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落下物にご注意

 朝食を食べ終えた俺とゆうと弥野先輩は食器を厨房に返し(お礼は忘れずにしましょう)、ランチルームを後にした。弥野先輩は寮の二階にある自室へ着替えに行き、俺とゆうは取り敢えず寮のホールに向かってみる。通路を通って寮の二階に行く階段を登ろうとした時、勢いよく二人の女子が二階から吹っ飛んできた。ゆうと一緒にしゃがんで避けると、女子二人はドスン!と音を立てて一階に落下する


 ある意味、空から女の子が降ってきた、だな。空じゃないけど


 階段の下で折り重なり、目を回している二人。その姿をチラ見しつつ二階に上がると、階段の上で制服姿の男がパキパキと指を鳴らしながら仁王立ちしていた。そいつの後ろにボンヤリと鬼みたいなのが見えるが気のせいか?



??

「あちゃー、人が居たか」


ゆう

「魁人さん」


魁人

「一年生の・・・庭園と大宮か。俺は神浄(かみじょう) 破魔宮(はまのみや) 魁人(かいと)だ。さっきのとぶつからなかったか?」


ゆう

「大丈夫です」


和貴

「アレ何ですか?」



 二階から二人の女子が落ちてきたのだが、ゆうと和貴はそちらを気にしていない。男としてそれはどうなのだろうか・・・


 気にされず、アレ呼ばわりされた一階の女子は別の階段から降りてきた弥野、神施蝋、そして、神施蝋の同級生である赤羽(あかばね) 龍斗(りゅうと)空崎(そらさき) 彩音(あやね)大地(だいち) 春沙(はるさ)如月(きさらぎ) 舞奈(まいな)の計6人に眺められていた



魁人

「あー、追っかけ疫病神」



 ひどい言われようである



和貴、ゆう

「「成る程」」



 和貴とゆうの方がもっとひどいのである



魁人

「ところで、8時半から赤羽たちが校舎案内をするから半近くになったらランチルームに集まっとけ」



 それだけを伝えると、神浄先輩は俺たちの横を通って階段を降りていく。何かを聞きそびれた感じがするが、まあ、いいか



 ※ホール、別名多目的室は生徒たちが自由に使える部屋である。備え付けの本棚には漫画やラノベや文庫本に心理学の本が並び、地デジ対応の薄型テレビ、P〇2にP〇3が置かれている。テレビの横には名前シールが貼られたカラーボックス(三段)があり、上から黒月、神施蝋、弥野と書いてある。冬はこたつが用意される



 ホールに到着した俺たちは真っ先に本棚に寄った。様々な漫画が揃っていてどれを読もうか迷ってしまう。上から順々に眺めていき、子供の頃に近所の医院で読んだホラー漫画を手に取ると横から「あっ」と女の子の声がした



和貴

「え?」


??

「その本・・・読むの?」



 横を向くと、いつの間にか焦げ茶色のミディアムヘアの女の子が俺のそばに来ていた。女の子の手がホラー漫画を指差している



和貴

「・・・読みたかった?」


??

「・・・うん」


和貴

「じゃあ・・・」


??

「あ、読んで良いよ。後で読むから」


和貴

「そうか?」



 女の子は別の漫画(亜人の男の子が海賊と冒険する話。結構面白い)を取ってソファに向かった。ゆうは一足先に何冊か漫画を取っていって、椅子に座って読み耽っている(ゆうが読んでいるのはアニメ化と映画化した漫画。下ネタとか多いけど、決める時は決めるから人気がある)



(さて、何処に座ろっかな・・・)



 空きがあるのは女の子が座っているソファだけ。少し考えたが(横に座るのはなんとなく気まずい)、結局、女の子の隣にお邪魔した。ゆうをチラリと見ると口が曲がっている。にやけてるんじゃねーよ、マジで。目がニヨニヨしてるぞ



和貴

「・・・」


??

「・・・」



 漫画を読んでる時って無口になるよな。な、なるよな。な!?



ゆう

「ハッグシュ!」


和貴

「・・・」(無言でストレートティッシュアタック


??

「ねえ」


和貴

「はい?」


??

「二人の名前知らないから教えてほしいんだけど、良いかな?」


ゆう

「庭園ゆうだ」


和貴

「大宮和貴だよ。えと、君は?」


悠希

「ゆう君と和貴君ね。私は二年の鬼山悠希」


ゆう

「鬼山って確か科学の担任じゃなかったっけ?」


悠希

「それはお母さんだよ」


ゆう

「お母さん?」


悠希

「私のお母さんここで働いてるの」


和貴

「へーぇ」



 和気あいあいと話している和貴たち。青春とはこういう事を言うのだろう・・・。何気に良い雰囲気の和貴と悠希・・・うらやまけしからん


 漫画を読みながら話し込んでいると、ホールのドアが開き20代くらいの赤髪の男が顔を覗かせた。髪の色が派手だな〜



??

『そろそろランチルームに行け、25分だぞ』


和貴、ゆう

「「マジでぇ!?」」



 現在の時刻→8時25分

     マジです



和貴、ゆう

「「これ、お願い!/よろしく!」」



 悠希に本を任せてランチルームに急ぐ和貴とゆう。キョトンとした顔の悠希は瞬きを繰り返し、呼びに来た赤髪の男は呆れ顔でポツリと小さく呟いた










??

『忙しない・・・』


出演者の小説紹介



『人外戦記・UM』


・神浄 破魔宮 魁人


『ドラゴノイド〜龍化病〜』


・赤羽 龍斗

・空崎 彩音

・如月 舞奈

・大地 春沙

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