『あとがき』に代えて(座談会)
「なぁ、確かに色々と終わわっとるけど、これで終りでマジでええんか?」
「僕に聞かないでください。
僕らは何やら起こってる事に気付いても、何も知らないという立ち位置なんですから」
「そうなんやけど、色々とツッコミたいトコ満載やん。
関西人の血が騒ぐちゅーか、な?」
「だから同意を求められても困ります。
それに貴方には関西人の血は混じっていないでしょう」
「キョウちゃんってばつれないわぁ。クリスたん、涙がちょちょぎれそうや」
「何ですか、その寒気のするような猫撫で声は。
そんな事より、作者より作中で書けなかったマメ情報を預かって来たんでしょう?」
「おお、そうやったそうやった。
設定したはええけど、書けんかったつーてな。こないな場所でワシら使って公表するくらいやったら、自分中閉まっとけちゅーねん」
「作中に出番の無かった僕たちに対する救済策でもあるそうですから。主人公の友人という重要ポストでありながら、あれしか出番がなかったんですから」
「まぁなぁ。こないなことしとっても時間が過ぎるだけや、本題にはいるか。
ワシらのE組やけど、これは単にABCのEじゃないねんて。extraordinary。非凡なとか、特別のとかいう意味らしい」
「つまり僕だちは学年の成績上位を集めたクラスって事なんですね」
「ABCの全部にテキトーな意味を持たせようと思っとったらしいけど、思い浮かばんかったから放棄したらしい」
「行き当たりばったりの作者らしいですね」
「ほんまになぁ。
おお、あの生徒会の先輩方についてなんやけどな、元々の知り合いらしいで。
会長の平塚ユウイ先輩の〝御友人〟とやらがあのMな村崎マサト先輩。けっこうええとこのお坊っちゃんらしい。
んで、会長の〝お付き〟が明津トウマ先輩と佐和アキナ先輩。二人とも、会長の父親――つまりは理事長の秘書やなんやらの息子らしい」
「その上、皆さん2年E組だそうですね」
「ハルカがカナタや会長を〝天が二物も三物も与えた~〟ゆうとったけど、けっこう仰山おるやんって話やな」
「特殊な性癖をお持ちの方もいらっしゃいますけど、基本的に容姿端麗な方々ばかりですからね」
「会長は別次元やけどな。
さて、こんなもんでええか」
「そうですね。そろそろ消灯の時間ですし。
最後に僕たち登場人物と作者から。
ここまで読んでいただいてとても感謝しています」
「もし気ぃが向いたら、続きを書くやも知れんちゅー話や。
まぁ、期待するだけ無駄やと思うけどな」
「十中八九無いでしょうね」
「全くや。
悔やむんは、色気垂れ流しの教師が出せん事らしい。んな教師いらんわ、つーのがワシの見解やけどな。
それよりワシらの出番を増やせやって気分やけどな。ほな、さいならや」
「失礼します」
出番の少なかった少年二人による座談会、幕。
これにて本当に終り。