まれてるって聞いた」

「食わせるつもり⁉︎」



「丘夏。ミルク出せる?」

「どうして僕の胸を見ながら言うのかな……?」

「私は妊娠してないから……母乳が出せない」

「僕も出せないよ! というかやっぱりそういう事か!」

「丘夏なら出せると思ったのに。これだと美味しいホットケーキが作れない」

「卵の殻が入ってる時点で既に美味しいとは言い難いと思うよ⁉︎」



「ちょっ……! 乙女ちゃん、もう少しゆっくりかき混ぜて! 飛び散ってるから! 僕の顔にぶっかかってるから!」

「ゆ、ゆあんにもかかってるぞ! 白いものが体にかかってなんだかエロい感じだぞ⁉︎」

「だったら拭きなよ!」

「エロい感じだぞ⁉︎」

「何で二回言ったのさ! というか何だか喜んでない⁉︎」

「色気的なものが出てないか⁉︎」

「いや全く」

「兄ちゃん、アッパー!」

「ごふぁっ⁉︎」


 手順その②。

 ホットケーキミックスを入れて、さらに混ぜる。(少しダマが残る程度でOK)


「ああっ、ドロドロしたものが顔にかかってしまったぞ⁉︎ 更にいやらしい感じに⁉︎」

「そ、そうだね。いやらしい感じになったね……」

子供・・では出す事が出来ない色気が出てしまったな!」

「ああ、そういう事……って、乙女ちゃん⁉︎ 元が盛大に顔にかかってるんだけどどうしたの⁉︎」

「色気、出てる?」

「わざわざゆあんちゃんに対抗しようとしなくてもいいんだよ⁉︎」



「もうそろそろフライパンで焼いても……」

「……投入」

「ちょっと⁉︎ 今、何を入れたの⁉︎」

「苺は最強……! 入れたらきっと美味しくなる……!」

「一緒に食べるならまだしも元にぶち込んだらきっと美味しくはならないよ⁉︎」

「じゃ、ジャムじゃないと駄目? なら私の部屋から……」

「ゆあんちゃん! 今すぐ乙女ちゃんを止めるんだ!」


 手順その③。

 フライパンで弱火で焼く。


「……焼けない」

「そりゃあ苺が丸ごと入ってたらそうなるよ……」

「火力、アップ」

「焦げる焦げる焦げる! 強火でやったら焦げちゃうって!」

「焦げは砂糖で誤魔化す。更に砂糖を上にまぶせば……大丈夫」

「砂糖は焦げや味を誤魔化すための調味料じゃないからね⁉︎」

「苺なら……いける」

「いけないよ! まっ、その苺をどうするつもり……更に投入したああぁぁっ⁉︎」




 二時間後。

 苦労の末、こうしてホットケーキ(らしきもの)が完成したのだった。

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