スタックリドリーの冒険

　スタックリドリーは幼い時に両親を土砂災害で亡くした。自身も巻き込まれるはずだったが、背後から不思議な声に呼び止められて命を救われる。気まぐれにスタックリドリーを助けたのは【大いなる幸運】と呼ばれる精霊だった。

——僕はあの時声をかけた精霊に会って聞いてみたいんだ。どうして僕を助けたの、ってね

　１５歳のスタックリドリーは育ててくれた祖母の死去を期に大いなる幸運に再会するために旅に出る。
　盲目の精霊学者と出会って精霊の性質を学び、不思議な森で人生の真理を知り、天空の図書館を訪れて文献に触れ、果ては恐ろしき大海溝へと挑んで、やがて占星術師が住む星の町ステラにたどり着く。
　果たして大いなる幸運に出会うことはできるのか。そして、出会えたならば彼になにを求めるのか。

　スタックリドリーはステラの町で人生をかけた旅の総集として精霊学の書籍の執筆を始める。