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月影高校

 俺こと『大宮和貴』が入学したのは寮付きの私立『月影(つきかげ)高等学校』。俺の家からそれなりに近く、普通の高校と比べて(様々な理由で)学費が安い。運が良かったのかは分からないが、入学希望者が少なかったのですんなりと入学に漕ぎ着け、今日はその入学日である


 空は雲ひとつ無い晴天に恵まれ、虚空に舞う桜の花びらが俺達を歓迎しているようだ。ゆうと一緒に生徒玄関に向かっていると、不意に「君たち!」と男の声が聞こえてきた



和貴、ゆう

「「は?/ん?」」



 声がした方に顔を向けると、スーツ姿の男が爽やかな笑みで俺とゆうに近付いてくる。この高校の関係者か?と疑問を浮かべたら、見透かされていたかの様に男は自己紹介を始めた



焔蒼

「ああ、やっぱり新入生か。どうも、此処で用務員として働いている黒月焔蒼だ。よろしくな!」


和貴

「大宮和貴だ」


ゆう

「庭園ゆうです」



 自己紹介をされたのでこっちも自己紹介を返すと、黒月焔蒼(めんどくさいので以降、用務員)さんはまた爽やかな笑みを浮かべた。特に話すことも無いので(会ったばっかだし)会釈をして用務員さんと別れた


 暫く歩くと燐たちが目付きがちょいワルで知的な男子に会釈をして玄関に入っていったのが見えた。そいつは手に持っていた紙に視線を落とし、ぶつぶつと何かを呟いている。近くまで寄っていくと視界の端に入ったのか、俺達の方に視線を移しにこりと微笑んだ



「やあ、大宮和貴君と庭園ゆう君だね?」


和貴&ゆう

「「はい」」


「初めまして、僕は三年生の神施蝋零。そこに居るのが二年生の弥野音流」


音流

「・・・(カクッ」



 寝てっぞ、おい。誰がって、弥野音流って先輩が。弥野先輩は靴箱の隣で立ったまま器用に寝ている。俺達が喋っているけど起きる気配がない・・・って事は、熟睡してんのか?



ゆう

「音流が寝る」



  ゆうがぽつりと一言冗談



ゆう、零

「「・・・フッ」」



     〜移動中〜



 弥野先輩を放置して俺とゆうは神施蝋先輩の後ろを付いていき、寮に荷物を置いてきた。そして、今、俺達はランチルーム(食堂)に向かっている。入学式ならぬ入学パーティに出席するため



音流

「Zzz」



  まだ寝てたんか、弥野先輩



???

「起きろ、音流」ベシ



 俺が呆れていたら黒髪で毛先が白い女子が横を通りすぎた。女子は弥野先輩のところに行って遠慮のえの字もないまま頭を(はた)くと、やっとで弥野先輩が起きた。まだ、眠そうな目だなぁ



音流

「んあ・・・。ルピカか、はぁによぉ・・・」



 でかい欠伸をしつつ返事を返す先輩。せめて、隠せよと思うのは俺だけか? 自分を起こした女子をルピカって呼んでるって事は、同級生なのか。結構、仲が良さそうだなぁ



ルピカ

「入学パーティだ。さっさと来い」むんず


音流

「ねーむーいーのー」ずーるずーる



 やる気がない抗議をしながら引きずられていく弥野先輩。先輩を引きずっていくルピカって女子は手慣れた様子だ。呼び捨てしてたから同級生か



和貴

「弥野先輩っていつもああなんですか?」


「365日、睡眠時間を除いて残りの時間はあんな感じだよ」


ゆう

「ルピカって女の子、弥野先輩の知り合いですか?」


「幼馴染みらしい」


和貴

「成る程・・・」


「さて、ランチルームに急ごうか」


ゆう

「そうですね」


 入学パーティとはどんなのだろう・・・


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