第五十二話 悲劇の日
「今日は親類の方々がいらっしゃる日だったわねぇ・・・買出しに行ってこなくちゃ。」
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「ママー、どっかいくの?」
「ええ、お買い物に行くのよ。」
「おれも行く!」
「はいはい。あら・・・。」
「静香も行きたいってー!」
「しょうがないわね・・・三人でお買い物行きましょっか。」
「うん。」
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「いい天気ねぇ・・・先に洗濯物を干してから出かければよかったわ。」
「ねーママ、どこいくの?」
「とりあえずー・・・近所のスーパーにね。おもてなし用に食材を買わないとだから。」
「ふーん?」
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「ママー!これ買ってもいい?」
「うーん・・・じゃあそれ一個だけよ?」
「うん!」
「わたしもこれー。」
「はいはい。一人一個までね。」
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「あら・・・さっきまでいいお天気だったのに急に曇り始めたわね。」
「ママー近道教えてあげるよ!」
「近道?」
「うん。おれがしゅうちゃんと遊んだ時に見つけたんだー!」
「へぇ・・・じゃあそっちから行きましょうか。雨ふられても困るしね。」
「こっちこっちー。」
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「・・・なんかすごいところね。」
「みんな知らない秘密の道なんだ。」
「そうなのね。・・・廃倉庫かしらねぇ?出入り口が開きっぱなしだけど・・・。」
「こっちこっち!」
「はいはい。」
「おにーちゃん、まってよー。」
「静香早くしないと置いてくぞー。」
「あら・・・誰かしら?」
「ママどしたのー?」
「うん・・・あそこに誰かいたみたい・・・こんなところで何してるのかしらねぇ。」
「おれたちみたいに近道してるんじゃない?」
「・・・妙な格好してたけど。ちょっと気になるわねぇ。」
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「ママー!ママー!?」
「・・・ぅ。」
「どうしたの!ママ!?具合悪いの!?」
「・・・二人とも・・・急いで先に家に帰り・・・なさい。」
「なんで?ママは!?」
「ママはね・・・ちょっと・・具合悪いから・・・後から・・・帰るわ。」
「やだよ!一緒に帰ろうよ!!」
「ママー・・・?」
「・・・早く・・帰って・・・じゃないと・・ママ怒る・・・わ。」
「やだー!!」
「早く・・・帰りな・・・さ・・・。」
「いやだぁ・・・ママァ!」
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