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令和の海援隊  作者: 藤木秀哉
雌伏の10年間
16/18

世界の多極化

 ボクが社会人1年生だった1989年は大袈裟に言えば世界史的意義を刻む年だったかもしれない。ある日、職場のテレビで午後7時のNHKニュースを見ていると、東西ドイツ引いては冷戦の象徴的な存在だったベルリンの壁を崩して東ベルリンから西ベルリンへと誰も止める者はなく人々が移動する光景がセンセーショナルなアナウンサーの解説と共に映し出されていた。

 ボクはその映像を眺めながら新しい時代の到来を若者なりに感じ、何とも言えぬ胸の高揚を感じたのを覚えている。

 その時、ボクは外務省の経済協力局政策課という部署に俗に研修生と呼ばれる見習い事務官として勤務していた。その部署は平たく言えばODA(政府開発援助)の司令塔ともいうところで、当時のレートで年間100億ドルの開発途上国への経済援助の総元締めといった所だった。

 時の課長はそのニュースを見ながら、「ソ連にもODAを供与する時代が来るかも知れんなあ」という極めてシンボリックな感想を漏らしていた。

間もなくアメリカとソ連の長い長い東西冷戦は終結し、世界に平和が訪れる予感がしていた。

 あれから約35年間の歳月が経過し、現在の世界はどうなっているか?

 一言で言えば、未だ世界は平和とは程遠く、3年以上を経過したロシアのウクライナ侵攻は続いており、中東の和平も始まったばかりである。 

 中国の経済的・軍事的台頭、インドの大躍進、アメリカのモンロー主義を彷彿とさせる内向き的な保護貿易主義等、世界に覇を唱える超大国の姿はなく、限りなく世界は多極化への道を辿っている。

 こうした混沌とした世界の中で日本はいかなる外交を進めるべきなのか、いかなる国家像を目指すべきなのか。今年、還暦を迎える一元役人には余りにも複雑なテーマであるが、小生の恩師である一昨年に逝去したSoka Gakkai International会長である池田大作先生は、何十年にも渡り、宗派を超えた世界の知性との対話、平和旅を続ける中で、数十年に渡りSGI記念提言という形で哲学的かつ具体的に処方箋を提示している。

 心ある政治の舵取りをしている人は今こそ、謙虚にこの処方箋を省みる時ではなかろうか?

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